SS…
SSという言葉には色々な言葉の意味があります。
一般的には、Standard Scoreで「偏差値」という意味。2科SSいくつ、4科SSいくつ、という形で成績を表すことがあります。
SAPIXでSSと言えば、「サンデーサピックス」のこと。6年生の日曜日の志望校別講座のことを表します。
それでは、早稲田アカデミーのSSとは…
今回は「早稲田アカデミーのSS(SG)クラス」について書いていこうと思います。
目次
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SSクラスとは?
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SS・SGクラス 今と昔
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クラス分けの注意点
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大規模校舎の場合
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「中学入試専門」について少々脱線…
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小規模校舎の場合
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実は危険な「4年生まで」最上位クラス
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結局いつSSクラスにいれば良いのか?
SSクラスとは?
4年生から6年生までの、早稲田アカデミーの最上位に位置するクラスのことです。
これは一般校舎の呼び名になります。
これが、特別校舎であるExiVだと、SGクラスという名前になります。位置付けとしてはSSクラスと同じです。
SS基準を満たしている生徒が5名以上の場合は、SSクラスの設置が義務付けられます。
ただ、校舎内のSS基準達成者が4名以下だと、「SPクラス」など別のクラスの名前で最上位クラスが設置され、基準に達していない子も、例外的に最上位クラス所属が認められます。
SS・SGクラス 今と昔
以前は「四谷大塚の組分けテストの上から10組分」という基準でクラス分けしていたため、例えば以下のようになっていました。
Sコースが6組分設定されていた場合
→Sコース1組~Sコース6組 と Cコース1組~Cコース4組
Sコースが8組分設定されていた場合
→Sコース1組~Sコース8組 と Cコース1組~Cコース2組
に入れていれば、晴れてSSクラスに所属
ただ、現在はCコースまで、門戸を広げているという話なので、良く言えば、最上位コースレベルの授業が受けやすくなった。悪く言えば、SSクラスのレベルが下がった、と言えます。
私は「上から10クラス」という基準の頃にSSクラスを担当していました。
上から10クラスというのは、100名×10クラス分で1000位まで。
1ケタ順位の子と、1000位スレスレでSSクラスにしがみついている子との間で、力の差が相当あります。
得意・不得意もそうなのですが、開成・櫻蔭を第一志望とする子から、早稲田・慶應の付属校を第一志望とする子まで、最後まで1つのクラスで全く一緒の授業を受けます。
どの学校に向けて指導するか、レベルの設定が非常に難しいのです。
特に、国語は記述校かそうでないかで、扱う問題に大きな差が生まれます。
「日曜のNNで志望校別対策はバッチリだから、それ以外を通常授業では扱ってください」とNN担当からは言われますが、
自校舎の生徒の合格率にも関わってくるもので、そういうわけにもいきません。
(NN担当のアドバイスを鵜呑みにして、ロクに受からなかった、というケースは多々あります)
ここが、「通常授業の担当で当たりを引くかどうか」の分かれ目、とも言えそうですね。当時の「上から10クラス」の時よりも、よりシビアに教務力が求められている、とも言えそうです。
クラス分けの注意点
基本的にSSクラスの授業というのは「国算」の授業になります。保護者会や個別面談に関しても、このクラス分けが採用されます。
ただし、「理社」に関しては、「6理社A」「6理社S」など別のクラス名が冠され、理社の平均偏差値のみでクラス分けすることが多いです。
国算と理社で設置されているクラス数が同じ場合(通常、理社のクラスの方が少ないことが多いです)は4科目の偏差値でそのままクラス分けすることも。
この辺は校舎に通う生徒の数次第というところでしょうか。
大規模校舎の場合
日曜日の講座の担当がSSクラスの担当になることは多いです。
基本的にはNNの担当者が入りますが、何もしていない人よりかはマシという考えで、必勝(高校入試向けの日曜講座)担当者が入ったり、
近くに高校生向け校舎(Success18)がある場合、そちらの校舎の人間が入ったりすることもあります。
また、特に日曜の講座は担当していなくても、その校舎で長く働いているベテラン講師が入ることも。
頼りになる先生が1人しかいない場合はずっとその先生が担当することが多いです。ただ、2人強い先生がいる場合は1年ごとに交代で担当することもあります。
また、規模が大きいこともあり、SSクラスが複数設置されることが「標準」であることが多いです。
ひとクラスの中での力の差が小さくなるということでもあると思いますので、これはメリットだと言えそうですね。
「中学入試専門」について少々脱線…
「中学入試専門」ということを売りにすることは多いです。
算数はそれで良いと思います。
高校入試では数学になるので、科目が違いますし、小学校の「誰にでもわかるレベルの算数」と「中学入試の算数」は全く別物だと思いますしね。
ただ、その他3科目は「専門」である必要ってあるのか…と思ってしまいます。
「高校入試」や「大学入試」の視点を知っているからこそ、「こう教えるべきだ」という持論も持てると思います。
実際のところ、私に国語の授業の指導をした「師」となる先生は2人いますが、2人とも高校入試メインの担当です。
どちらの先生も難関校の第一志望合格率が抜群に高いです。
中学入試の国語の指導のみしている先生で、その2人よりも「教務力」を感じられる講師って、私の知る限り、残念ながら1人もいませんでした。
「中学受験専門」という言葉だけで、安心してはいけないと自分は考えています。
小規模校舎の場合
まず、慢性的に人がいないことが多いです。
教務担当の正社員講師は恐らく、校長・教務主任・一般講師の3名のみであることが多いです。
それ以外は講師の仕事のみを行う「時間講師」です。
塾業界は「慢性的に人がいない」と言われる業界ですが、早稲田アカデミーは校舎が153校あります。四谷大塚は32校、SAPIXは48校だということを考えると、かなり校舎数が多いと言えるのではないでしょうか。
人材を集めるのもなかなか難しそうです。
また、SSクラスが1クラスだけとなることがほとんどでしょう。
そもそも、SSクラスの基準に達している生徒が少なく、SSではなくSPクラスが設置されていることもあります。
また、大規模校舎のとき以上にベテラン講師が張り付いて、担当していることが多いです。ただ、そのベテラン講師は教務力があるとは限りません。
小規模校で大ベテランとしてやってきた人が大規模校舎に異動になった時に、あまりの教務力のなさにクレームを浴びまくることもあります。
結局、その担当が「井の中の蛙大海を知らず」となっていることも多いですね…。
それは大規模校舎と違って、「誰でも担当できる」環境であることが多いというのもあると思います。
例えば、校舎責任者が担当するケース。
一見「校長が教えるなら…」と良さそうに見えますが、「任せられる担当がいないから自分が担当するケース」がとても多いです。
そもそも、校長になるときの社内の試験で、「試験官の前で授業をする」という項目はありません。
ですから、校長が担当する=教務力があって、安心できるという環境とは限らないのです。
実は危険な「4年生まで」最上位クラス
4年生までは1つ1つの単元が「軽い」こともあって、単元の本質的な理解よりも、「両親が勉強をさせているかどうか」で決まってしまいます。
ですので、小5になって、理解力・思考力・読解力が求められるようになると、クラス落ちする子は多いです。
「4年生まで」の最上位クラスと、「5年生から」の最上位クラスは別物。
「ウチの子は4年生までは最上位クラスだったから、5年生・6年生でも当然…」とは思わない方が良さそうですね。
理屈で考えるのではなく、演習量による「暗記」になってしまわないようにするのがコツです。
結局いつSSクラスにいれば良いのか?
ずっといるにこしたことはないと思います。
それは「中身のある(と思われる)授業を長期間受けられる」というメリットがあるからです。
一番大事なタイミングは、小6の夏期講習前。
ほぼ最後のクラス分けのタイミングにSSクラスにいた方が良いです。これは、夏期講習で扱う算数のテキストに差があることが大きいでしょう。
最上位クラスは「上位校への算数STANDARD」という教材が中心です。
「難関校への基礎」を導入するテキストだと思って良いと思います。
それ以外のクラスは、「バックアップテキスト」や本社で用意しているプリントが中心となります。
夏期講習のタイミングをどこのクラスで過ごすかで、人生が変わってしまうこともありますし、小6の夏期講習前は勝負所と言えそうですね。
まとめ
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SSクラスとは早稲アカの4年生~6年生に設置される最上位クラスのこと。
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ExiVだとSGクラスと名称が変わるが、役割は同じ。
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SSクラスは国語と算数の2科目のクラス分けとなる。
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日曜日の講座を担当している先生だと、ある程度安心できる担当だと言えそう。
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小6の夏期講習前のタイミングで、SSクラスに入っておくことが最も重要。
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