サカセルコラム

中学受験で親は不安になるもの。その中で上手くいったケース、失敗したケースとは? Column

パパママの心構え

中学受験で親は不安になるもの。その中で上手くいったケース、失敗したケースとは?

2021.03.26

自分の将来が大きく左右されてしまう中学受験。この期間中は色々な不安が付きまとう生徒たち、そして親御さん。中には親御さんのストレスや不安が原因で生徒の結果が最善のものではなくなってしまったケースも…

そこで今回は、今まで数々の中学受験生とその家族を見てきた自律学習サカセルの講師陣それぞれに、中学受験における親の不安をテーマにうまく行った事例、うまく行かなかった事例を聞いてみました。もちろん、これらはあくまで事例なので、全く同じようにすればうまく行ったり、失敗したりするわけではないと思います。ですが、考えるヒントとして参考にしていただければなによりです。


まずは、うまく行かなかった家庭の例から、K・M先生に伺いたいと思います。

Case1 不安から自身の子供を過大評価した家庭

以前あったのは、不安から厳しい模試の結果などをあまり見ようとせず、普段の実力では取れないような自己採点の過去問の点数をこちらに伝えてくるという状態です。


これはある種の逃げのような状態なんですよね。

それでどうなってしまったかというと受験プランがかなり強気で現実的では無いになってしまっていたんです。

その結果はどうなったのですか?

結局志望校はほとんど変えず突入して、1月の埼玉入試の一発目の学校で完全にノックアウト。

そのままズルズルと引きずってしまい良いとこ無しで受験終了。

最終的に1日の午後で受けた滑り止めの学校へ進学しました。

それは完全にご家庭の期待からも外れた結果でしょうね。

そうですね。自己採点の過去問の結果ではなく、模試の偏差値を考慮してもっと下の学校から組み立てるようにすること。そして過去問の採点はそもそもプロに任せればよかったところです。

Case 2 滑り止め失敗を過剰に不安視、それまでの習慣を壊した家庭

もう一つ思いつくのはそれまでは普通だった親が子が前哨戦(滑り止め)で失敗 親が異常に心配するようになるパターンです。

その子はデータ的には大丈夫だったので、親が子を不安にさせないようにし、メンタルケアを踏まえて授業にも参加して欲しいと伝えてありました。

しかし、実際は体調管理を理由に授業には顔を見せず、お子様が部屋に篭りっぱなしの状態になり第1志望〜第3志望まで全滅。 結局その子も滑り止めの学校へ進学されました。

ありがとうございます。次に、他の講師の方にも伺いましょう。

Case3 講師から伝えた内容を完全に無視した家庭

親御さんの不安からくる質問で多いのは「国語が苦手で塾での偏差値が安定しません。対策を今から始めたとして、いつになったら成績が上がりますか?」というものですね。

これに対する私の回答は「成績はいつ上がるのかは、はっきりとは言えません。」というものです。なぜなら、それは様々な要素が絡んで、国語の成績を作るからです。

私は国語の成績は、「語彙力」「読み取る力」「解く力」「書く力」の4つの力が柱となって、結果として現れると思っています。
生徒さんによって、どの部分が弱点になっているかが違います。
この中でも、「語彙力」が弱点になっている場合、時間がかかりやすい傾向にあるのは事実です。

しかし、その他の力が弱点だったとしても、定着に時間がかかるなら、成績が安定するまでに時間がかかるでしょう。ポイントはこの4つの力の中でどこが弱点かを見極めることです。

これを踏まえてまず上手く行かないケースを紹介すると、「こういう対策が必要です」、と伝えた内容を完全無視する家庭です。

中にはそれどころか謎の問題集、謎の入試問題を解いて提出してくる家庭もあります。本人や保護者の方に悪気がないケースもあるとは思いますが…

私は、「教える」ことで「飯を食っている」プロです。生徒さんのコンディションを診たり、弱点把握などをしたりして、必要なものを選び出して、提案しています。

一方、世の中には様々情報媒体があります。
もともとは雑誌がその主流でしたが、今はスマートフォンで得た情報を元に情報を決定していくことが多いですね。
その中でも、いわゆる「受験パパママブログ」に書かれている内容に一喜一憂するご家庭は多いな、という印象があります。

それを全て否定するつもりはありません。

が、その内容は「その子供のコンディションやポテンシャル」に合った内容であって、成績帯が同じだからと言って原因や弱点は人によって違う、と私は考えています。

可愛い自分の子どもを任せてもいいと思える担当に出会えたのであれば、担当の言った対策を実行してみてはいかがでしょうか。

結局、講師のアドバイスを実行しないというのは基本的に悪い方向に進んでいきますよね。

同じようなパターンが他にあったのですか?

はい、声掛けに関しても似たようなことがありましたね。

「××と声掛けしても何も起きないから、〇〇と声掛けしてみて」と担当がアドバイスをしたが、親御さんがそれを守ろうとしないケース。
「勉強しろというのを辞めてください」というアドバイスをしたときに、よく見られる反応です。

約束したのに口だけで守らないと信用を失うのは親も子も同じです。

ちなみに…
たいてい子供は約束を破ります。
大人びていても結局「子供」です。「責任感」なんて言葉が自分の辞書にある子の方が稀有です。むしろ、自分のやったことなんて棚にあげて、ちょっと目についた大人の批判ばかりすることも。10歳を過ぎてそこそこの人間ですから、誰だって未成熟なのです。

そんな時に怒りを抑えるのは親にしかできません。
そんな状況から建設的な話に持っていくのも親しかできません。
ぐっと飲みこんでご家庭で上手く立ち回ってほしいです。受験が終わるまでの期間限定ですから。

何年か経ってから、結婚相手を連れてきた自分の子どもに、その時の思い出話をする機会が出てくるかもしれません。
それもこれも、親子関係で亀裂が走っていたら難しいと思います。
良い関係は親の愛情から生まれます。

では、最後に三宅先生は今までに親御さんの不安からうまく行かなかったことがありましたか?

Case4 両親が共働きで子供の勉強を充分に見てあげられなかった家庭

やはり中学受験は親子の受験です。
教材の管理や学習スケジュールの作成・実施など、小学生には難しい部分は、保護者のサポートが必須です。

また子供は自分が頑張っている姿を親に見てもらって認めてほしいもの。
モチベーション部分を考えても、出来る限り子供の学習のサポートのための時間を捻出することは、中学受験の成功のために必要です。

その中で今の時代、両親がフルタイムで働いていて、子供の中学受験に関しては塾にまかせっきりで成績状況くらいしか把握していない…という家庭も散見されます。

ただ、残念ながら結果が伴わない場合が大多数です。

逆に今まで僕が見てきた成功事例を振り返ってみても、受験生の1年間だけ特にお母様が時短勤務に変えたり、休職したりする方も少なくありませんでした。
受験直前の1月に今まで貯めてきた有給休暇を一気に使う保護者の方も、何名も見てきました。また、テレワークで通勤時間を減らすのも1つの手段ですよね。

今までは仕事に注いでいたエネルギーを子供に注ぐことが出来るので、受験結果としても上手くいく場合が多いですよ。

ここまではうまく行かなかったケースを伺ってきましたが、最後に少し成功事例の話がでました。もちろん、不安を抱えながらもうまく行ったご家庭も多いわけですよね…

ではまたM・K先生から順番に今までの経験でそのように不安を抱えながらも成功したケースを教えていただきたいと思います。

Case5 親からの圧力をやめて子供の勉強に火が付いた家庭

よくあるのが子供の成績が上がらず親が非常に焦っており、子にきつく当たってしまう。一方でお子様は焦っているようには全く見えないという状況です。

よく受験期に喧嘩が頻発している家庭も見受けられます。

でも子供はこっち(塾)で焦らせるので、ご家庭でお子様の不安を煽るのをやめるという方針に変更するべきだということを伝えたところ、親から言われなくなったため逆に焦ったのか、勉強をやるようになったケースもあります。

その子は、白星と黒星が交互しながらも第1志望へ入学しました。

Case6 何でも塾に聞くことでスムーズにことが進んだ家庭

あとは中学受験を全然分かっていなく、受験校選びが非常に不安。
子に結構任せてきたが大丈夫か?と相談を受けた家庭もありました。

そこで、その家庭の受験プランに関してはお子様の性格を考慮しながら、親御さんと一緒に練っていきました。

何より良かったのは分からないことはなんでも聞いてくれたおかげでご家庭との共通認識がしっかり作れ、お子様とご家庭と講師サイドで良い関係が構築できたことです。

その子も無事全勝で第1志望の学校へ進学しました。

Case7 塾でクラスが下がることを気にせずどっしり構えた家庭

うーん、家庭の不安を反映しているよくある質問から考えると「塾での成績ってどれくらい信用したら良いのか?」という質問ですが、これの答えとしては「模試による」というものなんですよ。

「学校名」がついた志望校別オープン模試が一番感覚としては近いですが、形式は似ていても、細かな学校のクセまで再現できているかというと怪しいです。「基礎知識が入っていなくて、点数が悪すぎる」というのは問題だとは思いますが、偏差値63を超えたあたりからは、自分の志望する学校の対策を煮詰めた方が有効だと思います。

このことを議論の基礎すると、どのクラスに所属しているかを気にしすぎず、個別指導などを受けていたら、「こうしてください」と指示した内容をきちんと取り組むということがうまく行く秘訣です。

さきほどのうまく行かないケースの裏返しの形になっているわけですね。

そうです。そして塾での成績が下がることが不合格につながるわけではないと理解することも重要だと思います。私自身、9月以降に塾の通常授業の教材の復習を最優先にすることはありません。しかしそうなると、今まで通りの勉強を回すことができず、塾での成績が下がることもあります。

しかし、塾の所属クラスは一定の指標にはなりますが、それが全てではありません。SAPIXでαコース、また塾の選抜クラスに所属していないのに、筑駒や灘に受かるケースもありますからね。

自分の生徒さんには、「塾での成績どころか、どの塾に所属していたかなんて履歴書にすら書かないよ」なんて言ってしまいます。

そのようにどっしりと構える考え方ができるご家庭は経験上うまく行っていますね。

さて、最後に三宅先生に伺いたいと思います。

Case8 うまく受験生が集中できる環境を作り出した家庭

中学受験は塾の授業だけで学力をつけることは絶対に出来ません。
塾で習ってきた内容をもとに、自分でどのくらい復習が出来るかが、成績の鍵を握っています。

そんな中、自宅で集中して学習できない状況は、難しい環境と言わざるを得ません。
今まであったのは幼い兄弟がいて、ついつい一緒に遊んでしまったり、家族が集まるリビングだと騒がしくて集中できなかったりしたケースです。

それをうまく乗り越えた方法としては、勉強時間だけ「幼い兄弟を外に連れていく」というケースが多いです。
父親や祖父母が、習い事に連れて行ったり遊びに連れて行ったりはよく聞きますね。
特に6年生の講習期間や冬期・直前期は、幼いきょうだいを両親の遠方の実家に預けてしまうケースも少なくはありません。

もちろん、塾の自習室も有効です。
その際は友達と遊んでしまわないように、しっかりと管理監督をしてくれる教室を選ぶことが大切です。
ただ場所を提供するだけでは、結局ぼんやりと机に向かうだけで中身が全く進んでいないというケースも少なくありません。

・・・と考えていくと、幼いきょうだいがいて集中できない可能性がある場合は、自律学習サカセルの「自律学習サポートコース」が非常に有効ではないでしょうか。
学習の監督はもちろん、採点や質問まで対応しているので、事前に学習の計画さえきちんと立てられていれば、学習効果は高いですよ。
もし校舎に通える範囲にお住まいなら、是非ともご検討くださいね。

今回も三宅先生にうまく閉めていただいたところで終わりにしたいと思います。

ただ、受験生とその親御さんの不安は十人十色、ご家庭の数だけ多様なものです。サカセルのプロ講師は無料で様々なお悩み、不安の解決のお手伝いをさせていただきます。以下のお問い合わせボタンからお気軽にご相談ください!

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この記事を書いたのは...

自律学習サカセル

池尻大橋駅から徒歩2分。
国道246号線沿いの個別指導塾、家庭教師センター。
特に中学受験は専門プロ講師によるコースを設置し、高い実績をあげている。
東大・ 医学部・早慶大生を中心に意欲の高い講師が指導する、中高一貫校・大学受験コースにも定評あり。

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