新学年になると、新しい教材が増えます。
私の方にも、「宿題は出ているが、あまりにもテキストが多すぎるので、優先順位をつけてほしい」というお話はよく来ます。
ここでは、SAPIXの小学4年に絞って、どういう形でテキストを「捌く」かについて書いていこうと思います。
●授業用のテキスト
・デイリーサピックス Aテキスト、Bテキスト
授業でのメイン教材、デイリーサピックスが2冊あります。
AテキストとBテキストの2冊ですね。
Aテキストにも2種類あって、5回に1回が知識や文法をメインとする「知の冒険」の回、残りが読解中心の「読解メソッド」と「読解演習」の回となっています。
注意すべきは「知の冒険」の回で、約1か月分で扱う知識や文法の単元が全てまとまったテキストが配布されます。
が、授業内でそれを全て扱うことはほとんどなく、テキストのほんの数行の解答で終わってしまうことが多々あるようです。
私が自分の生徒さんに授業内で実施するのは、
・Aテキスト「次回のデイリーチェック出題範囲」
・Bテキスト「確認しよう」「内容を理解しよう」が多いです。
「次回のデイリーチェック出題範囲」は、「知の冒険」の回で載っていた問題と全く同じものが、2~3ページずつ再掲されているので、
1回で全て解き方を身に着けてもらうのではなく、数回で分割して身に着けてもらうようにしています。
上記の内容をベースにしつつ、生徒さんの得意不得意、また今対策したいことを扱うので、変更をかけることもあります。
例えば、塾での通常授業を休んでしまったときには、Aテキストの読解メソッドを扱ったり、ですね。
特に悩みが多いのはBテキストの「内容を理解しよう」「練習問題」。
「記述問題の復習ってどうやったらいいのか」というご相談、とても多いです。
ご家庭でできることとしては、
①「記述の要素や、答えの箇所が本文のどこにあるのか」を探す。
これは、模範解答を見ながら、本文のこの要素を使っているのではないかというのを見つければ良いです。
見つけたら、本文にマークするのが良いでしょう。
②「どうしてその要素を使わなければならないのか」を考える。
多くの場合、「設問で書かれたヒント」と似た表現を本文から探し、その前後をチェックしたり、
指示語、接続語の誘導に乗っていくと見つかります。
この「②ができているかどうか」が、「復習を行って効果があったかどうか」に繋がると増田は考えています。
●自宅学習用のテキスト
・Aテキストの「漢字練習」「読解演習」「知の冒険」
・Bテキストの「ならびかえてみよう」「内容を整理しよう」「正しい形に直してみよう」「練習問題」
・言葉ナビ
このあたりでしょうか。
大前提として、毎週授業内で行われる「デイリーチェック」で点数をきちんと作れるように、Aテキストの「漢字練習」「次回のデイリーチェック出題範囲」、言葉ナビの該当範囲は必ず勉強するべきです。
授業内の確認テスト(デイリーチェック)という小さな目標かもしれませんが「点数が出る」課題は大事にするべきだと思います。
なぜなら、受験生の子供たちが最も集中するのは「テストを解いているとき」だからです。
将来に向けて、という崇高な目標よりも、「100点取れた!すごいでしょ!」という状態をいかに作れるかって、結構大切だと私は感じています。
Aテキストの「読解演習」は余力があれば。
Bテキストの「正しい形に直してみよう」はかなり簡単なので、簡単すぎると感じるようになったら飛ばしてもいいと思います。
ただ、「内容を整理しよう」「ならびかえてみよう」は必ずやった方がいいと思います。
なぜなら、「文章問題の全体の展開を追いかける課題」は、どの問題集にも掲載されていないからです。
私が集団授業を行っていた時は、全体の要約を「抜き出し」で行える課題や、場面分けの問題を補充問題として自作していました。
「解ける」ことは大切です。
しかし、年を追うごとに難化する傾向にあるからこそ、「文章問題をどう読みやすくするのか」の方がずっと大切です。
「解き方一辺倒」にならないようにテキストを作成する、という姿勢には本当に頭が下がりますね。
以上がざっくりとした「捌き方」になります。
次回は
SAPIX小学5年、6年について書いていこうと思います。
では、また次の機会に…。
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