2021年4月10日、4月度マンスリー確認テストが実施されました。
今回の該当テキストは平常06と春期01~06の計7冊で、やや多めです。
また4月3日に春期講習が終わったばかりなので、準備期間も短めという、対策の難しいテストになりました。
まずは各問題に目を通してみましょう。
ここでは「偏差値55」を目指したい生徒にとっての難度の目安を、以下のように記すことにします。
〇:確実に正解したい問題
△:出来れば正解したいが間違えても仕方ない問題、復習は必須
×:時間内に正解するのはやや難しい問題
大問1
(1) 〇
基本的な計算問題です。
計算の順序に気を付け、また分数の形で計算を工夫することで、短時間で確実に正解しましょう。
(2) 〇
基本的な逆算です。
4.75や0.375は分数に直して計算しましょう。
見直しの際は代入して確認することも忘れないよう気を付けましょう。
(3) △
等差数列の和を求める問題です。
公差が分数になっていたり、11が何番目か気を付ける必要があったりして、意外とミスをしやすいのかもしれません。
大問2
(1) 〇
基本的な和差算です。
「3つの平均が57⇒3つの和が171」と言い換えて、確実に正解しましょう。
(2) 〇
基本的な相当算です。
線分図で状況を整理し、こちらも確実に正解しましょう。
(3) 〇
ミスが生じやすいカード並べの問題ですが、この問題は易しめです。
1□□が5×4=20通りなので、3□□の小さい方から5番目を求めましょう。
(4) 〇
「距離が同じとき、速さと時間は逆比」という頻出の発想を用います。
時間の比が200分:360分=5:9なので、速さは逆比で9:5になりますね。
(5) 〇
列車Aと列車Bの速さの和と差が求まるので、和差算として処理しましょう。
問われているものが時速であることに気を付け、確実に正解したい問題です。
(6) △
多くの受験生が苦手とする「置き換え」の消去算です。
鉛筆1本=ノート3/4冊+130/4円と分数になる点でも、取り組みにくさを感じる受験生は多いことでしょう。
もちろん鉛筆やノートの数で最小公倍数を取って処理しても構いません。
(7) △
はじめの10分で28cm⇒2.8cm/分、次の30分で42cm⇒1.4cm/分から、まずは底面積の比を求めます。
続いて排水時には何分後に28cmの深さになるのかを求めましょう。
小問集合としては、難度は高めです。
大問3
(1) 〇
公式通りの出題です。
もし忘れてしまったとしても、四角形・五角形・六角形などを順に調べていく中でルールに気づきましょう。
(2) △
相似比と面積比の関係を利用しましょう。
ア=6×6-4×4=20
イ=5×5-2×2=21
と設定できると良いですね。
上手く言い換えられない生徒も意外と多いかもしれません。
(3) 〇
「1:1:2の三角錐の展開図は正方形になる」という、習ったばかりの基本知識の確認です。
確実に正解しておきたい問題でした。
(4) △
相似比と面積比の複合問題です。
まずはBE:ECの比を求め、次に△FECと△FDAの相似を利用しましょう。
「平行四辺形の面積は対角線で2等分される」等も含めて、修得すべき要素の多い問題です。
充分に復習し、解法や思考の流れを身につけておきましょう。
(5) △
回転体の典型題です。
上の円錐の側面、下の円柱の側面、下の内側の円錐の側面の3か所を求めます。
×3.14での計算の工夫も忘れずに行いましょう。
大問4
(1) 〇
1×1、3×3、5×5、7×7…と奇数の平方数として増えていきます。
中盤の大問ですが決して難しくはありません。
(2) △
黒は1、5、9、13…と最初が1で4ずつ増えていく等差数列になっています。
黒が45個になるのは何番目かを求め、(1)を利用して平方数から引いて求めましょう。
大問5
(1) △
A×80 = A×20+B×20+C×10 = C×20+A×20+B4
と、まずは式を整理しましょう。
2つめの式と3つめの式を比べることで、
B×16=C×10と気づくことが出来るでしょう。
やみくもに80分、50分、44分で最小公倍数を取らないように気を付けましょう。
(2) △
(1)よりB=⑤、C=⑧を利用して、Aおよび全体を求めましょう。
(1)が出来ていれば易しいです。
大問6
(1) 〇
Xから2つとYから1つの場合と、Xから1つとYから2つの場合を求めると良いでしょう。
全11個から3個選んで、三角形にならない場合を除いても良いですが、処理量が多くなってしまいます。
決して易しい問題では無いですが、テキスト掲載そのままなので正解しておきたい内容です。
(2) △
□×6÷2=12より、底辺が4cmになる三角形を数えます。
Xを底辺とする場合はそれぞれ6個ずつ、Yを底辺とする場合はそれぞれ5個ずつになりますね。
上位校を目指すなら正解しておきたい問題です。
(3) ×
(□+△)×6÷2=30より、上底+下底=10になる組み合わせを考えます。
2+8、4+6、6+4、8+2のそれぞれの場合で丁寧に調べ上げましょう。
ただ制限時間を考えると、後回しにしても良い問題です。
大問7
(1) △
どちらのバスも36+5+45+5=91分が周期になります。
最後の大問で問題文も長く、気後れしてしまった生徒もいるかもしれませんが、きちんと問題文を読んで正解しておきたい問題でした。
(2) △
問題文の図を利用し「ダイヤグラムの相似」で解けると良いでしょう。
難度は決して高くはありません。
(3) ×
2台のバスの間の距離が3kmになるのは、ひとつの周期で4回あります。
11÷4=2…3なので、3周期目の3回目だと考えましょう。
やや処理量は多いものの、難関校を目指すならば勝負したい問題でした。
今回の出題は、〇が11題、△が12題、×が2題となりました。
偏差値55以上のレベルを目指す生徒にとっては、〇が10/11、△が7/12、×が0/2で102/150くらいが目安と言えるのではないでしょうか。
それでは今回の総括です。
まとめ
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今回の出題はテキスト内容を少し捻った問題が多く、一生懸命解法を覚えてきたような算数が苦手な生徒にとっては点数を取りにくい問題だったと言えそうです。
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一方で算数が得意で、復習も丁寧に進められていた生徒にとっては満点近い高得点を狙える出題であり、偏差値50~60くらいの学力の生徒の実力差を明確に図る試験になっていたと言えるでしょう。
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平均点は70点前後と思われます。
SAPIX生にとって「範囲のある」「昇降テスト」は、5月度マンスリー確認テストと6月度マンスリー確認テストの残り2回です。
これら範囲のある試験には入念に準備をして臨みましょう。また4/18日にはサピックスオープンが実施されますね。
こちらは現在の実力を測る良い機会です。
詳しくは「6年生 志望校判定サピックスオープンの活かし方」をご覧ください。
皆さんの頑張りが点数に反映されるよう、応援しています。
SAPIXに関して、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!
塾選びから合格(または転塾)までSAPIX完全解説
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