この記事を書いたのは...
松田 浩志
自律学習サカセルでは算数・国語、主要2科目を担当。
大手進学塾では、教務主任職として、校舎全体の運営を担当し、日曜日の志望校別コースの最上位クラスから自校舎の基本クラスまで、算数・国語の両科目で毎年幅広くクラスを担当してきた。
現在の趣味はファッション。
もともと古着が好きだったのですが、現在は「キレイめ」なファッションが好み。
個別指導・家庭教師の自律学習サカセル
サカセルコラム
豊島岡女子学園中の国語分析(2023年 第1回) Column
◆各種データ
合格者平均点 77.15
受験者平均点 68.12
想定合格点 75点程度
◆出題形式
試験時間50分 100点満点
◆大問2題構成
大問1 説明的文章 設問9
大問2 物語文 設問9
◆問題の種類
・選択肢 60% 11問
・記述 20% 2問
・抜き出し 10% 2問
・漢字・知識 10% 6問
桜蔭中や女子学院中の併願校として選ばれる豊島岡中。
非常に高いレベルの受験生が集まっており、都内屈指の難関中と言えるでしょう。
さて、今日はそんな豊島岡中の国語の問題を一緒に見ていきましょう。
実際の2023年度入試の問題を通して、どのように点数を確保していくのかをお話ししていきますね。
◆今回使用する指標
○…合格には確実に取れてほしい問題
△…合格の勝負所・差がつく問題
×…落としても合否には大きく影響しない問題
漢字の出題です。
丁寧に書きましょう。
理由の問題です。
傍線部の前後から根拠を探します。
傍線部①の1行後に「それは動くための力のありか〜」とあります。
ここだけでも答えは選べますが、少し抽象的な内容なので、もう少し詳しく書いてあるところを探していきましょう。
すると、傍線部①の8行後に「そのように考えると〜わかります」とあり、我々は人間の内部にやる気が存在していると認識していることが読み取れます。
以上から選択肢を選びましょう。
【オ】
ア:「外部による力で動くことはあまりない」が×。後の文章で罰によってやる気が出ると書いてありますね。
イ:『どれくらい「やる気」があるか見極められる』が×。やる気の量を見極められるとはどこにも書いてありません。
ウ:『外部から「やる気」を得ている』が×。ルンバが得ているのは電気です。
エ:確かに間違っていないですが、本文の内容に則していない一般論なので×。一般論での引っ掛けは選択肢あるあるなので注意しましょう。
「やる気スイッチ」とは何かという答えの問題です。
傍線部の前後から探していきましょう。
まず、傍線部②の一文を読むと「一般的には〜注意しましょう」とあり、「やる気スイッチ」とは「一般的」であり、「行動を引き起こすもの」であると分かります。筆者は「持続」も大切と言っていますが、「やる気スイッチ」はあくまで「一般的」なものであって、筆者の主張するものではないので注意です。
【ウ】
ア:「他人が押す」が×。本文の後半で「外部」からと「内部」からの両方の原因が書かれていますね。
イ:「他人が押すことができない」が×。アの選択肢と同様の理由です。
エ:「持続」が×。前述の通りです。
オ:「外部から」が×。アの選択肢と同じ理由です。
傍線部の言い換えの問題です。
「行動自体が目的となっている」を言い換えられ(説明でき)れば、解答が分かります。
傍線部の前後を見ていきましょう。
傍線部③だけでも意味が取れますが、より詳しく探します。
すると、傍線部③の4行後に「このように、内から〜興味・関心があります。」とあり、「行動そのものが目的となっている状態」であると分かります。
目的はゴールで手段はその方法です。中学入試で言えば、目的が「志望校合格」で、手段が「勉強」です。つまり、行動そのものが目的となるということは、本来、志望校合格のための手段であった「勉強」が目的となっているということです。楽しいから勉強をしているタイプの方が、この典型例ですね。言ってしまえば「趣味」=「勉強」という状態です。
【ア】
イウエオ:いずれも勉強=目的となっていないので×。
書き抜きなさい、ではないので注意が必要です。
これは知らないと解けないです。
文の一番最後の空欄Xの直前に「先に説明したオペラント条件づけのねずみのように」とあるので、「オペラント条件づけ」を確認します。
するとその3段落前に「行動主義心理学の基本的な理論に〜」からオペラント条件づけについての内容が書かれています。ここを読んで慣用句が思い浮かぶかが勝負です。
X 【アメ】 Y【ムチ】
「どういうこと」と聞かれているので、言い換えの選択肢問題です。
傍線部④を言い換えられ(説明でき)れば、解答が分かります。
傍線部④を見ると『義務と命令による「やる気」というと違和感があるかも』とありますね。
ここから「一般的にはやる気というのは自分の中から生まれものと考えられている」ということを筆者が言いたいと分かります。確かに無理矢理に勉強をやらされている人間に対して「やる気に満ち溢れている」という表現を使うのは違和感がありますよね。
次に、傍線部④の後半。『心理学ではこれらも動機づけという文脈では「やる気」と捉えます』とあり、『一般的にはやらされている人間に「やる気がある」という表現を使うのは違和感があるけど心理学的には同じ「やる気がある」という分類になるよ。』ということが筆者の言いたいことだと分かります。
前後を見ていっても分かります。
中略〜傍線部④にかけて「内からのやる気」と「外からのやる気」という説明がされており、「一般的には違和感があるかもしれないけど、内からのやる気も外からのやる気もどちらも心理学的には同じやる気があるという状態だよ」というのが筆者の主張だと分かります。
【エ】
ア:ちょっと難しいですが、『第三者の働きかけをもとに自発的な「やる気」が生じていると』が×。アの説明だと「第三者の働きかけ(外からのやる気)」によって「自発的なやる気(内からのやる気)」が出るという説明になっており、前述の内容とあっていませんね。
イ:『義務と命令は「やる気」をなくさせるもの』が×。
ウ:「区別せず」が言い過ぎです。「やる気がある」という大きな分類としては同じですが、細かく区別はしていますね。本文の中でも「外からのやる気」「内からのやる気」という形で分けています。
オ:意外と引っかかった方も多いのではないでしょうか。「行動しているかどうかが重要」が×。何が重要かの話はしていません。ここで述べられているのは「内から・外から」どちらも「やる気」であるということです。「重要」「大切」などの言葉に騙されないようにしましょう。
どういうことですか?とあるので、言い換え・説明の選択肢問題です。
傍線部の言い換えを考えて、選択肢を選びます。
まず、傍線部を見ると「言い換えれば」とありますね。ここから直前の内容が傍線部の言い換えだと分かります。直前を読んでいくと『それは、内からの〜したくないからやる」)』とあり、ここから「内からのやる気は目的と手段が同じ」「外からのやる気は目的達成のために手段がある」と考えられます。問6の内容が捉えられていれば考えやすいと思います。
【イ】
ア:目的と関連するかしないかが×。どちらの場合でも目的は関連しています。
ウ:「行動をすることを通じて目的を達成しようとする」と「行動を単なる手段とする」がどちらも「内からのやる気」の説明になっており、「外からのやる気」の説明になっていないので×。
エ:先か後かの話はしていないので×。
オ:少し悩んだかもしれません。「意味を見出すか」という表現が×。意味があるかないかの話はしていません。
本文の情報から続きを想像する結果が問われる選択肢です。
本文の内容からヒントを得て、自分で思考していきましょう。
まず、設問を読むと『「やる気」に関しての一般的な考え方の転換点となった「アカゲザル〜実験』とあります。ここから「一般的な考え方→アカゲザルの実験→今の考え方」という形が想像できます。記述の心情変化フレームに近いですね。
では、「一般的な考え方」をおさえます。
本文の最後に「外からの働きかけがないと〜」とあり、ここから「人は報酬が無いとやる気を出せないと思われていた(外からのやる気)」ということが分かります。
そして、アカゲザルの実験が転換点となったと設問に書かれているので、アカゲザルの実験内容が「内からのやる気の発見(目的=手段」に繋がるようになると分かります。
【ア】
イウエオ:「内からのやる気」にどれも繋がらないので×。
やる気とは何かという記述問題です。
要素を複数探し、繋げていく箇条書きフレームで書いていきます。
豊島岡の説明的文章の記述のコツは、本文全体の各意味段落から要点を見つけ、繋げるという動きです。ですので、読む段階で意味段落分けをしながら、要点に線を引くという練習をしておくと良いでしょう。
ただ、そもそも論として読む段階で「意味段落分け」や「抽象への線引き」といったことは豊島岡とは関係なくできるようにしておいた方が良いです。
それでは探していきます。
まず、本文における1つ目の大きな塊(意味段落)として、1行目〜1つ目の中略までが挙げられます。まずはここから要素を拾います。
すると、傍線部①の9行後に『「やる気」とは、ある行動を〜』とあり、また傍線部②の直前に「つまり、ある行動を〜」とあります。ここから、やる気とは「行動を引き起こし、持続させる力」と言えるでしょう。
次を見ていきます。次の大きな塊(意味段落)は1つ目の中略〜2つ目の中略です。ここでは2種類のやる気が紹介されていましたね。問6・7の選択肢で解いたものです。1種類目は「内からのやる気」です。具体的には「行動自体が目的となっているやる気・自分の行動の理由が好奇心や興味、関心から生じる状態」などで良いでしょう。2種類目は「外からのやる気」です。具体的には「自分の行動が外部からの報酬や罰、命令、義務によって生じている状態」などで良いでしょう。
最後の大きな塊(意味段落)はやる気の話というよりは、心理学の歴史的な話なのでここは少しズレますので要素は無いと判断して良いでしょう。
以上をまとめます。
まとめる時の順番ですが、「この設問に1つの要素で答えるとしたら?」と考え、その要素を最後に持ってくると迷わないです。
今回の問題の場合は1つ目の要素が最後にきますね。
【やる気とは、行動自体が目的になるものと、行動が外部からの報酬や罰などによって生じるものとに分類される、ある行動を引き起こし、持続させる力のあるもの。】
抜き出しです。
例年の豊島岡の抜き出し問題よりも簡単だったと思います。
a 【息子】
b 【家庭教師】
人物像を意識しながら読んでいれば、まず間違えない問題ですね。
ただ、aの選択肢が息子だとすぐに予想がついてもその言葉自体を本文から見つけるのに時間がかかったかもしれません。時間が足りないお子様は先に「息子」と入れておいて、後で探すという形をとっても良いでしょう。
24節気の問題を装った論理的思考の問題です。
知識がなくても頭を使えばなんとか解けます。
まず、24節気=12ヶ月ということは知っていると思います。
つまり、2節気=1ヶ月ということになります。
上から
ア 雨水 → 1月
啓蟄 春分 → 2月
(以下略)
だと予測できます。
あとは本文冒頭で「八月二十四日〜」とありますので、1番近い【ウ】を選べば良いです。
一応補足しておくと、
ア 雨水 は旧暦の1月であり、新暦だと2月ごろになります。
新暦と旧暦はズレるということを知識としては知っておきましょう。
ですので、本文の8/24は7月の下旬頃と分かり、答えがウだと選べますね。
また、「春分だから3月ごろじゃない?」という漠然とした知識でも新暦と旧暦がずれていると気が付けるかと思います。
和也の様子を選ぶ選択肢です。
設問を読み、解答のイメージを作ってから、前後を読み、選んでいきましょう。
傍線部②を読むと「眉を上げてみせ」とあり、ここから「マイナスイメージ」の気持ちが予測できます。また傍線部②の「母親とも目を見かわした」から前述のマイナスイメージの気持ちを「共有している」と読み取れます。
また、直前に「いつもこうなんだ」とあるので「いつも通りである」ということも読み取れます。
以上から選択肢を選びましょう。
【ウ】
ア:「ほほえましく・見守っている」が×。前述の眉をあげると一致しませんね。
イ:「尊敬の念を抱かざるを得ない」が×。前後から尊敬の念を読み取れないのと、中盤のA〜Gの台詞から「父の研究に疑問を抱いている」という様子が読み取れます。
エ:「戸惑い」が×。傍線部②の直前の「いつもこうなんだ」という台詞から戸惑いは感じないですね。
オ:「怒りを隠しきれない」が×。言い過ぎですね。
赤面した理由の選択肢です。
設問を読み、解答のイメージを作ってから、前後を読み、選んでいきましょう。
気持ちが関係しているので「背景」「きっかけ」「意味付け」「気持ち」で考えましょう。
まず傍線部③の直前を読むと、主人公が台風のことで悩んでいた院生に「ニュースで得た知識を披露した」ところ、院生が考えていたことは「台風の構造と、あとは進路のこと」だったと分かり「赤面」しています。
以上を言い換えると、
背景:先輩に一般人でも手に入れられる知識をドヤ顔で披露したところ
きっかけ:先輩は当然それを知っており、先輩はより専門的なことで悩んでいると分かり
意味付け:自分の未熟さを思い知り
気持ち:恥ずかしい
といったところでしょうか。
意味付けは分からなくても他が取れていればなんとかなります。
以上から選んでいきましょう。
【エ】
アイウ:きっかけも背景も気持ちもおかしいので×。
オ:「知ったかぶり」が×。知ったかぶりは「知っているふりをすること」です。
意外と難しかったかもしれません。
まず、和也と藤巻先生の会話から始まります。
よってAとCは藤巻先生の言葉だとわかります。
このAとCから藤巻先生は「知りたいから研究している」ということをおさえておきましょう。
次に残りの悩ましいDとEとGですが、D は敬語を使っているので「僕」の台詞だと分かり、Eは気象研究が具体的に役立つ点を並べているので、これもまた「僕」の台詞だと分かります。藤巻先生の「知りたいから研究」という考えに沿ってないですよね。Gは直後に「奥さんもとりなして」とあるので、奥さんの台詞だと分かります。
以上から【AとC】が正解です。
和也の様子の選択肢です。
設問を読み、解答のイメージを作ってから、前後を読み、選んでいきましょう。
気持ちが関係しているので「背景」「きっかけ」「意味付け」「気持ち」で考えましょう。
まず傍線部④の直前を読むと藤巻先生が和也を褒めていますね。これがきっかけです。
次に背景です。これは傍線部④の直前の和也の台詞を読むと分かりやすいです。『「へえ、お父さんが褒めてくれるなんて、珍しいこともあるもんだね」』と言っており、父である藤巻先生は普段、息子の和也を褒めていないと分かります。また、問3で解いたように、藤巻先生は気象の研究に熱中しており、意図せずに家族よりも仕事に熱中してしまうタイプの人物であるとも分かりますね。
以上から、「普段仕事優先で息子のことを褒めることはおろか、関心も薄い父」が背景だと分かります。
次に意味付け、気持ちです。
普段褒められない父に褒められたわけですから当然気持ちは嬉しくなるでしょう。一方で「冗談を言っている」ことから照れくささもあり、それを誤魔化すために冗談を言っているのだと予想できます。
以上から
背景:普段仕事優先で息子のことを褒めることはおろか、関心も薄い父から
きっかけ:絵を褒められた
意味付け:照れくささを感じつつも
気持ち:嬉しいと思っている。
このようなところでしょうか。
以上から【ア】が正解だと分かります。
イ:「楽しいこともなく」が×。言い過ぎです。
ウ:「今まで父親に褒められたことがない」が×。言い過ぎです。
エ:「めったに人をほめない」が×。和也をほめないだけで人をほめないは言い過ぎです。
オ:「今すぐに父親に自分の絵を見せたいと、気が急いている様子」が△。気が急いているのであれば冗談を言うほど余裕は出ないでしょう。
責任を感じた理由の記述です。
「責任を感じる」が気持ちなので、背景・きっかけ・意味付けをそろえていきましょう。
まずきっかけです。
傍線部④〜傍線部⑤の間を読んでいくと、和也が絵を探しに行った間に「僕」が藤巻先生に超音波風速震度計の話を振ってしまい、その結果先生が気象研究の話にのめり込んでしまったという流れが分かります。
次に背景です。
これは問6を解いていると分かりやすいですね。
あまり父に褒められていない和也が父に褒められ、ウキウキ気分で自分の絵を探しに行ったというのが問6でした。これが背景です。
次に意味付けです。
上記の2つと傍線部⑤の直前「和也は踵を返し、無言で部屋を出ていった」という描写から考えると分かりやすいですね。「和也を傷つけてしまったと思った」くらいで良いでしょう。
以上から
背景・きっかけ:【藤巻先生に気象の話題を出したことで、褒められ喜ぶ和也から先生の意識を逸らせ、和也を放置する結果となり】
意味付け:【和也を傷つけたから。】
「だからこそ、おもしろい」の意味を答える問題です。
これは台詞、すなわち行動反応であると考えられるので、定番の「背景」「きっかけ」「気持ち」ので考えていきましょう。
Ⅲ
まず、きっかけですが、直前を見ていくと息子である和也が「やっぱり、おれにはよくわかんないや」と直前で言っており、それに対して「わからないことだらけだよ、この世界は」と親である藤巻先生と返しています。ここから「世の中は分からないことが多い」ことがきっかけであると分かります。
次に背景ですが、藤巻先生の人物像を読み取れれば大丈夫です。
まず、学者であるということ。そして家庭や子供よりも仕事(研究)に興味があり、つい熱中してしまう様子が文章から読み取れますね。以上から「研究熱心な学者」くらいを背景として置いておくと良いでしょう。
以上から
背景:【研究熱心な学者である藤巻先生は】
きっかけ:【分からないことが多い世の中に対して】
気持ち:【面白みを感じている】
という内容が取れると良いですね。
そして選択肢を取ると【イ】が正解だと分かります。
エの選択肢と悩む方もいると思いますが、「考えれば考えるほど」が△なのと、「社会的価値」
という部分も△です。社会的価値に関しては主人公がEの台詞で触れていましたが、藤巻先生は特に触れていませんね。
Ⅳ
まず、きっかけですが、傍線部の前を見ると「藤巻先生はとても熱心な研究者だ。〜」とあり、この台詞から「自分の息子に好きなことをやらせる藤巻先生」という内容がきっかけだと分かります。
次に背景ですが、上記の台詞の中で、自分(主人公)だったら息子に半ば強制的に学問の道に進ませると述べているので、ここを背景とします。
以上から
背景:【自分が藤巻先生と同じ立場なら息子も同じ学問の道に進ませようと考えてしまうが】
きっかけ:【自分以上に研究に熱心なはずの藤巻先生は、自分の息子に好きなことをやらせようとしており】
意味付け:【心の広い藤巻先生を】
気持ち:【尊敬している】
という内容が取れると良いです。
以上から
【オ】が正解だと分かります。
表現の特徴や本文全体を通して、といったタイプの本文全体が根拠となる本文全体系の設問は根拠の取りようがないので、先に選択肢を見ていき、消去法で考えていきます。
この時に怪しいなと感じた選択肢などは、一旦保留とし、選択肢を全て見終わった後に、選んでいきましょう。
【ア・オ】が正解です。
ア:「興味のあることには〜集中力が働く」の部分は下線部②の直前や下線部④の後の部分に書いてあるので○。後半の部分も「他人の気持ちを汲み取ったり」「細かい気配り」などが苦手という部分も下線部④以降の息子に対する行動や、下線部⑤の9行後の「腑に落ちない様子できょとんと」といった描写から間違っていないですね。
オ:僕の回想シーンについてですが、傍線部⑤の21行後に書いてあります。主人公の母が僕に見せたこともない顔をしている、という状況は、現在の和也の状況と酷似していますね。
主人公の場合は、母の母親としての顔↔︎母の女性としての顔。
和也の場合は、父の父親としての顔↔︎父の仕事の時の顔。
2人はそのギャップに苦しめられていたのです。
イ:「荒々しく粗雑な性格」が×。どの行動を見ても荒々しいとまでは言えないですね。
ウ:「家族よりも研究を優先しなければならない」が×。しなければならないというよりは、研究をしたいからしています。よって違います。
エ:「嫉妬の感情」が×。嫉妬は言い過ぎで、羨ましいくらいが妥当でしょう。和也の主人公に対する言動を見ていても、主人公への悪意のようなものは感じられませんね。
カ:「親子の確執についても解決する見通しがほとんどなくなる」が×。そこまでは読み取れないですし、「暗示」されている描写もありませんね。
設問はどれもそこまで難しいわけではなく、例年以上に高得点勝負になったと思われます。
また、24節気の問題が変わり種として出題されましたが、これも論理的な思考で解ける形となっており、知識勝負というわけではありませんでした。新たに対策が必要ということではないでしょう。
大問1の説明文に関しては、綺麗な二元論の構造(対比の構造)となっており、その点に意識を持って読めば語彙力がなくとも読み解けたかと思います。また、毎年のことですが、本文の内容の変化で意味段落を分けていき、その要点をおさえながら読めたかどうかで記述の作成スピードが大きく変化します。豊島岡受験生はしっかりとその点に意識を持って読めるようにしておきたいですね。
大問2の物語文も内容的にはそこまで難しくなかったです。
気持ちの変化は特になく、その場その場の心情に注目させる形の問題構成でした。
問題自体もそこまで難しいものはなかったので、正確さとスピードの勝負だったかと思います。
以上となります。
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松田 浩志
自律学習サカセルでは算数・国語、主要2科目を担当。
大手進学塾では、教務主任職として、校舎全体の運営を担当し、日曜日の志望校別コースの最上位クラスから自校舎の基本クラスまで、算数・国語の両科目で毎年幅広くクラスを担当してきた。
現在の趣味はファッション。
もともと古着が好きだったのですが、現在は「キレイめ」なファッションが好み。