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【塾対象説明会レポート】玉川学園中学部・高等部 ― スケールも学びも圧巻のキャンパス Column

学校紹介

【塾対象説明会レポート】玉川学園中学部・高等部 ― スケールも学びも圧巻のキャンパス

2026.07.20

先日、玉川学園中学部・高等部が開催した「塾対象説明会」に参加してきました。中高の入試担当の先生方から教育方針や入試情報まで、非常に内容の濃い説明会でしたので、レポートとしてまとめます。当日配布されたスライド資料の内容や、2026年度の入試結果・大学合格実績データも合わせてご紹介します。

【まず驚いたのは「敷地の広さ」】

会場に向かう道中からすでに圧倒されました。最寄り駅の改札を出ると、線路を挟んで両サイドに玉川学園の関連施設が広がっているのです。一つの学校が、線路の向こう側とこちら側の両方にキャンパスを構えている光景は、なかなか他では見られるものではなく、まずこのスケール感に驚かされました。

配布スライドによると、キャンパスは61万平方メートル、園児・児童・生徒・学生・教職員を合わせて14,000名が集う規模とのことで、肌で感じた「広大さ」が数字としても裏付けられていました。幼稚部から大学・大学院までを擁する一貫教育の学校だけあって、敷地全体が一つの「街」のようになっている印象です。

【会場は、まさかの「プラネタリウム」】

そして今回の説明会、もう一つ驚いたのが会場です。会場は「サイテックセンター」という理科専門の施設の中にある、プラネタリウムでした。座席はリクライニングになっていて、ボタンを引くと背もたれが倒れ、天井に資料が投影されるスクリーンに向かって、ゆったりと寄りかかりながら説明を聞くことができます。

私立の学校の施設にプラネタリウムが設置されているという話は、これまであまり耳にしたことがなく、案内された時には正直驚きました。これだけでも、玉川学園の施設の充実度がうかがえます。

ちなみにサイテックセンターは、2階が化学、3階が生物、4階が物理の専用フロアになっている理科の専門校舎で、プラネタリウムはその中の一施設という位置づけです。

【説明会の流れ・配布資料】

当日は紺色の手提げ袋に、プログラム、説明用のパワーポイント資料、中学部・高等部の入試結果・大学合格実績、行事概要や募集要項(中学一般・高校一般・中高IBの3種)、パンフレット、さらに昨年度の入試問題と傾向・対策まで、一式がまとめて用意されており、塾の先生方への配慮が行き届いている印象でした。

【教育説明:これからの時代に求められる力(教育部長・高等部長)】

教育部長・高等部長からは、「時代の変化」を軸にした話がありました。

- AIの進展が、学校教育における「探究」の根幹そのものを揺るがしつつある。

- 転職が当たり前になり、ジョブ型雇用へのシフトが進む中、大卒3年以内に約3分の1が転職する時代になっている。

- 「人生100年時代」の中で、今の小学生が大学を卒業する頃には、現在ある仕事の65%がなくなるという研究もある。

- 2030年(あと4年後)には、メタバースやビットコイン、宇宙旅行が話題になる一方で、最終的に重要なのは「一生学び続ける力」だという見立て。

こうした時代の中で玉川学園が大切にしているのは、知恵を体得すること、対話、体験を通じた共感、そして「生きがい」「働きがい」を自らマネジメントできるリーダーシップだと説明されました。

印象的だったのは、教育部長・高等部長ご自身が高1の入学生全員と面接したというエピソードです。生徒が玉川を選んだ理由として多かったのは、「探究(自由研究)を頑張りたい」「圧倒的な施設」「先生や生徒の人柄」の3つだったそうです。

【創立の精神と「夢」の字】

玉川学園は1929年創立で、もうすぐ100周年を迎えます。教育の柱は「全人教育」。

モットーは「人生の最も苦しい、嫌な、損な場面を真っ先に、微笑みをもって担当せよ」というもの。そして学園のシンボルである「夢」という文字には、創立者・小原國芳氏が右肩にあえて点を一つ多く書き加えたという逸話が紹介されました。「枠にとらわれない大きな夢を持ってほしい」という想いが込められているそうです。

スライドでは「玉川教育 12の教育信条」として、全人教育・個性尊重・自学自律・能率高き教育・自然の尊重・学的根拠に立てる教育・師弟間の温情・労作教育・反対の合一・第二里行者と人生の開拓者・24時間の教育・国際教育、という12の言葉が掲げられていました。校内の石碑にも「健康・学問・道徳・宗教・芸術・生活」という全人教育の6つの価値がラテン語と共に刻まれているそうで、知育・徳育だけでなく生活全般を含めた「全人」を育てる姿勢が、文字通り校内のあちこちに刻み込まれている印象でした。

中学部・高等部それぞれが目指す生徒像も語られました。

中学部:「深み・丸みのある大人」になるために、「触れて・感じて・表現する」ことを大切にし、気が利いて即行動できる、相手に恥をかかせない、社会全体を考えられるといった「玉川しぐさ」を実践する。

高等部:「深み・丸みを究める大人」になるために、感知・思索・体現(芯化→深化→進化→真化)を重ね、「自分自律」「隣人共感」「全体調和」という3つの玉川しぐさを意識する。

【施設紹介(ビデオより)】

施設紹介ビデオでは、もうすぐ完成する新体育館、50メートルプール、教員が授業を行う情報図書館、教育博物館などが紹介されました。

中学校舎には「職員室がない」のが特徴で、教科教室制・習熟度別授業を採用。各教室にはピアノとモニターが備えられ、生徒は「プランナー」で自己管理する仕組みになっているとのことです。週の日課表にも「自由研究」の時間がしっかりと組み込まれていました。

先述のサイテックセンター(理科専門棟)に加え、アート専用の校舎ではCNC旋盤やレーザー加工機を使い、中高生が実際にものづくりを行っているとのこと。データサイエンスの授業では、人口密度や交通量といった身近なデータから店舗の売上予測まで、統計を使って分析する実践的な学びの様子が紹介され、社会と直結したカリキュラムであることが伝わってきました。

【探究学習・国際教育・SSHという3つの特色】

玉川の教育の柱は「全人教育」「探究型学習」「国際教育」の3つに整理されているとのことで、スライドにはそれぞれの具体的な内容も紹介されていました。

「探究型学習」は、すべての教科でアクティブラーニングを実践する3段階構成です。中1・中2(7・8年生)は教科発展型の「自由研究」(国語・社会・数学・理科・英語・音楽・家庭・体育・芸術など全19の研究分野)、中3(9年生)では情報収集や論理的なまとめ方を学ぶ「学びの技」、高校(10~12年生)では再び「自由研究」(人文科学・社会科学・自然科学・健康生活・芸術の5カテゴリーによる研究室制)に取り組みます。「学びの技」では「公立中学校での給食は必要なのか」といった身近な社会的テーマも研究対象になっており、データサイエンスの授業ともつながる、実社会を意識した探究の流れが感じられました。

「SSH(スーパーサイエンスハイスクール)」は、文部科学省指定の研究開発校としての取り組みです。脳科学・ミツバチ・ロボット・サンゴ研究などの課題研究を、玉川大学工学部・脳科学研究所・農学部とそれぞれ連携して行っています。

「国際教育」では、50ヵ国280校以上が加盟する国際的な私立学校連盟「ラウンドスクエア」のメンバー校であり、8ヵ国17校の海外提携校を持っています。2025年度実績ではIBプログラムでの派遣308名(13ヵ国19校)・受入198名(8ヵ国16校)という規模で、語学習得だけでなく実際の交流を重視した教育を行っているとのことでした。体験学習プログラム「TAP(Tamagawa Adventure Program)」もあり、7年生・10年生が新しい仲間とチームを作る授業として実施されています。

【学校説明が「全体の3/4」を占める構成】

ここまでお伝えした、教育方針・創立の精神・施設紹介・探究学習や国際教育といった「玉川学園そのものの説明」だけで、説明会全体の時間のうち、実に3/4ほどを占めていました。入試の仕組みやスケジュールといった、いわゆる「実務的な情報」の説明は、最後の1/4程度にとどまります。

この時間配分から、学校側の強いメッセージを感じました。単に「受験テクニック」や「合格しやすさ」をアピールするのではなく、まず「玉川学園がどんな学校で、どんな教育を大切にしているか」をしっかり理解してもらうことを優先しているのだと思います。裏を返せば、「この教育方針に賛同し、納得して入学してくれる家庭に来てほしい」という、学校としての一貫した姿勢の表れではないでしょうか。塾として生徒・保護者にご紹介する際にも、この「玉川学園らしさ」を丁寧に伝えることが大切だと感じました。

【入試情報:中学部 一般クラス(中学部入試責任者・学務主任)】

- 2026年度入試は歩留まりが良く、第一志望の受験生が増えたことで入学者数も増加。

- 2027年度入試に大きな変更点はなし。2月1日・2日の午前・午後、計4回の入試を実施。

- 2/1午前(第1回)・2/2午前(第3回)は4科(国算理社)または2科選択。2/1午後(第2回)・2/2午後(第4回)は2科(国算)または英語資格利用型から選択。

- 英語資格利用型では、英検3級以上で加点(3級:70点、準2級:85点、2級以上:100点=満点扱い)され、実質的に国語または算数1教科での受験が可能になる。

- 面接は難しい質問はなく、小学校での頑張りや中学でやりたいことを自分の言葉で話せれば十分とのこと。

- 募集人数は2/1の回(第1・2回)が男女65名程度、2/2の回(第3・4回)が男女45名程度。

- 出願期間はWeb出願1月6日~30日、書類提出は郵送1月12日~28日(消印有効)または1月29日・31日の窓口持参。入学検定料は30,000円(2回以上同時出願の場合40,000円)。

参考として、2026年度の一般クラス入試結果(実績)は以下の通りでした。

日程志願者受験者合格者倍率
 2/1 AM(第1回)113名88名41名2.1倍
 2/1 PM(第2回)148名131名66名2.0倍
 2/2 AM(第3回)140名52名26名2.0倍
 2/2 PM(第4回)163名55名21名2.6倍 

国際バカロレア(IB)クラスは2/1 AMが倍率1.4倍、2/2 AMが倍率1.0倍、帰国生入試(IBクラス)は倍率1.0倍という結果でした。

【高等部 2026年度 大学合格実績】

説明会では中学部の入試情報が中心でしたが、配布資料には高等部の2026年度大学合格実績(2026年5月時点)も掲載されていましたので、合わせてご紹介します。

- 在校生の約90%が大学へ現役進学(2026年度実績)。進学先は玉川大学へ約30%、他大学へ約70%という内部・外部のバランス。

- 主な合格実績:国公立1名、早慶上理ICU合わせて14名、GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)50名、医歯薬看護系13名、芸術系10名、海外大学16名。

- 青山学院・学習院・立教・法政・上智・東京都市・東京農業・東京薬科など、数多くの大学に指定校推薦枠を持っている点も紹介されていました。

中学部の入試結果と合わせて見ると、入口(中学入試)の倍率はやや高めながら、出口(大学進学実績)でも幅広い選択肢を確保できている学校だという印象を持ちました。

【おわりに】

説明会の最後は、アンケート協力のお願いと、希望者向けの校舎・授業見学、個別相談の案内で締めくくられました。

教育内容や入試制度の説明はもちろん充実していましたが、個人的に強く印象に残ったのは、駅を出た瞬間から伝わってくる敷地のスケール感、プラネタリウムという珍しい会場、そして「玉川学園そのものを理解してもらう」ことに大きく時間を割いた説明会の構成そのものでした。資料やデータだけでは伝わりにくい「玉川学園らしさ」と「学校としての姿勢」を、会場や時間配分、そして具体的な数字からも感じ取れる説明会だったと思います。


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増田 雄介

この記事を書いたのは...

増田 雄介

圧倒的な指導力、学校別の専門性の高さ、そして面倒見の良さを持つ自律学習サカセルの国語・社会の看板講師。

その驚異的な指導力を武器に、大手集団塾の開成中コースの国語担当や有名個別指導塾のリピート率1位の凄腕講師として活躍。
成績が本当に伸びる実戦的な指導に目を付けた自律学習サカセルからのスカウトを受け、満を持して文系科目の講師として指導開始。

個別指導の業界では指導力No. 1の呼び声も高く、逆転、順当のどちらの合格にも強く、生徒のレベルに関係なく指導できる幅広さを持っている。

生徒だけでなく、自分の子供の成長を見守るのが楽しみな一児の父でもある。
趣味はぽっちゃりの自分でも着られるファッションの構築。

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