想定合格点 70点
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東大合格率No.1の筑波大学附属駒場高校。
中学受験・高校受験においても首都圏最高峰の難関校として君臨し続けています。
日本最難関校への合格のためには、もはや闇雲な努力だけでは届きません。
一握りの才能ある受験生たちが極限まで学習効率を高め、適切な対策を講じることによって、ようやく合格を掴み取れる激戦として知られています。
このような日本最高峰の学力を誇る筑波大学附属駒場中の生徒達ですが、いわゆる「ガリ勉」とめったに見られません。学習そのものを楽しみながら、自由な校風のもと活き活きと個々の個性を伸ばしている様子が印象的です。
文化祭、体育祭、音楽祭といった学校行事も盛んで、こちらは大学受験を控えた高校3年生が主体となって取り組んでいます。首都圏のほとんどの進学校では高校2年生が主体となって学校行事を運営しているので、筑波大学附属駒場高校のケースはかなり珍しいと言えるでしょう。
それでいて、あの驚異的な合格実績。
さすが筑駒です。
さて、ここからは2022年の筑波大学附属駒場中の算数の問題を通して、どのような戦略で取り組めば合格を勝ち取ることが出来たのかを考えていきましょう。
今回使用する指標
〇:合格のためには必ず正解したい
△:出来る生徒と出来ない生徒の差がつく
×:完答できる生徒は少数、部分点を拾えたら充分
として小問ごとに見ていきます。
解答例はこちら
大問1
(1) 〇
「連続数の和」という、難関校で散見される知識問題です。
・真ん中の数×奇数個
・真ん中の数(~.5になる)×偶数個
の2種類に分けて、積が50になる数を考えていきましょう。
(2) △
(1)と同じように考えますが、計算量がやや多くなります。
素因数分解を利用し、1000の約数の個数を確認した上で丁寧に調べましょう。
決して簡単な問題ではないですが筑波大学附属駒場中への合格を目指す受験生ならば完答したいところです。
(3) 〇
(1)(2)と同じテーマです。
2022=2×3×337と素因数分解できることは、337が素数であることも含めて2022年度の受験生ならば常識でしたね。
(2)よりも作業量が少ないので、こちらのほうが完答できる可能性が高かったのではないでしょうか。
大問2
(1) 〇
筑波大学附属駒場中で散見される思考力系の問題が、今年度は大問2で配置されました。
(1)では4-アと4-ウの両方に2km以内の移動距離でかけつけられる配置を考えましょう。
題意の確認問題なので確実に正解しておきましょう。
(2) 〇
2-イと3-ウなど、できるだけ重ならないように2人を配置しても、少なくとも2箇所は2km以内の移動距離ではかけつけられないことが分かります。
2-イ・3-イ・2-エなどの3人なら条件を満たすことが出来ますね。
こちらも易しいので、筑波大学附属駒場中の合格を目指すならば絶対に落とせません。
(3) ×
縦14km、横14kmの土地に4人を配置するので、まずは1辺7kmの格子状の土地を考えましょう。
この土地の真ん中には格子点がなく配置することが出来ないので、(3km・4km)の点に置くことを考えましょう。
あとは互い違いになるように配置すればすべての交差点に7km以内の移動距離で到着することが可能です。
発想力の問われる難問でしたが処理量は決して多くは無いので、算数を武器にする生徒にとっては他の受験生と差をつけるチャンスだったと言えるのではないでしょうか。
大問3
(1) 〇
点Pが壁に隠れてしまう部分は相似を利用して10mぶんだと分かります。
筑波大学附属駒場中を目指す受験生ならば、失点することはないでしょう。
(2) 〇
「シャドー」の考え方を用いると解きやすいでしょう。
(1)の相似を利用して毎秒0.5mのP´が直線(イ)の上を動くと考えましょう。
こちらも筑波大学附属駒場中を目指す受験生ならば正解しておきたい問題です。
(3) △
条件は一見複雑そうですが、(1)(2)と同じように「シャドー」を用いて考えると、充分に完答できる問題です。
もっとも短い時間は(イ)と(エ)が同時にPのシャドーと重なり始めた場合を考えましょう。
また、もっとも長い時間は(イ)と重なり終えると同時に(エ)と重なり始めたと考えましょう。
筑波大学附属駒場中を志望するようなトップクラスの学力をもった受験生の中でも差がつく問題と言えるでしょう。
大問4
(1) 〇
あきら君の30人目は10×290秒後から受付を開始します。
その時にさとし君とたかし君が何人目の受付の途中かを丁寧に確認しましょう。
植木算の発想部分も含めて、やや注意力を要する問題ですが、筑波大学附属駒場中を目指す受験生ならば確実に正解しておきたいところです。
(2) △
やみくもに目星をつけて調べていくのは、なかなか大変です。
ただ今回は3人の時間の最小公倍数の390秒に注目すると、ちょうど答え近辺の状況が見つかります。
前後の状況を丁寧に確認しましょう。
この問題は差がつきます。
(3) ×
処理量が多い問題ですが、方針を立てるだけなら決して難しくはありません。
まずは2022秒で、あきら君、さとし君、たかし君の3人がそれぞれ何人の受付を終えられるのかを確認しましょう。
その上でゆたか君が誰と交代したのか、それぞれの場合をつるかめ算で検証しましょう。
発想力はあまり問われないものの、最後の問題ということもあり、試験時間がほとんど残っていなかった受験生が大半でしょう。
正解できなくても全く問題はありません。
総評
このように2022年の筑波大学附属駒場中の算数の出題は、問題のセットという点では標準的な難度となりました。
合格最低点は358点/500点なので、算数は70点くらい取れれば充分に合格ラインに乗っていると言えるでしょう。
今回は大問1と大問3が知識寄りだったので、算数の発想力に苦手意識を持った筑波大学附属駒場中への合格を目指す受験生でも勝負しやすく、比較的努力も報われやすいセットだったと言えるのではないでしょうか。
もちろん算数を武器にする受験生にとっては、満点近くを取って他の受験生を引き離すことも出来そうです。
筑波大学附属駒場中の合格を目指す標準的な(という表現にも違和感がありますが)受験生が、2022年度の出題で合格を勝ち取る目安としては、
・〇の箇所を完答して50点弱
・ここから大問1(2)(3)と大問3(3)を完答して70点超
というところでしょうか。
算数が得意な生徒なら、大問2(3)や大問4(2)も正解を目指せる出題レベルなので、どんなレベルの受験生にとっても事前の戦略に沿って取り組むことが出来れば勝機のある試験だったと言えるでしょう。
ただ、もし大問1の連続数の和の知識の定着度が不安定で取りこぼしてしまうと、厳しい戦いになったことは否めません。
やはり不断の努力で獲得した解法知識があってこそです。
総じて首都圏最難関校にふさわしい適切なバランスの出題だったと言えるのではないでしょうか。
このように2022年度の出題は、2023年度以降に筑波大学附属駒場中の合格を目指す受験生にとっても参考になる年度になります。
筑波大学附属駒場中の算数の一般的な出題の構成や傾向をよく反映している年度なので、過去問演習開始当初に扱ってみても学習効果は高いでしょう。
また異常なまでの難問は配置されていないので。教材としても大問2(3)や大問4(3)まで直しをして理解しておくことで高い学習効果が望めることでしょう。
是非とも筑波大学附属駒場中の求める最高レベルの作業力と思考力の獲得を目指しましょう!
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