受験者平均点 54.5 点
合格者平均点 71.9 点
算数の想定合格点 65 点
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男子御三家の一角の武蔵中。
個性を尊重し、大きく伸ばしてくれる環境は、多くの男子受験生の憧れの的です。
ただ各科目の独特の出題形式の入試問題で知られます。
普段の模試の成績よりも、どのくらい武蔵中の対策を重ね、また武蔵中の求める素養を備えているのかで合否が決まる、非常に特徴的な学校です。
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ここからは2020年の武蔵中の入試の算数において、どのように得点できれば合格を勝ち取ることが出来たのかを見ていきましょう。
〇:合格のためには必ず正解したい
△:差がつく問題なので、出来れば正解しておきたい
×:やや難度が高く、部分点を拾うことが出来れば充分
として小問ごとに見ていきます。
解答例はこちら
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大問1
(1) 〇
1の位が「2,4,8,6」の4つを繰り返す、規則性の基本問題です。
武蔵中を志望する受験生で得点できない者は、さすがにいないでしょう。
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(2) 〇
条件が多く複雑そうに見えますが、本質は基本的なつるかめ算です。
「全て定価で売れた時よりも何円減るのか?」という部分に注目して処理しましょう。
受験生の多くは、ここまでの大問1をほんの数分で満点を取って切り抜けることが出来たはず。
昨年度と比べても落ち着いて問題を解き進められそうです。
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大問2
(1) △
平面図形と比の典型題ですが、ややテクニック寄りの出題でした。
解答例のようにEから辺AD、辺BCと並行になるように補助線を引いて、三角形ABEの「内部底辺」を作ると考えやすいでしょう。
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(2) △
(1)で求めた比を利用すれば、あまり難しい問題ではありません。
辺AEの延長線と辺BCの延長線の交点を求めて、あとは相似で処理しましょう。
いわゆる「角出し」と呼ばれる解法です。
この大問2は解法知識の有無で大きな差がついたものと思われます。
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大問3
(1) △
例年だと大問4に配置されるような条件整理と調べあげが、大問3で課されました。
(1)は理由の説明の問題ですが、決して難しくはありません。
5×偶数の1の位が0になること、ABのどちらかには必ず5×偶数が出てくることを言及していれば充分です。
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(2) △
AもBも0点ではないことから、(1)を利用して片方が (奇,奇,奇,5,5) になることに気づきましょう。
あとは 5を含むものが (1,1,3,5,5) の場合と、 (1,3,3,5,5) の場合を調べるだけの問題です。
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(3) (ア) △
(1) (2) をヒントにAが5点になる場合を調べると、解答例のように3種類になることが分かります。
5×奇数の1の位は必ず5になることに注目すれば、決して難しくはない問題です。
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(3) (イ) ×
ここまでの流れに沿って、Aが (1,1,3,3,5) (1,1,3,5,5) (1,3,3,5,5)のそれぞれの場合の、Bが取り得る点数を丁寧に調べましょう。
やや時間がかかってしまう可能性もあるので、もし解答に抜けが生じてしまっても仕方がないのかもしれません。
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大問4
(1) 〇
大問3に続いて、大問4でも条件整理と調べの問題が出題されました。
(1)は題意の確認問題です。
問題文を正しく読み取って、確実に正解しましょう。
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(2) ×
「小数第2位を切り捨てる」という条件から、数の範囲を考えます。
②に注目すると、5票を 20:イ:17 で比例配分した 20 が 1.5 以上 1.6 未満になり、④に注目すると、5票を 20:イ:17 で比例配分した 17 が 1.2 以上 1.3 未満になることが分かります。
どこから手を付けたらよいのか分からず、また方針が立っても計算量が多かったので、最後まで解き切れなかった受験生も多かったのではないでしょうか。
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(3) ×
(2)が正解できていれば、あとは計算するだけの問題です。
丁寧に処理しましょう。
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このように2020年の武蔵中の出題も、伝統の手書きの大問4題という構成でした。
大きな変化としては、例年は大問4で課される調べ上げが、大問3でも課されたことが挙げられます。
武蔵中の求める正確な題意の把握と丁寧な作業力が、例年よりも色濃く反映された出題と言えるのではないでしょうか。
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ここでもう一度、各大問を整理しておきましょう。
まずは大問1。
例年と比べても易しいので、合格のためには、短時間で確実に正解しておきたいところでした。
大問2は出来具合が分かれます。
方針が立てば数分で満点が取れる一方、この大問がほぼ0点という受験生も多かったことでしょう。
合否を分けた1問と言えそうです。
大問3は、題意を把握できればある程度は得点できるものの完答は難しいので、得点差はあまりつかないのかもしれません。
それでも実力差は明確に反映されるので、2021年以降に武蔵中を目指す受験生は完答を目指して努力しましょう。
大問4は(2)で題意を把握し、正確に処理できた受験生は大きなリードを取ることが出来たと思われます。
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その結果、受験者平均点は 54.5 点、合格者平均点は 71.9 点という、例年よりもやや高めの得点水準となりました。
この2020年の武蔵中の算数において、合格ラインを超えられた受験生の得点のモデルケースは、
大問1と大問2を完答して、大問3で出来るだけ得点を拾う。
大問4は(2)以降で得点できればラッキー。
と言ったところでしょう。
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ただ2020年のように大問で2つも調べ上げが課される年度は極めて珍しいと言わざるを得ません。
2021年以降に武蔵中合格を目指す受験生の皆さんは、今年は出題されなかったものの、例年の頻出テーマである「速さ」の学習にも力を入れておきましょう。
武蔵中の算数は、努力を裏切りませんよ。
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