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中学受験、個別指導で先生が変わるのはマイナス? Column

知っトク 中学受験

中学受験、個別指導で先生が変わるのはマイナス?

2020.03.31

現在、娘の中学受験のためにSAPIXと個別指導を併用しております。

しかし、個別指導の方の先生の変更を考えております。これは受験に大きくマイナスに働きませんか?

なかなか難しい質問ですね…
本来講師が変わるというのは良いことではありません。

 ・生徒が新しい講師になれるまでに時間がかかる
 ・ご家庭が新しい講師とのコミュニケーションに時間がかかる
 ・講師によって指導方針が違う

などの要因により、中学受験で非常に貴重な時間を浪費してしまうからです。

ただ、どうしてもという場合は、講師を変更してもいいかもしれないケースもあります。それを、集団塾の先生と個別指導の先生を比較して、個別指導の先生の特徴から考えていきましょう。

個別指導の先生と集団塾の先生は授業スタイルが違う

集団塾の先生にとって、授業はある意味「パフォーマンスの場」です。

雑談の面白さや印象的なアクションで生徒を惹きつけ、もちろん算数の解説でも無駄なく漏れなく分かりやすくポイントを伝えきることができる、そんな先生が評価されるのは当然です。

あとは話すだけではなく板書も端的なら生徒の家庭学習も充実するので、直接授業を行う集団塾の先生としては完璧だと言えるのではないでしょうか。

一方、個別指導・家庭教師の先生は必ずしも「分かりやすさ」が大切ではないと思うんです。

多くの場合、家庭教師・個別指導の先生達は、集団塾の学習内容のフォローを行います。

集団塾の授業だけでは上手く吸収しきれない生徒にとって、言わば「最後の砦」であるわけです。

当然、授業のスタイルや生徒への働きかけ方も大きく異なります。

集団塾の授業は「より多くの生徒に解法の道筋を明示する」のに対して、個別指導の授業では「生徒が自力でその問題の本質を掴めるようにする」ことが目標です。では、次に具体的に算数の個別指導ではどのように生徒に授業を行うのか見てみましょう。

算数の個別指導における生徒の学力の伸ばし方

まず「着眼点から解答まで、全て丁寧に教えてしまう」ことは、一見親切そうにも思えますが、生徒の学力伸長にはほとんど役に立ちませ

むしろ「生徒の学力向上の機会を奪ってしまっている」とでも言えるのではないでしょうか?

「この問題が分からない」という生徒に対して、生徒の解答方針も聞かずにいきなり講師の解法を説明しだすようでは、講師の指導力不足は否めません。

ではどうしたら伸ばせるのか。

生徒に「どこに注目したのか?」「なぜ、どの解法を選択しようと思ったのか?」などを適切に問いかけ、生徒自身に考えさること。

それがポイントです。

生徒への問いかけが適切であればあるほど、生徒自身に考えさせる機会を与えられ、結果として生徒の理解が深まります。

生徒にとっては「質問にまっすぐ答えてくれず、分かりにくいな」と思う状況も出てくることと思いますが、自分でアタマを動かさないと算数の実力は身に付きません。

「こう解いたらええやん!」という気持ちをこらえて、生徒に考えさせる講師がきっと学力を伸ばせる講師なのではないでしょうか。

2020年春、駒場東邦に進学する卒業生も、自分で考える姿勢を身に着けたことで、大きく学力を伸ばしてくれました。

生徒が考えているのか、ぼーっと時間が過ぎるのを待っているだけなのかは、経験を積んだ講師ならすぐに分かるので、授業時間あたりに扱う問題数も大きく減ってしまうことはありません。

個別指導の先生を変えてもいい時

ただ、このような授業スタイルにも問題はあります、これはもはや相性というものでしょうか。

「質問を数多く投げかけ考えさせる講師」と「受け身で口下手な生徒」だと、なかなか授業が進まなす、お互いにストレスを抱えてしまうという状況は往々にして発生します。

(僕は積極的に発言を促すタイプの講師なので、無口な生徒さんの指導に苦心することもあります)

そのような場合は「より答えやすいような質問」にアレンジして、授業を進めて行けると良いのでしょう。

講師と生徒の相性部分は、この会話のキャッチボールによく表れると言えそうです。

とにかく個別指導においても「なんでも聞いたらいいや」という生徒の姿勢と「何でも教えてあげよう」という講師の接し方では、その場でわかった「つもり」になってしまって、実際は身についていないという、集団塾で陥りがちな状況になりがちです。

また、だからこそ「相性が合う先生を見つけるため」というのは、唯一アリだと思える講師の変更理由でしょう。しかし、基本的には講師の変更はマイナスに働くということを押さえておきましょう。

生徒自身の発言を引き出し、自身での理解を促せるような講師と勉強できるよう、自律学習サカセルは入会時からシッカリと話を伺い、最適な講師を提案できるように尽力していきます。


サカセルでは、中学受験に関する皆様のご質問やご相談に中学受験のプロが回答いたします。お困りの際にはお気軽に下のお問合せフォームよりご連絡ください。

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三宅 貴之

この記事を書いたのは...

三宅 貴之

自律学習サカセル代表。
東大寺学園から東京大学に進み、以降は大手集団塾や個別指導塾で講師としてキャリアを積む。
講師としてだけではなく新規事業の立ち上げ→運営→収益化のプロセスも経験し、満を持して自律学習サカセルを創設。

「新しいことを知る」ことを楽しめる好奇心で、その昔、高校生クイズで全国大会の準決勝に進出したことも。

プロ野球、読書、靴、腕時計、ビール、筋トレ…
色々と興味は尽きない中、一番の趣味は、やっぱり仕事。

卒業生との語らいや、娘の成長を日々の楽しみに、
さぁ今日も1日がんばります!

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