【実力診断サピックスオープンって、そもそも何だろう】
実力診断サピックスオープンは3年生と4年生の10月、5年生の5月に実施されるSAPIXの公開テストで、「サピックスオープン」を冠する各種テストの中では、最も早い段階で実施されます。
このテストはSAPIXの内部生だけではなく、他塾生やSAPIXへの入室を考えている生徒も受験することが可能で、入室テストも兼ねています。
5年生秋以降の各種のサピックスオープンと異なり志望校判定は出ず、柔軟な思考力・論理力を中心とした総合的な学力だけを測る試験になっています。
【各科目の試験時間と配点】
実力診断サピックスオープンは以下の要項で実施されます。
3年生
算数・国語 各40分 各150点
計300点
4年生
算数・国語 各50分 各150点
理科・社会 各30分 各100点
計500点
5年生
算数・国語 各50分 各150点
理科・社会 各30分 各100点
計500点
【実力診断サピックスオープンの重要性】
首都圏の中学受験で圧倒的な実績を叩き出すSAPIXの公開模試だから…と、かなり意識を高く持って試験に臨む生徒はきっと多いことでしょう。
ただ中学受験生活全体を見通して実力診断サピックスオープンの位置づけを考えると、決して重要度は高くはありません。
3年生の間は学習に親しむこと、4・5年生は受験を見据えた解法知識を充実させることが中学受験において重要です。
SAPIXに通っている生徒ならば平常授業の復習を最優先に学習を進め、余裕があるならば実力診断サピックスオープンを受験するくらいのスタンスで問題はないでしょう。
学習の仕上がり状況や他の習い事との都合で、SAPIX生が実力診断サピックスオープンの受験を回避しても、特に学力部分で不利になることはありません。
ただ最終的にトップ校を目指すならば、現在の思考力・論理力の把握としても、また今後の伸びしろの確認としても参考になる結果は得られるので、是非とも挑戦してみましょう。
【実力診断サピックスオープンの出題範囲】
実力診断サピックスオープンは特定の範囲が定められておらず、該当の学年における既習分野全てが出題範囲となります。
ただどの科目においても単純に知識の多寡を問う問題はあまり見られず、問題文や資料の読み込みからの条件の整理、与えられた条件に沿っての試行錯誤と検証、答案の記述など、柔軟な思考力や論理力を問う出題となっています。
【実力診断サピックスオープンの難易度】
難易度にはかなりばらつきがあり、特に難しい回は平均点が4割台前半になることも珍しくはありません。
科目によっては3割台になる場面も散見されます。
普段のSAPIXでの偏差値で50に満たない生徒が受験を回避することも多い中、マンスリー確認テストや組分けテストでは見られないほど低い平均点が珍しくもない実力診断サピックスオープンの難度は、かなり高いと言えるでしょう。
【実力診断サピックスオープンの対策】
実力診断SAPIXオープンは、全てのSAPIX試験の中でも最も対策の取りにくい試験です。
出来ることとしては、自覚している苦手分野の確認をしたり、過去問で出題内容や時間配分の感覚を確認したりということくらいでしょうか。
ただ毎回、各科目でかなり独創的な出題をされる試験なので過去問との類似性は低く、何年分とやりこんでも成績にはほぼつながりません。
得点につながりそうな対策を強いて挙げるならば、算数に関してはSAPIXから市販されている「きらめき算数脳」を用いて、思考力系の問題に慣れておくことくらいでしょうか。
同じような発想を用いる問題が課されることは珍しくはありません。
結局のところ、普段の学習を大切にして、完全なる実力試験として受けることが望ましいのではないでしょうか。
【実力診断サピックスオープンの復習】
知識が聞かれている問題や解答まであと一歩というところまで届いていた問題は、当然ながら復習が必要です。
可能な限り、当日・翌日中に復習に取り組み、失点の原因を把握し、今後の試験での反省点を蓄積していきましょう。
時間が間に合わずに充分に考えられなかった思考力や分析力系の問題も、余裕があれば取り組んでおきましょう。
試験中に頓挫してしまった問題でも、試験後に落ち着いてその後の思考の仕方まで確認することで頭の使い方などを確認しておきたいところです。
試験中に全く歯が立たなかった問題の復習は、基本的には不要です。
もし試験結果が出て、手が出なかった問題の正答率が決して低くはなかった場合のみ、改めて復習の機会を設けることが出来れば充分です。
このように、なかなか取り組みにくい実力診断サピックスオープンですが、問題自体は良く練られていて、解いていて「楽しさ」すら感じることができるのではないでしょうか。
是非とも難問を楽しみ、志望校合格に向けて加速していきましょう。
もし学習の進め方や結果の判断の仕方などで気になることがあれば、是非とも自律学習サカセルにご相談くださいね。
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