サカセルコラム

中学受験成功へ向けた、親の心構えとは Column

パパママの心構え

中学受験成功へ向けた、親の心構えとは

2021.03.30

東大進学率の高い中学校を目指して!

大学附属に入れてしまえば将来も安心

小学校受験のリベンジ!

と高い目標を掲げる鼻息の荒い方。

習い事の1つとして

友達が塾に通い始めたから僕も(よく分からないけど)通いたい

週2回も夕方から夜に預かってくれるなら、学童保育の代わりになるわ♪

中学受験を始めるきっかけは家庭によって様々です。

実際のところ4年生の間は、遊びや他の習い事とも両立しながら、楽しく塾通いが出来る家庭が多いようです。

ところが5年生以降は通塾時間が増え、学習内容も重くなり、とてもじゃないけれど片手間でこなすことなんて出来なくなっていきます。

思わず「こんなはずじゃなかったのに・・・」と口にすることも。

せっかく中学受験にチャレンジしようと決めたなら、最後まで前向きに頑張りたいものですよね。

という訳で今回は「中学受験における親の心構え」をテーマに数多の中学受験生とそのご家庭を見てきた以下の3人の講師にお話しを伺ってみたいと思います。


今回このテーマについて話すのは…

三宅貴之

(自律学習サカセル代表 算数科講師)

増田雄介

(自律学習サカセル 国語・社会科講師)

夏田浩志

(自律学習サカセル 国語・算数科講師)


さて、心構えというのは、とても広範で抽象的なテーマですが、具体的な観点から少しずつ探っていければと思います。まずは、中学受験を控えるご家庭で、これは親がやらなければならないということはありますか?

中学受験において親がやらなければならないことは?

中学受験生にはまず、保護者の全力のサポートが必須となります。小学生が自分で計画を立て、塾の予復習をし、教材を管理する、なんてことは出来ません。

理性がまだまだ弱く、楽な方、楽しい方に流れていくお子様がほとんどですもんね。

そう。だから自宅で学習する教材を整理したり、塾に持っていく教材を用意したりという「教材の管理」、日々の学習計画を立てる「スケジューリング」、また帰宅時間が夜遅くなりがちな塾生活における安全のための「送り迎え」は必須です。

三宅先生に付け加えると、4年生までは教材の内容も専門性がそこまで高くないため、親御さんが勉強を教えてもよいかもしれません。裏を返せば、子供が5、6年生になったら、親が教師となるのには限界がくると考えています。学年によって微妙にやらなければいけないことが変わることに注意が必要だと思います。

三宅先生、K・M先生が挙げたことは勉強の面のサポートですが、本人の体調など、コンディションの管理にも繋がっていますよね。

そうですね。それも欠かせない部分です。

私はそれに志望校の限定や決定も付け加えたいと思います。

志望校の方向性に決定権があるのは本人ではなく親御さんですから、子供自身に行きたい学校がなかったとしても、親としてここに行かせたい、またはこういう学校は行かせたくない、というのがあるはずです。

条件に合う学校を抽出して、その中から本人に選んでもらうというのもアリだと思います。
大事なのは「自分の目で真剣に考える」ということ。
他人が何と言っていたとしても、「この学校に通うイメージは容易に想像できる」のであれば、その学校は「子供に合っている学校」なんだと思います。

なるほど、そもそも中学受験で親がするべきことはたくさんあるんですね。

そうです。これだけやることが多く、時間も取られることからわかると思いますが、何より覚悟が必要になります。

そもそも中学受験を甘く見てはいけません。中学受験でしか扱わない知識や発想を、1つ1つ丁寧に編み上げていく必要がある中学受験の学習は、生半可な努力で成果に結びつけることは難しいです、いや出来ません。

なるほど、よく言われることですが中学受験は親子でするものだと。

それでもあくまで子供の中学受験

「そうなんです。中学受験は言ってみれば子供を主役にした団体戦。
フィギュアスケートのトップ選手や、有名子役をサポートする保護者をイメージすると良いかもしれません。

でも、気を付けなくてはいけないこともあります。あくまで保護者はサポートですから。

特に5年生~6年生にかけては子供に自力で走り出してもらわないといけません。ですので、手を離す勇気を持つ必要がある。片や、子供が楽な方、楽しい方へ流れていくことがないように舵取りは必要になる。お子様の自立を促しつつ、管理はしっかりと。といったところですかね。

そうですね。子供以上に結果に一喜一憂する保護者も少なくはありませんが、のめりこみすぎないことが大事。是非とも一歩引いた視点を大切にしてほしいと思います。

なるほど、ではこの辺でまた少し具体的な話に移っていこうと思います。サポートをしながらも一歩引く、この難しい親の立場を踏まえて、こういう言動をした方がいいということはありますか?

こんな声掛け、行動を心がけるべき!

まず挙げるとしたら、「人と比べ過ぎない」ということ。

子供によって得意不得意はあるものです。
「〇〇くんが出来ているんだから、あなたも出来るはず!」
「△△ちゃんはαから落ちたことないんだって、あなたも見習いなさい」
と、追い込みすぎないよう気を付けましょう。

例えば、陸上でも猛練習したところで、誰もが100mを10秒で走れるものではないですもんね。それぞれの自己ベストを目指して頑張るべきです。

また、この「人と比べない」の「人」には親御さん自身も含まれます。

「子供の頃、俺はもっと出来た」
「むしろ私がマンスリーテストを受けたい」
と思うこと、言ってしまうことも少なくありませんが、それは子供の受験においては何の役にも立ちません。

確かに、こういう子供が行っていることを否定的に指摘する言葉は非常に危険だと思っています。

実体験として、私が受験生の頃も、自分の中で予定していた分の勉強が全て終わって、リビングでくつろいでいたら母に叱責されたことがあり、
「勉強の中身を知らないなら、二度と口を出さないでほしい」と伝えたことがあります。

振り返ってみると、「お疲れ様、今日はもうやることないの?」など、という言葉で伝えれば私も違った対応をしたのに…と思います。

するべき声かけとしては、勉強時間が足りていなかったのであれば、「ここまでは頑張れた、次はどの曜日のどの時間に新たな時間を設定できそうか」
趣味に時間を費やしてしまったのであれば、「○○が趣味なのはわかるし、続けてほしい。趣味の時間をきちんと楽しんでほしいから、何曜日の何時までに宿題を終わらせてほしい」など、
きちんと「出来ている」ことを承認した上で、約束事を決める…などですね。

ただこれには、日頃の信頼関係の構築が不可欠だと思います。

この信頼関係と関連していることだと、特に低学年の間は私は子供に舐められないようにすることも大事だなと思っています。

増田先生もおっしゃっていたルール等は決めたら、何があっても守らせる。という意識を持っていただくということですね。

では、最後にみなさんが「あるべき受験生の親の心構え」を一言で表したらどうなるでしょうか?

あるべき受験生の親の心構えとは?

うーん「理性的」ですかね。

中学受験は間違いなく大きく時間を取られます。お子様が思い通りにやってくれない事も多くあります。そんな中で腹が立つことも多くありますが、怒るのではなく、叱りましょう。

「また、学年が進むにつれて子供の自立はさせつつ管理はしっかりと。そして、直前期にはお子様の不安を理解してあげて、安心感を与える言動を心掛ける。と、自分がやはり感情に流されないことが大事だと思います。

私は「どっしり」です。

さっき、我々で挙げたような、避けるべき言動の言葉の裏には大抵自分自身の心配、不安が隠れています。そして、このように言動に出たらもちろん、直接的に現れてなくても子供は微細な変化も感じ取り、不安は子供に伝染します。

だからこそ、特に成績が出なかったときに、いかに「平常心を装うか」は大切なことです。

「上手く行っているように見える子の親御さんほど、どっしりと構えている」傾向にあると思います。
子供の成績が出ているから親が「どっしり構えている」のではなく、
親が「どっしり構えている」から子供がついてくるのだと思います。

僕にとっては「楽しむ」ということです。

中学受験は家族一丸で頑張る、一世一代の大イベントです。
辛い思いや悔しい思いをすることも多々ありますが、それ以上に喜びや満足感、一体感を得られる素晴らしい機会ですよ。

「知らなかったことを親子で知っていく」
「気づいていなかった子供の側面に気づく」
「目標に向かって家族一丸で頑張る」
「支えてくれる多くの人々に感謝する」
中学受験を通して、様々な素晴らしい経験を得ることが出来るでしょう。
その経験が子供の将来の幸せにつながっていくものであって欲しいと願います。

三宅先生、増田先生、K・M先生ありがとうございました!

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この記事を書いたのは...

自律学習サカセル

池尻大橋駅から徒歩2分。
国道246号線沿いの個別指導塾、家庭教師センター。
特に中学受験は専門プロ講師によるコースを設置し、高い実績をあげている。
東大・ 医学部・早慶大生を中心に意欲の高い講師が指導する、中高一貫校・大学受験コースにも定評あり。

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