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中学受験、いつから過去問を始めるべき? Column

勉強一言アドバイス

中学受験、いつから過去問を始めるべき?

2021.04.23

さて、今回はタイトルの通り、中学受験について過去問はいつから始めればよいのかをテーマに自律学習サカセルの講師の皆さんに質問をしてみました。

中学受験において過去問というのは必須のものですよね。いつからやるのかを考えるにあたって、どうしてやるのかということは必ず考えなければいけないと思います。皆さんは、生徒に過去問をやらせるときにどのような目的意識を持っているのでしょうか?

過去問演習の意図

まず、過去問を使ってやることは、「出題構成」 「難度」 「解答の形式」 「頻出分野」 「合格者最低点・合格者平均点」 などを知り、自身の現状の学力との乖離を把握することです。

その点から言うと過去問は最高の対策問題集なんですよね。

そう、だから過去問演習の結果から足りない部分を補う戦略を立てて、最終的に志望校の入学試験本番で合格最低点を超えることが目標です。

さらに、この三宅先生の目的意識を受験期に継続的に持つことで、いつの時期にここまでの内容を達成し、何が足りないかをチェックする「定点観測」の面を持たせることができると思います。

2人の言ったことから、解ける解けないより、実は分析の方が大事ということがわかると思います。よって、解き直しが非常に重要になってまいります。

なるほど、過去問演習は早くからやった方がいいのですか?自分とゴールとの距離感は早くからわかっていた方が良さそうに思えるのですが…

過去問演習は早く始めるべき?

これは教科によって意見が違ってくるところかもしれません。通っている塾の内容が物足りないと考えて、得意科目を伸ばしたいと考えるケースだけでなく、苦手科目となっている場合についても、私自身、国語の指導で6年生の2月以前から入試問題の過去問を使うことがあります

ただ、この時期から自分や保護者の方が主導で「第一志望校の最新年度」を扱うのは得策ではないと思います。国語以外は中学入試の全単元が終了していないため、本当の力が計れるタイミングでないこと、ただ解き、○と×をつけるだけになり、その後に繋がらない学習になってしまう可能性があることが問題になるでしょう。

そうなんですよね。算数では増田先生の方針とは異なります。準備が早ければ早い方が良いという訳ではありません
一般的に塾のカリキュラムは6年生の夏休み前までで1周するように組まれています。
先手必勝!とばかりに、5年生の冬や6年生の春などの早い時期に過去問を解いても意味はありません、無駄です、むしろ貴重な過去問の無駄遣いでマイナスです。

もちろん国語でもいつも勧めるわけではありませんよ。「時期」「既習単元」などによってどの問題を扱うべきかを選定するのは難しいことです。
その選定が上手く行かないと、貴重な入試演習の機会を失うだけになることが考えられます。

「専門的な知識を持った人間が選んで扱う」ならば、「その後に繋がる何か」が残る確率は高いと思いますが、そうでないと、貴重な入試演習の場が一つなくなってしまうだけになります。

では、みなさん具体的にどの時期に始めることを勧められているのでしょうか?

過去問を始めるべき時期とは?

私は10月スタートがちょうど良いと思います

6校を受験をするとして、各校5年分の過去問を消費しようとすると30年分やらないといけません。
こう見るとすごい数ですね。
これらを1週間で2校やるとしても、15週間必要となります。
11月〜2月1日まで約13週間になりますので、単純な計算でもカツカツになるのはわかっていただけるのではないかと思います。

ここで10月の4週間分を入れてあげると13+4で17週間になり、少し余裕が出ることが分かります。滑り止めを10月から、第一志望校群を11月からといったところです。

夏田先生は結構遅めの方針ですね。僕は少し違って、基本的な解法知識が身についている生徒なら、夏休み開始の7月下旬くらいから過去問演習を始めていいと思っています

ただ現実問題として典型題の知識が仕上がっていない生徒や、目の前の復習に追われてしまって、他の勉強に手を出す余裕のない生徒が大多数です。
結局のところ連日の夏期講習の復習に追われてしまうので、夏期講習が少し落ち着くお盆休みや、9月から始める生徒が最も多くなりますね。

でも9月から始めるデメリットもあるんですよね。通塾日数が増えて、一週間にこなさなければならない授業が多い時期でもあるので、解くだけになってしまい、復習する時間の捻出が難しくなることもあると思います。

もちろん、夏休みという超大量のインプットの後のこのタイミングは、各種模試、過去問演習で「アウトプット」をするいい機会とも言えます。

なので私のおススメも6年生の9月からのタイミングです。10月、11月から過去問演習を開始してもいいですが、それをするのは、

– 中学入試の勉強を小6から開始するなどして、夏期講習までに単元が終了しきれなかったとき
– 基礎事項の定着がおろそかで、夏期講習で復習事項をさらい切れなかったとき

ですかね。

過去問演習をいつから始めても全単元にわたる超大量のインプットをしたところで、その知識を使って、どう「方針を立てて」「考えるか」は別問題。
また、通っている塾での偏差値がいくつだろうと、それはあくまでも「その形式を採用するその模試を受けた中で偏差値がいくつだったか」という話。

文章がきちんと読めているわけではないが、「うちの塾ならこの辺に抜き出しの答えがあるでしょ」と各塾の模試でどう点数を作るかに特化した子も、少なからずいます。
一年かけて各学校の先生が作成する入試問題と、全てが直結するわけではないので注意が必要です。

なるほど、結構講師によって細かい時期が変わってきますが、いつ始めてもはじめに伺った目的意識は失わないように注意しないといけないということですね。

あと最後に付け加えると、もう一つ夏田先生と意見が違うところがあって、僕は過去問を第一志望校から進めてもらう。好きなものは先に食べる派やからね。

そんな差もあるのですね!今回は時間的にお開きにしますが、その辺の話は別の時のテーマにしましょう!


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この記事を書いたのは...

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池尻大橋駅から徒歩2分。
国道246号線沿いの個別指導塾、家庭教師センター。
特に中学受験は専門プロ講師によるコースを設置し、高い実績をあげている。
東大・ 医学部・早慶大生を中心に意欲の高い講師が指導する、中高一貫校・大学受験コースにも定評あり。

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