少し期間が空いてしまいましたが、SAPIXのテキストの「捌き方」についてです。
今回は小学6年です。
●授業用テキスト
・デイリーサピックス Aテキスト Bテキスト
Aテキストは「知の冒険」の回、「読解メソッド」「読解演習」の回は変わりません。
「知の冒険」の回については、今までの復習も兼ねて、1つの単元ではなく、複数の単元を扱うことが多いです(敬語、手紙文など)
配布される解答に解説が載っていないのも相変わらずです。
「読解メソッド」「読解演習」の回については、「コトノハ」テキストが、「実践編」「授業用課題」「家庭用課題」という形でより細かく収録されるようになります。
言葉をどう「文の中」でとらえるかがより学びやすい教材となっており、質の高さを感じます。
また、デイリーチェックの漢字の範囲が、Aテキストから「漢字の要」というテキストに切り替わります。
慶應中等部をにらんだ問題が出題されるなど、質・量とともにかなりのものとなっています。
Bテキストは短文の記述問題を中心とした、選択肢、抜き出しを幅広く含んだ問題形式だけでなく、「読解力チェック」というコーナーが増えます。
これは、授業内で記述で扱った問題を、記述でなく「抜き出し」や「選択肢」のとっつきやすい形に変えて聞いてきたり、
授業内の傍線以外の箇所から、文章の補足となる内容を聞いてきたりするコーナーです。
私の授業で多く扱っているのが
Aテキスト「次回のデイリーチェック出題範囲」
Bテキスト「授業用の問題」「読解力チェック」から【文章全体をとらえる問題】です。
「次回のデイリーチェック出題範囲」を扱うのは前々回の記事を見てください。
【文章全体をとらえる問題】は前回の記事を見てください。
タイプ別にすると、(数字・内容はあくまでも参考です)
サピックス偏差値40未満の方
「読解教室」で全体の話の流れをつかみ、「読解力チェック」で全体をとらえる問題を扱って内容を把握できているかチェックし、その後授業用の問題の記述典型題を1~2問チャレンジ
サピックス偏差値40~50未満の方
「読解力チェック」を軸に全体をとらえる問題を中心に扱い、内容を把握したら授業用の問題の記述問題などに数問チャレンジ
サピックス偏差値50~64の方
いくつか発問をして、どれくらい文章の内容が理解できているか増田がチェックした上で、授業用の問題の記述問題に数多く触れる
こんなところでしょうか。
ちなみに、偏差値65を超える生徒さんには、説明する内容をなるべく削り、文章の内容や設問の内容を「自分で説明する」度合いを増やしたり、
文字数制限のない記述で短い文字数の制限をつけて、記述の「抽象度を高める」訓練をしたりなどしています。
授業を受けるクラスはあくまでも4科目の成績で決まりますし、たまたま点数が取れた/取れないということもあるので、数字だけが全てではないですけどね。
●自宅学習用のテキスト
・Aテキストの「コトノハ(家庭用課題)」「読解演習」
・Bテキストの「読解教室」
・漢字の要
・言葉ナビ
このあたりでしょうか。
大前提として、毎週授業内で行われる「デイリーチェック」で点数をきちんと作れるように、Aテキストの「漢字の要」「次回のデイリーチェック出題範囲」、言葉ナビの該当範囲は必ず勉強するべきです。
授業内の確認テスト(デイリーチェック)という小さな目標かもしれませんが「点数が出る」課題は大事にするべきだと思います。
なぜなら、受験生の子供たちが最も集中するのは「テストを解いているとき」だからです。
将来に向けて、という崇高な目標よりも、「100点取れた!すごいでしょ!」という状態をいかに作れるかって、結構大切だと私は感じています。
Aテキストの「読解演習」は余力があれば。
Aテキストの「コトノハ」Bテキストの「読解教室」は必ずやった方がいいと思います。
なぜなら、「様々な文や形式で語彙力を養成する課題」「文章問題の全体の展開を追いかける課題」は、一般的な問題集にはろくに掲載されていないからです。
私が集団授業を行っていた時は、全体の要約を「抜き出し」で行える課題や、場面分けの問題を補充問題として自作していました。
「解ける」ことは大切です。
しかし、年を追うごとに難化する傾向にあるからこそ、「文章問題をどう読みやすくするのか」の方がずっと大切です。
※土曜特訓の前期テキストに関しては、どのクラスも同じ問題を扱っていることが多いので、「知識の復習」のみ行う
土曜特訓の後期テキストに関しては、「知識の復習」を中心に。(筑駒志望の場合は優先順位がUPします)
後期の日曜SS特訓のテキストに関しては極力全問解けるようにするのが良いと思います。
以上、小6の「捌き方」でした。
それでは、また次の機会に。
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