サカセルコラム

SAPIX偏差値の読み方 Column

SAPIXの活かし方

SAPIX偏差値の読み方

2021.04.30

増田先生の「SAPIXを6年から始めるのに必要な学力は?入った後は何をすればいい?」でも言及されていたように、SAPIXの母集団のレベルの高さは中学受験界で広く知られています。

SAPIXの偏差値表では40台半ばに位置している学校が、高校受験では偏差値70前後にランクされることも、もはや当たり前。

母集団のレベルの高さは異常と言っても良いのかもしれませんね。

当然、SAPIXの試験は上位校を目指す生徒の学力差を明確にする必要があるので、難度は非常に高いです。基本的な知識をそのまま課す問題はほとんどありません。

例えば算数では冒頭の計算問題から、分数⇔小数の換算や計算の工夫をきちんと考える必要のある問題が課されます。理科や社会の暗記分野に関しても、基本的な知識を問うものであっても、視点や表現を変えて出題されます。

あれだけ勉強しているSAPIX生達が、未習の知識を問われているわけではないのに平均点で6割も取れないような出題は、作問側の力量の高さも反映していると言えるでしょう。

SAPIXの偏差値は部分的に有効

ただ、このSAPIXの試験における偏差値が、必ずしも全中学受験生にとって参考になるわけではありません

その模試における偏差値は40~60くらいの学力の優劣を明確にするものです。そのレンジから外れている偏差値は、正しく個々の生徒の学力を反映しているとは言えない状況も散見されます。

僕自身が今まで見てきた生徒でも、SAPIXでは同じような偏差値帯に位置しながら、基礎学力の差が大きかったケースは多々ありました

例えばSAPIXでは算数の偏差値が30台の生徒達に首都圏模試を受けてもらったケースを挙げてみましょう。

SAPIXでは同じようにせいぜい偏差値30台後半しか出せなかった生徒達ですが、首都圏模試では算数の偏差値で70前後を叩き出す生徒から、首都圏模試でも偏差値50前後しか出せない生徒まで、明確に学力差が現れました。

実際の受験結果も、首都圏模試で好成績を残すことが出来た生徒は、SAPIX偏差値では10くらい届かなかった学校に余裕を持って合格を果たしました。

一方で首都圏模試でも好成績を残せなかった生徒は、秋が深まった段階でも基礎知識の獲得に注力せざるを得ず、志望校対策が充分にできなかったので、結局SAPIXの偏差値相応の学校に進学することになりました。

このように母集団にトップ層が少なく、出題内容も素直な基本問題が中心となっている首都圏模試では、基本的な知識や計算力を明確に測定できると言えるでしょう。

SAPIXの模試における偏差値は、あくまでもトップ層の中での自身の立ち位置を測るものであって、必ずしも中学受験における基礎学力の優劣を測るものではありません。

場合によってはSAPIX以外の模試を受けるという選択肢も視野に入れておくと良さそうです。

そもそも偏差値は…

とは言え偏差値は決して万能な指標ではありません

最終的な合否は模試での成績ではなく、その学校独自の出題での得点によって決まります。

当たり前と言えば当たり前の話ですね。

基本的な解法知識を身につけたら、あとは学校の求める学力に合わせて必要な力を磨いていって合格の可能性を高めます。どのような対策が効果的かは信頼できる講師と相談できるとなお良いですね。

ここで気を付けておきたいのは「基礎学力を養成してから⇒志望校対策」という順番です。

順番が逆になったり、無理やり同時並行しようとしたりしても結局、問題の難度を適切に判断することが出来ず、得点力の向上にはつながりません。

基礎学力がついている目安としては、志望校の偏差値の-5くらいでしょうか。

なんとか6年生の夏休み明けの時点で、勝負が出来るラインまで基礎学力を養成したいものです。もし6年生の秋の時点で10以上偏差値が届いていないならば、さすがに志望校の再考が必要になってくることは否めません。

なおSAPIXが出している学校の偏差値は合格率80%の数字です。

6年生後半の合格力判定SAPIXオープンなどでは、合格率50%の偏差値や合格率20%偏差値もデータとして出ているので、より詳細に自分の立ち位置を確認することが出来るでしょう。

SAPIX偏差値の捉え方

結局のところSAPIXの偏差値をどう捉え、どのように準備を進めて行けばよいのか、話を整理しようと思います。

まず志望校合格に向けて、高い基礎学力を養成することが何よりも大切です。

6年生の夏休みまでは、とにかく平均偏差値を上げること(=コースを上げること)に注力しましょう。志望校の出題傾向は一切気にしなくても構いません。

なんとか自身の持ち偏差値(=直近5回の4科総合の平均偏差値)を志望校の80%偏差値-5以内に持っていくよう努力しましょう。

9月以降は志望校対策です。

関連記事:中学受験、いつから過去問を始めるべき?

持ち偏差値が志望校の80%偏差値を上回っていても、実際の志望校の出題では得点できないケースも珍しくないので油断は禁物です。

逆に偏差値では届いていなくても、相性が良く思ったよりも得点出来る場合もあります。SAPIXの模試の偏差値には捉われ過ぎず、過去問での得点率に注目していきましょう

学校に応じた適切な対策を重ね、志望校合格を勝ち取れるよう、受験生の皆さんを応援しています。


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三宅 貴之

この記事を書いたのは...

三宅 貴之

自律学習サカセル代表。
東大寺学園から東京大学に進み、以降は講師としてキャリアを積む。

また講師としてだけではなく、東大生のみを紹介する家庭教師センターを設立し、誰よりも多くの東大生と勉強法を論じてきた経験も持つ。
そして満を持して、2017年に自律学習サカセルを創設。

その昔、高校生クイズで全国大会の準決勝に進出したことも。
現在は卒業生との語らいと娘の成長が楽しみ。

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