5年生としての授業がスタートして約1か月が経ちましたね。
授業日数が週3回に増え、ようやく勉強リズムをつかめてきたところでしょうか。
5年生3月度復習テストはクラスの昇降はないものの、初めての範囲のあるテストになります。各テキストが定着できているかの確認や今後のスケジュールの見直しにもつながる重要なテストですのでしっかり準備をして臨みましょう。
2024年3月度復習テストは3月25日に実施予定です。
【5年生3月度復習テスト 算数】
[概要]
制限時間50分で150点満点
大問1は基礎力トレーニングの内容が8~9問
大問2~5は各テキストの割と基本的な内容が出されることが多い
大問の最後(6か7)は思考発想系になることが多い
算数の平均点は90点前後になることが多い
[試験範囲]
510-01 平面図形1
510-02 平面図形2
510-03 約数
510-04 倍数
510-05 総合(01~04)
基礎力トレーニング2月号
【5年生3月度復習テスト 各テキストのポイント】
平常01番 平面図形1
★偏差値50以上を目指すならDの4以外全て取り組もう★
①角度1(A1,3、B3、D3)
⇒対頂角、同位角、錯角(Z角と呼んだりもしますね)、多角形の内角と外角などの基本的な知識が入っていれば難なく正解できるはずです。
もちろん□角形の内角の和の公式(□ー2)×180°も覚えていますよね!?
正多角形の内角の和がわかれば1つの内角を求められますね。
また、多角形の外角の和はどれも360°です。
1つの外角を求めれば簡単に内角を出すことができることも覚えておきましょう。
②角度2(B1、C3、D1)
⇒B1⑴はそれぞれの角にア、イと平行な線を引くことによって錯角をたくさん作ることができます。補助線の引き方は慣れもありますが、知識として覚えておくと便利ですね。
⑵は⑴と同様にア、イと平行な線を引いて錯角と三角形の外角(隣り合っていない2角の合計)を使って解き進めていきましょう。
C3⑴は勘のいい生徒さんならなんとなく求められるでしょうが、それでは同じ問題しか解けません。以下のように〇✕を使って図の情報を可視化した式を書けるようにすることで別角度からの出題にも対応できるようになります。
〇〇+××=122°(180-58)
〇 +× =61° (122÷2)
あ=180-61=119°
というようにこの問題では〇と✕それぞれを出さなくても答えが求まりますね。
以上のことを踏まえた上でD1も見てみましょう。
とりあえず出せる角度を出してみて…その後は手が止まってしまうかもしれません。
そこで〇と✕を使った式を立てて考えてみましょう。
〇 +×× =72° …①
〇〇 +× =87° …②⇒①と②の式を合計して
〇〇〇+×××=159°
〇 +× =53°(159÷3)
あとは①か②の式と見比べればそれぞれが求まりますね。
このように式に表すだけで道すじが見えてくる問題は今後もよく出てくるので今から少しずつ練習していきましょう。
③面積1(A2,4、B2、D2)
⇒正方形、長方形、ひし形、平行四辺形、台形、三角形の面積の公式の確認です。正方形はひし形の面積の公式と同様に対角線×対角線÷2でも求められることを覚えておきましょう。また、三角形と平行四辺形と台形の面積の公式に共通する部分『底辺×高さ』の底辺と高さの間には必ず直角が必要です!
これは等積変形や6年生で出てくる『30°の利用』を解く際にも使用する重要な知識ですが、定着できていない生徒さんが多く、苦労している印象です。
今のうちに頭に叩き込んでおきましょう!
④面積2(B4、C1,2,4)
⇒等積変形も4年生で度々登場した内容ですね。平行の線の中であればどんな形であっても高さが共通であることを利用して図形を移動させて解きましょう。
平常02番 平面図形2
★偏差値50以上を目指すなら全て取り組もう★
①円とおうぎ形(A1~3、B1,2、C1,2、D1,2)
⇒4年生では公式を覚えるための基本的な形の演習がほとんどでしたが、今回はおうぎ形同士を引いたり、求めるべき面積を分割して移動させたりと様々な要素が含まれている複合図形が多くなっています。
ここで重要なポイントは解き方が思いついたら面積を一つ一つ出すのではなく、最後まで一気に式を書くことです。円とおうぎ形の問題で一番厄介なのは3.14を使った計算です。
カッコを使って式をまとめ、×3.14は1回で済むように計算の工夫をしましょう。
また、それによって大幅に計算が楽になることがあります。
例えばD2の斜線部分は半円小+直角三角形+半円中-半円大で求められますが、全ての式で3.14の計算をしていたら大変ですよね。そこで一気に式を書いてみるとあることに気づきます(ちなみにヒポクラテスの月と呼ばれています)
きっと3.14でまとめる計算の工夫の意義を実感できると思うのでぜひ書いてみてください。
②牛小屋系(B3,4、C3、D3)
⇒動物さんがお家の周りで動ける範囲を作図して面積を求める問題ですね。
紐よりもポッキーのような棒状のものをイメージした方がわかりやすいかもしれません。折れる境目までの長さと残りの紐の長さ、それぞれの角度を正確に記入しながら描いていきましょう。
作図ができたら①と同様に3.14でまとめて計算を工夫して求めましょう。
3.14でまとめる計算の工夫は、はじめのうちは式は長くなるし時間もかかるかもしれませんが、慣れてしまえば手間もミスも減るので面倒くさがらずたくさん練習しましょう!
平常03番 約数
★偏差値50以上を目指すならC1、D1,2,4以外全て取り組もう★
①約数、素数(A1~6、B2)
⇒数の性質の基本的な内容です。いまだに約数と素数とは何か、正しく理解せずになんとなく解いていることがあるかもしれません。
約数とはある整数を割りきることができる整数のことで2つ以上の数に共通する約数を公約数といいます。
最大公約数の求め方についても後にでてくる公倍数と混ざらない様にしっかりと意味を理解しておきましょう。
素数とは約数が1とその数の2コだけである整数のことです。素数を書き出す時によく見かけるミスは1を含めてしまうこと。1は約数が1のみなので素数ではありません。
また、約数を書き出す時にペアを作って書くよう、しつこく言われますよね。
その時に相方がいない数があるものは平方数。つまり約数の個数は奇数になります。
その中で3コのものは素数の平方数になることも覚えておきましょう。
②~『を』割る(B1,4、C2、D3)
⇒あまっている数=必要ない数です。
余分なものは引いて割り切れる数から公約数を考えましょう。
最小の整数や答えを複数求める場合があるので最大公約数の約数を書き出して、条件に合うように注意して解答しましょう。
D3は線分図を描くとわかりやすいですが、あまりを除いた整数はアの倍数になっており、アの倍数同士の差もアの倍数になることから差である2つの公約数を考える問題です。
とりあえず差をとって公約数を出せばいいんでしょ!となんとなく解いている生徒さんをよく見かけますが、文章題になったときにも対応できるように理屈からしっかり理解しておきましょう。
③同じ長さに分ける(B3、C3)
⇒テストでぽっと出てきた時に公約数と公倍数のどちらを求めればいいのか区別をつけられない場合は約数と倍数とは何なのか、自分の言葉で説明できるくらいに理解を深めておきましょう。
また、個数を求める際にたて、よこ、高さそれぞれの1辺の個数は当然かけ算できていますよね!?全体の個数を聞かれているので体積と同じ求め方になりますが、足してしまうケースもよく見られるので注意しましょう。
平常04番 倍数
★偏差値50以上を目指すならD2,3以外全て取り組もう★
①倍数、倍数の個数(A1,3、B1,3、C2,3,4)
⇒倍数とはその数を2倍、3倍にしていった整数のことですね。約数と違って無限に存在するので2つ以上の整数に共通する倍数(公倍数)は最小のものから考えます。
倍数の個数はどちらでも割れない個数などが捉えにくいのでベン図に整理しながら解き進めましょう。
また、B1のように数字の途中から考える問題は400-50=350→350÷5と解いてしまう生徒さんをよく見かけます。数字によっては答えが合ってしまうこともあり、正しいと勘違いしているかもしれませんが、これは1~350までの個数を求めていることになるため、全く意味が違います。
正しくは1~400までの個数から1~49までの個数を引いて求めます。
同時に~する問題はくりかえす時間の最小公倍数を求めて回数を考える問題と、書き出して調べる問題があります。問題文をよく読んで取り組みましょう。また、〇✕などを書き出す時はたてをそろえて丁寧に書き、同時につくものを囲って見やすくするとズレが生じにくくなるでしょう。
②~『で』割る(B4、C1)
⇒問題文的には些細な違いですが、約数のときとは解法が全く異なります。
B4⑴はあまりが共通なので6と8の最小公倍数である24の倍数+あまりで考えていきましょう。
⑵も同様ですが3ケタの最大値を聞かれているので気を付けましょう。
C1はあまりが異なるので地道に書き出して共通する数字を調べます。それ以降は増える数の最小公倍数ずつ増えていくので等差数列と同じように考えていけばいいですね。
③倍数の特徴(A2、B2)
⇒位の大きな数字でも何の倍数か計算せずに判断できる特徴を持つ数字があります。
中学受験において重要な知識ですので以下は必ず覚えておきましょう。
5の倍数→1の位が0か5
4の倍数→下2ケタが4の倍数、または00
3の倍数→各位の和が3の倍数
9の倍数→各位の和が9の倍数
6の倍数→各位の和が3の倍数である偶数
④同じ長さをつくる(A4、D1)
⇒注意する点は約数の問題と同様です。問題文をよく読んで公約数なのか公倍数なのかを判断して解き進めましょう。
平常05番 総合(01~04)
★偏差値50以上を目指すならD2,3以外全て取り組もう★
内容はほぼ01~04と同じですが、新しく追加された問題があるので見ていきましょう。
①かけて整数になる(B3、C2)
⇒B3⑵は分数同士のかけ算はななめで約分することに注目します。かけ算して整数にするには分母を1にしなければならないので、かける分数の分子は35と14の公倍数になり、分母は12と9の公約数になることがわかります。
難易度は高くありませんし、約数と倍数の複合問題になっているのでぜひ取り組んでみましょう。
②カード並べ(A4)
⇒通常は場合の数として出てきますね。
04番で覚えた倍数の特徴を使って解いていきましょう。
以上が5年生3月度復習テストの範囲テキストの学習のポイントになります。
今回の内容は4年生で習ったことが多いので対策しやすいかと思います。
まだ5年生の授業がはじまったばかりで4年生の時と同じように「感覚」で解いていても正解できることも多いでしょう。
しかし、夏前からは論理的な思考、式や図に落とし込むスキル等がないと大変苦労します。
算数を得意科目にするためには式や図を描くことを決してめんどうくさがらず練習しましょう!
思う様にはかどらない、書き方がわからない、などお悩みがあればいつでもお気軽にご相談くださいね。
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