サカセルコラム

SAPIX4年11月マンスリーでおさえるべきポイント!社会編 Column

SAPIXの活かし方

SAPIX4年11月マンスリーでおさえるべきポイント!社会編

2025.10.21

【試験の範囲】 

440-24 日本の畑作② 〜いろいろな果物作り〜 
440-25 日本の畑作③ 〜麦・豆・いも類と工芸作物〜 
440-26 日本の畜産業 
440-27 日本の農業の特色と問題点 

【平常授業のテキストで扱うべき問題と順番の一例<いつも通りなので再掲>】 

SAPIXの各種テストは、一問一答形式で出題されることがほとんどありません。 
リード文や設問から「関連する知識を引っ張り出す→設問の条件に当てはめて答える」形式がほとんどです。 
つまり、ここで出ている知識事項については盤石にしておく必要があります。 
平常テキストは 
授業のかくにん問題 レベル1→レベル2→レベル3 と進めてから、→デイリーステップで全体を改めて復習、とするのがおすすめです。 

【各回のトピックス】 

440-24 日本の畑作② 〜いろいろな果物作り〜 

テーマ1 果物作りのさかんな地域① 〜りんごとみかん〜
→りんごとみかんの主な産地とその特徴をおさえる 

りんご作りはすずしい気候が適しています。 
よって、青森県の津軽平野・長野県の長野盆地が産地の中心となります。 
また、みかん作りはあたたかい気候が適しています。 

よって、愛媛県の宇和海沿岸、和歌山県の紀ノ川・有田川(ありだがわ)が産地の中心となります。 
みかんは日当たりの良い場所で作る必要があるので、山の斜面を利用することが多いです。 
また、宇和海では「段々畑」が見られます。 

テーマ2 果物作りのさかんな地域② 〜その他の果物〜 
→ぶどう・もも・おうとう・日本なしの主な産地とその特徴をおさえる 

ぶどう・ももは、昼と夜の気温差が大きく、降水量が少ない気候に適しています。 
盆地は山に囲まれた平坦な土地なので、季節風の影響を受けにくく、降水量が少ないです。 
海流は熱を運ぶ役割があり、周囲の大気に影響を与えます。 
暖流は高緯度の地域に熱を運び、寒流は低緯度の地域で熱を奪うので、海流の近くは昼と夜の気温差が小さくなります。 
ですから、そこから離れた盆地は昼と夜の気温差が大きくなるのです。 
おうとう(さくらんぼ)は降水量が少なく、すずしい気候に適しています。 
日本なしは適度な降水量があり、あたたかい気候に適しています。 

その他おさえておくべき⽤語:扇状地・甲府盆地・山形盆地・鳥取平野・福島盆地 

テーマ3 果物の輸入がふえている? 
→果物の消費量が増えた原因、国内生産量・国外からの輸入量の理由をおさえる 

日本は1960年代に高度経済成長期に入り、各家庭の所得が増えたこと、人口が増加したことが原因で、果物の消費量が増えました。 
また、アメリカからオレンジ・グレープフルーツ、フィリピンからバナナ・パイナップルなどを輸入しています。 
様々な果物を食べるようになったことで、外国からの輸入量は多くなり、日本国内の果物の生産量はしだいに減ってきています。 

その他おさえておくべき用語:旬・食生活の多様化 

発展学習 「地球にやさしい」食べ物って? 
→フードマイレージ・地産地消の意味をおさえる 

「食料を運んだ重さ」×「運んだ距離」=フードマイレージ 
日本の食料自給率は約40%。 
残りの60%ぶん、様々な食料を遠くにある国から買っている関係で、フードマイレージは世界最大と言われています。 
フードマイレージが大きくなるということは、運んだ距離が長くなるということです。 
すると、石油などの化石燃料を大量に消費していることになり、地球温暖化が進む原因になっていると言えるのです。 
この対策となるのが地産地消。 
地元で作った商品を地元で消費するので、輸送距離は短くなります。 

その他おさえておくべき用語:食品ロス(フードロス) 

440-25 日本の畑作③ 〜麦・豆・いも類と工芸作物〜 

テーマ1 麦・豆・いも類の生産がさかんな地域 
→十勝平野で小麦・大豆・じゃがいも、笠野原でさつまいもを作っていることをおさえる 

十勝平野は土の性質、気温から米を作るのが難しいです。 
そのため、平野ではありますが、米以外の作物を作っています。 
加工して使用する作物(特に大豆・小麦)は、安い外国産に頼りがちです。 
作っても大して売れないこともあり、役所からの「補助金」がないと各農家も積極的に作りたがらないのです。 
ここで「補助金」を止めてしまうと、国産小麦や国産大豆の量がゼロになってしまうのです。 
国産小麦を売りにしているのは、一部ラーメン屋やつけめん屋くらいでしょうか。 

日本人は、直接粒を口にする米よりも、「国産であることにこだわりがない」こともあり、小麦・大豆の国内産業は発展しない現状があります。 

その他おさえておくべき内容:小麦・大豆の輸入先ベスト3、米>野菜>肉類>果実>小麦>大豆など、主な食料の自給率が高い順に並べられると良い 

テーマ2 工芸作物の生産がさかんな地域 
→工芸作物の意味、主な工芸作物の産地をおさえる 

工芸作物とは、収穫したものが加工されてから人々に利用される作物のことです。 
てんさい(砂糖大根)はすずしい気候でないとできないので、十勝平野で作られます。 
さとうきびはあたたかい気候でないとできないので、沖縄県・鹿児島県で作られます。 
茶はあたたかい気候で、雨の多い地帯で多く作られます。静岡県の牧ノ原が全国一の生産量となっています。 
い草はあたたかい気候で、良質な水とミネラル分を多く含む土地で作られます。熊本県の八代平野が全国一の生産量となっています。 
こんにゃくいもは栄養分があって水はけの良い土地で、良質な水がある土地で作られます。群馬県のみで生産されています。 
「地名」や「場所」を聞いて、何の生産がさかんか答えられると良いですね。 

その他おさえておくべき用語:宇治茶・狭山茶・世界一の茶どころ(中国)  

テーマ3 広い耕地を生かして〜十勝平野の農業〜 
→大規模農業ができる地域をおさえる 

土地が広いので、大型の機械を使って、多くの収穫を行っています。 
実は、多くの収穫を少ない人手で得ることができるのです。 
すずしい気候を生かして、てんさい・じゃがいも・小麦・大豆を作っています。 
また、乳用牛を飼育する酪農も行っています。 

その他おさえておくべき用語:トラクター・サイロ・牧草ロール・全国平均の10倍以上の耕地面積・濃霧・開拓(土地を切り拓くこと)・連作障害 

発展学習 「見すてられた土地」が「豊かな茶どころ」になった!〜牧ノ原の開発〜 
→こっそり出てくる歴史の用語に注意する 

江戸幕府最後の将軍「徳川慶喜」のときに大政奉還<1867>が行われ、明治時代に変わりました。 
当時の輸出品のベスト3は生糸・蚕卵紙・茶で、茶は輸出において主力商品だったのです。 
牧ノ原を開拓したのは元武士の身分である「士族」でした。 

その他おさえておくべき用語:八十八夜・防霜ファン 

440-26 日本の畜産業 

テーマ1 現代の日本人は、肉も牛乳も大好き!  
→肉類・乳製品の消費が増えた理由と主な家畜をおさえる 

440-24のテーマ3でも紹介しましたが、日本は1960年代に高度経済成長期に入り、各家庭の所得が増え、人口が増加しました。 
これにより食生活の多様化が進み、果物と同様、肉類・乳製品の消費量も増えました。 
「畜産業」とは「肉・たまご・牛乳などをとるために家畜を飼育する農業」のこと。 
現在の主な家畜はにわとり・ぶた・牛です。(この順番で覚えることをオススメします) 
440-25のテーマ3で出てきた「酪農」の詳しい意味がここでわかります。 
「乳用牛を飼育して、牛乳や乳製品を作る畜産業」です。 
ちなみにインドのヒンドゥー教では牛肉・豚肉のどちらも食べるのが禁じられています。 
牛は「聖なる動物」、豚は「不浄の動物」だからです。 

その他おさえておくべき用語:乳用牛・肉用牛・採卵鶏・ブロイラー 

テーマ2 畜産業がさかんな地域はどこ? 
→畜産業がさかんな地域と、その特徴をおさえる 

すずしい地域では乳用牛、大都市の周辺では採卵鶏、火山灰におおわれたシラス台地では畑作・肉にする家畜がが中心に生産されています。 
根釧台地は「パイロットファーム」が設置され、酪農が大きく発達しました。 
1970年代には「新酪農村」が作られています。 
ちなみに…北海道が肉用牛で1位なのは「乳の出なくなった乳用牛を肉にしている」からです。 

その他おさえておくべき用語:BSE(牛が感染)、口蹄疫(牛・ぶたが感染)、風評被害、トレーサビリティ(商品の情報を正しく消費者に伝えるための追跡制度) 

テーマ3 外国産の「輸入肉」がふえている? 
→畜産物だけでなく、そのえさの輸入も増えていることをおさえる 

1991年に牛肉の輸入が自由化され、外国産の安い牛肉がたくさん日本に入ってくることになりました。 
牛丼チェーンが安定した営業をしているのは、この影響が大きいです。 
また、肉類の自給率を高い順に並べると、にわとり>ぶた>牛の順となっています。 
肉類全体の自給率は50%前後ですが、家畜のえさの自給率は25%程度と大変低い数値になっています。 
外国産の輸入飼料については、日本よりも品質管理が甘い分、安全性が心配されています。 

その他おさえておくべき用語:ブランド肉(薩摩・肥後・米沢など旧国名が入っているので名称注意) 

発展学習 本当に安心して飲める牛乳をめざして 〜日本の酪農はどう変わっていくのか?〜 
→「配合飼料」の使用とその問題点をおさえる 

配合飼料を使用すると、青草を食べて育った牛よりもはるかに多くの牛の乳を得ることができます。 
ただ、そのほとんどを輸入に頼っているので、安全性が心配されています。 
BSE(狂牛病)は牛の脳を肉骨粉にして、配合飼料に混ぜていたことが原因で発生しています。 
放牧による酪農が理想ではありますが、土地の狭い日本では難しいという現状があります。 

その他おさえておくべき用語:蹄耕法 

440-27 日本の農業の特色と問題点 

テーマ1 せまい耕地を生かすには? 〜集約農業〜 
→集約農業を行わざるを得ない理由、その他の工夫をおさえる 

日本の耕地面積の平均は約2.4haで、フランスやアメリカの何十分の1しかありません。 
狭い耕地からなるべく多くの作物ができるように、多くの人手で世話をして、多くの肥料で作物を育てています。 
これが集約農業です。 
また、同じ耕地を利用して、 
1年間に1種類の作物を作るのが「単作」 
1年間に2回同じ種類の作物を作るのが「二期作」 
1年間に2回違う種類の作物を作るのが「二毛作」です。 
そして、日本の地形の割合のうち、山地は「4分の山地」 
日本の土地利用の割合のうち、森林は「漢字の木の数を数えて、3分の2」とおさえましょう。 

テーマ2 化学肥料や農薬は農家の味方?それとも… 
→化学肥料・農薬の問題点をおさえる 

化学肥料も農薬も、主に石油を原料としています。 
化学肥料は農作物の栄養分に、農薬は害虫駆除に役立ちます。 
ただし、これらを使い過ぎると、土の栄養分がなくなってしまい、食べた人の健康にも悪い影響があるという恐れがあります。 
だから、たい肥などを利用した有機農法を利用する農家も出てくるのです。 

その他おさえておくべき用語:循環型農業 

テーマ3 農村から若者が減って… 〜農村の高齢化〜 
→農業の問題点をおさえる 

農家の数は年々減り続け、65歳以上の高齢者の割合が増えています。 
・他の産業に比べて収入が安定しない 
・耕地がせまい日本では、大規模農業を行えない 
の2点により、若者が農家の後継者とならないケースがとても多いです。 
また、農村の過疎化もそれに拍車をかけています。 

その他おさえておくべき用語:委託農家・請負農家・主業農家・準主業農家・副業的農家 

発展学習 みんなの力を合わせて農業をさかんにしよう! 〜集落営農〜 
→過疎が進んだことで「集落営農」を行うようになったことをおさえる 

人手が足りなくなったことで、耕地をまとめ、農業用機械を共同で買い、みんなで協力しながら行うのが集落営農です。 

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増田 雄介

この記事を書いたのは...

増田 雄介

圧倒的な指導力、学校別の専門性の高さ、そして面倒見の良さを持つ自律学習サカセルの国語・社会の看板講師。

その驚異的な指導力を武器に、大手集団塾の開成中コースの国語担当や有名個別指導塾のリピート率1位の凄腕講師として活躍。
成績が本当に伸びる実戦的な指導に目を付けた自律学習サカセルからのスカウトを受け、満を持して文系科目の講師として指導開始。

個別指導の業界では指導力No. 1の呼び声も高く、逆転、順当のどちらの合格にも強く、生徒のレベルに関係なく指導できる幅広さを持っている。

生徒だけでなく、自分の子供の成長を見守るのが楽しみな一児の父でもある。
趣味はぽっちゃりの自分でも着られるファッションの構築。

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