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中学受験、1月に受けるお試し校とは何?生の声やプロの選び方もご紹介! Column

知っトク 中学受験

中学受験、1月に受けるお試し校とは何?生の声やプロの選び方もご紹介!

2021.01.26

現在受験期間中の方は1月校の受験をすでに終えた方も多いでしょう。ただ、来年やその先に受験を迎える方にとっては、まだまだ先のことに思えるかもしれません。しかし、過去問なども少しずつ始めなければいけないことを考えると、以外と目前に迫っているものでもあります。

では、今回はこの1月校と呼ばれる学校について見てゆきたいと思います。

1. 1月校とは?お試し受験とは?

関東圏、特に東京都と神奈川県にお住まいの方にとっては中学受験と言えば2月1日からの5日間ほどがまず思い浮かぶでしょう。しかし、中学受験のスケジュール表などを見ると、1月にもたくさんの中学校の受験が行われていることがわかります。そのような学校のうちいくつかを取り出してみると、以下の様に日本中に点在していることが分かります。

これらの中学校は「1月校」と呼ばれ、それらを受験することは「1月校受験」と呼ばれます。また、2月に受ける第一志望校に対し、1月校受験は準備や雰囲気を味わうということを目的にした受験という意味で「お試し受験」と呼ばれることもあります。

2. 首都圏で受験できる1月校

しかし、上のように全国に散らばる1月校を受けて回るのは容易ではありません。やはり、東京都内や神奈川県に住んでいる人は家に近いところで受験したいと考えるはずです。そこで、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県で受験できる中学校をまとめてみました。

赤いピンのところは首都圏の学校ではないが、東京会場や神奈川会場を設置している学校の試験会場で、青いピンは学校が会場となっている中学校です。

首都圏に絞ってもまだ数多くの1月校がありますが、この中からどのように選べばよいのでしょうか。その手掛かりとして、次に1月校受験、お試し受験のメリットとデメリットを見てみましょう。

3. 1月校を受験するメリット、デメリット

1月校を受験する利点としては以下のものが挙げられるでしょう。

  •  受験本番の経験を積み、緊張感や当日の流れなどに慣れることができる。
  •  受かれば自信をつけることができる。
  •  受かれば滑り止めとなる学校を確保できる。
  •  失敗した点があれば、志望校を受験するときに反省を生かせる。

お試し受験という名前の通り、2月の受験の練習としてのメリットが大きいです。一方、以下のようなデメリットも挙げられます。

  •  前日、当日と2日ほど1月校受験のために時間を費やすことになる。
  •  志望校対策の代わりに1月校の対策にも時間を使わなければならない。
  •  落ちた時には精神的に負荷がかかる。
  •  願書の提出や受験料などのご家庭への負担増加。
  •  移動が増え、風邪をもらう可能性があがる。

やはり、受験をするということには様々なコストがかかります。それを考慮に入れていくつ、どこを受けるのかを考えなければならないでしょう。しかし、これらのメリットやデメリットはどのくらい重大なものなのでしょうか。本当に1月校の結果に生徒のモチベーションは左右されるのでしょうか?自律学習サカセルの生徒や中学受験の体験者に聞いてみました。

4. 過去の受験生の体験談

上で示したことは巷でよく言われる典型的な意見でもあります。では、生徒本人たちはどのように感じているのでしょうか。サカセルの生徒やすでに受験を終えた卒業生にも聞いてみました。(プライバシー保護のため名前は仮称です。)

絶対受かる学校を受験した加藤さん

「偏差値的にも結果が想像できたため、実際に合格しても何も思わなかった。結果を見て特別自身がつくこともなかった。」

比較的幅広い難易度の学校を受験した鈴木君

「1月校のうち1つに落ちてしまったが、実際に行こうと思っていた学校ではなかったため、あまり傷ついてはいない。」

御三家を目指していた増井君

「本当の学校での試験はチャイムで試験の開始などがアナウンスされるため、塾の模試に比べると時間配分が難しかった。レベルの高い1月校も受けたが全勝でとても気分も良い。」

これらはあくまで個人の意見ですが、1月受験のメリットやデメリットと呼ばれるものは必ずしも全員が体験するわけではないということが分かります。合格や不合格がどのくらい自信につながるかは生徒それぞれの性格と、実力と学校の乖離の大きさによるのかもしれません。

また、以下の記事では、実際に1月校を受験した体験記を読むことができます。

過去記事:1月校~11年前の渋幕遠征~

この体験記の学生は1月校を1校しか受けていませんが、見事第一志望の学校に合格しています。もちろん中学校はただで受験できるわけではありません。ご家庭の都合や、本人の試験に慣れる速度によっては複数受ける必要性もないのかもしれません。

では、今まで様々な生徒を見てきた中学受験のプロは1月校の選択に関してどのような視点を持っているのでしょうか。

5. 受験のプロは1月校をどう選ぶ?

それでは、長年中学受験生を見てきた自律学習サカセルの三宅先生に1月校について聞いてみます。1月校選択には先生オススメの黄金パターンがあるそうです。

1月校受験黄金パターン

それは

「1月上旬に1校+20日前後にもう1校」

さらに、それぞれの学校には選択に際して条件があって、それは上旬に受けるのは得点開示がある学校を選ぶこと。なぜなら、塾の模試は例年12月に終わってしまうが、生徒の成績は1月まで伸び続けるため、最終的にどのくらいの実力があるのかを測るために得点開示が必要だからだそうです。

そして、後に受ける学校は受かるか受からないか微妙なチャレンジングな学校を選択し、受からなくても意気消沈せず、受かったら自身がつくようなところを選択するのだとか。ただ、そのような意図をもって受験することを家庭も生徒本人も意識を共有していることが重要で、そうしなければ、逆効果になることもあるみたいです。

しかし、現実は生徒の成績に合わせてこの黄金パターンを変化させることも多いそうです。しかし、逆にこれは危険だという1月校選択パターンはあるのでしょうか?

よく見る失敗パターン(リスクが高いパターン?)

試験に落ちても受かっても、多かれ少なかれ精神的な影響があります。人によっては、上の体験談の中に登場した生徒のようにほとんど影響を受けない子もいますが、三宅先生が見てきた中でもその影響が大きくでやすいパターンがあるそうなので、それを紹介します。

1月上旬に落ちてリベンジ受験をさせない場合

リベンジ受験で1つでも合格を取らないと志望校を受験した時にも嫌なイメージがついていて実力が発揮できないことがあります。緊張感を良い意味で無くすために、2回目の受験は必須だそうです。これはラ・サールなど、合格発表が遅い学校を受験する場合も要注意で、2月直前に合格発表が行われるが不合格だった場合、立て直す時間がありません。

得点開示のある学校で良すぎる点数を取った場合

これは生徒の実力以上の学校に合格したパターンです。生徒が調子に乗ってしまい、その後の第一志望校にも失敗するケースも珍しくないそう。周りによる引き締めが必要だそうです。

5,6,7校と非常に多くの学校を受験する場合

このケースでは生徒も家庭も1月の段階で体力的に限界を迎えてしまいます。第一志望校を受けるころにはへとへとになって、本来の実力が出せなくなることが多々あるみたいです。くれぐれも、受けすぎには注意しましょう。

まとめ

ここまでのことをまとめると、

まとめ
  •  1月校受験とは、その名の通り1月に入学試験が行われる中学校を受験することで、2月の学校の練習となることからお試し受験と呼ばれることもある。
  •  首都圏外の中学校が多いが、首都圏で受験できる学校が多数存在する。
  •  1月校受験には、実戦経験をつみ、合格した時には自信になるというメリットがある一方、様々なコストや、試験に落ちた時の落ち込みなどリスクもある。
  •  しかし、経験は生徒によって様々で、生徒の性格はどの1月校を受けるかの判断材料になる。
  •  最後まで、実力を測りながらモチベーションを保つ1月受験はよいが、いくつかの不安を危険な受験パターンには要注意。

ということでした。これから先に受験を控えている方は是非参考にしてみてください。

また、自律学習サカセルでは、個別指導の特徴を生かして生徒の人柄まで考慮した受験校選びのお手伝いをしております。1月校をいくつ受ければよいかや、子どもに合った1月校が分からない・・・という方はお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いたのは...

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池尻大橋駅から徒歩2分。
国道246号線沿いの個別指導塾、家庭教師センター。
特に中学受験は専門プロ講師によるコースを設置し、高い実績をあげている。
東大・ 医学部・早慶大生を中心に意欲の高い講師が指導する、中高一貫校・大学受験コースにも定評あり。

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