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SAPIX4年生 6月度マンスリーテストはどう対策する?算数編 Column

SAPIXの活かし方

SAPIX4年生 6月度マンスリーテストはどう対策する?算数編

2024.06.04

夏に入り、暑さも本格的になってきましたね。2024年の夏はラニーニャ現象により、記録的な暑さになるというニュースもありました。熱中症には十分気を付けましょう。また、「ラニーニャ現象」は社会の入試で出るかもしれないので、「エルニーニョ現象」と合わせて覚えておきましょう。ニュースのチェックも欠かさずに!

【テストの概要】

制限時間:50分
満点:150点
平均点:80点前後
試験日:6月13日(木)または14日(金)
〈試験範囲〉
410-10:総合
410-11:約数
410-12:倍数
410-13:面積の考え方①
410-14:面積の考え方②
基礎力トレーニング5月号

【各テキストのポイントとテスト対策】

〈はじめに〉
各テキストの頭脳トレーニングは特に触れなくても問題ありません。単元の内容をしっかりこなしていきましょう。また、計算力コンテストは欠かさず訓練しておきましょう。偏差値50までを目指す人は(1)~(30)まで、それ以上を目指す人は(50)まですべて解きましょう。

〈410-11 約数〉
倍数の単元と合わせて今後の計算の土台となる非常に重要な単元です。特に最大公約数は今後習う分数の約分で必須のツールなので、ひとまず連除法だけでも完璧にしましょう。連除法については以下の
p.9、11の解説をご参照ください。
偏差値50以上を目指す場合はBテキストとAテキストどちらも★2まですべて解けるようにしましょう。
偏差値60以上を目指す場合は★3まで解けるようにしましょう。

〔41B-11〕
p.3
約数の書き出しでは、必ずセットで書いていきましょう。例えば「24の約数をすべて書き出しなさい」とあるとき、1と24、2と12、3と8、4と6のような書き出し方になります。


p.5
ベン図の書き方も復習しておきましょう。問題の情報整理をするために必須のツールです。共通の要素を図の重なったところに記すのを忘れないようにしましょう。また、一方の集合がもう一方に完全に入り込んでいる場合もあります。
例えば9の約数と27の約数をベン図で表すと、9の約数は27の約数の中に完全に入り込みます。9は27の約数なので、9の約数は当然すべて27の約数でもあるといえます。この感覚に慣れましょう。

p.7
素数の定義は必ず言えるようにしておきましょう。「1と自分自身でしか割り切れない数」で、「約数が2個しかない数」とも言えます。ありがちなミスとして、「偶数は素数ではない」という固定観念により「2」を素数から除外してしまう、「素数は奇数だから」という固定観念により「1」を素数としてカウントしてしまうというのがあります。冷静に「この数の約数はどうなっているかな」と考えましょう。

p.9、11
連除法は以下の図のように、左に公約数を書いて元の数が割り切れなくなるまで繰り返していく計算法です。最大公約数を求める際の連除法でスムーズに解けるよう、7、13、17、19などの素数の倍数などは覚えておきましょう。特に91、119、133などは素数に見えて素数ではないので注意しましょう。また、初めからなるべく大きな数で割れると速く解けます。慣れてくるとある程度の大きさの数なら一発で分かるので、繰り返し学習しましょう。そして、「公約数は最大公約数の約数」です。覚えておきましょう。

p.13
長方形の紙をできるだけ大きな正方形に切り分ける問題では、なぜ最大公約数を求めれば解けるのか理屈を説明できるようにしましょう。「たてと横をどちらも余りが出ないように分割する」ので、たての長さと横の長さをどちらも割り切れる数、つまり公約数を考えることになります。「できるだけ大きく」とあるので、その中で一辺が一番大きくなる数、つまり最大公約数を求めれば良いということになりまね。

〔41A-12〕
p.9
最大公約数の求め方は3つでも2つのときと同じで、すべてを割れる数(=公約数)を連除法で書き出していって求めましょう。

p.11
「余り」の扱いに気を付けましょう。まず、「余りがなかったら」を考えるときに足すのか引くのか迷うことがあると思いますが、「必要ない分がプラスされている」と考えることができれば、「じゃあ余った分は引けばいい」と分かります。そして、余りを引いた数の約数を考えればいいのですが、ここで忘れがちなのが「割る数は余りより大きい」ということです。気を付けましょう。
「不足」も考え方の本質は同じです。「あといくつかあれば足りる」と考えることができれば、「じゃあ付け足してあげればいい」と分かります。余りと同様、「割る数は不足より大きい」ので気を付けましょう。

〈410-12 倍数〉
約数の単元と合わせて今後の計算の土台となる非常に重要な単元です。特に最小公倍数は今後習う分数の通分で必須のツールなので、ひとまず連除法だけでも完璧にしましょう。
偏差値50以上を目指す場合はBテキストとAテキストどちらも★3まですべて解けるようにしましょう。

〔41B-12〕
p.5
約数の個数を求めるとき、範囲が1からではなく途中から始まっているときは注意しましょう。例えば「24から80までに4の倍数はいくつあるか」という問題では、1から23までと1から80までの4の倍数の個数を求め、後者から前者を引けば範囲を24から80までで指定できます。
「(80-24)÷4+1」と解くこともできなくはないですが、これができる条件をしっかり分かっていないと痛い目を見ますし、本質を考えるのが少し大変なので、素直に下の図のような方法で解きましょう。

p.7
こちらも一方がもう一方に完全に入り込むパターンに注意しましょう。
例えば1~50までの7の倍数と21の倍数をベン図で表すと、21の倍数が7の倍数に入り込みます。21は7の倍数なので、21の倍数は当然すべて7の倍数でもあるといえます。約数のときの考え方と本質的には変わらないので、身につけましょう。
また、公倍数は最小公倍数の倍数です。覚えておきましょう。

p.9
約数の単元で出てきた連除法です。最大公約数、最小公倍数どちらもこれを利用して解くので、反復練習して身につけましょう。

p.11
長方形の紙を並べて正方形にする問題です。使う長方形の紙はたてと横で長さが違いますが、それをいくつか並べることで同じ長さにするということになります。つまり、公倍数を求めればいいということですね。できる正方形の中で最も小さいものということは、公倍数の中で一番小さい、つまり最小公倍数を求めるということになります。理屈まで説明できるようにしましょう。

p.13
「▢の倍数」は▢に整数をかけた数なので、当然それは▢で割れます。例えば、3の倍数を考えてみましょう。3×7=21で、21は3の倍数です。これは当然3で割れますよね。つまり、「▢で割れる数」というのは「▢の倍数」と言い換えられます。
よって、「〇で割っても▢で割っても割り切れる数」は「〇と▢の公倍数」と言い換えられますね。
(3)では「4で割っても5で割っても割り切れる数」とあり、これは「4と5の公倍数」となります。そして、公倍数は最小公倍数の倍数なので、1から100までの間に20の倍数が何個あるか求めればいいということになります。

〔41A-13〕
p.9
3つ以上の連除法のやり方は少し特殊なことをしなければいけないので気を付けましょう。3つの数について1以外の公約数がなくても、2つの数について1以外の公約数があればそれで割っていきます。ただし、残りの一つは割らずにそのまま下におろします。ここで注意したいのは、2つの数の公約数として左に書いた数は、最大公約数を求める際には使ってはいけないということです。それもそのはずで、2つの数の1以外の公約数はもう一つの数を割り切れないからです。単純ではありますが、意識しないとミスするので気を付けましょう。

p.11 大問2
立体で考えることになりますが、長方形の紙を並べて正方形を作る問題と本質は同じです。どの辺も長さを同じにしたいので、たて・横・高さの長さの最小公倍数を求めれば一辺の長さが求まります。

p.13
兄は3段、弟は2段ずつ踏んでいくということは、つまり3の倍数と2の倍数の段をそれぞれ踏むことになります。「兄も弟も踏まなかった階段」とは、「2の倍数でも3の倍数でもない数」と言いかえられます。求め方は、まず2と3の倍数の全体の個数を求め、60から引くというやり方です。2の倍数と3の倍数の個数を求めた後、2と3の公倍数にあたる6の倍数を引き忘れないよう気を付けましょう。

〈410-13 面積の考え方①〉
今後の図形問題を解くうえで必須の単元です。正方形・長方形・平行四辺形の面積の求め方すべて必ず覚えましょう。
偏差値50以上を目指す場合はBテキストの★3までとAテキストの★2まですべて解けるようにしましょう。
偏差値60以上を目指す場合はBテキストとAテキストどちらも★3まで解けるようにしましょう。

〔41B-13〕
p.7
高さが平行四辺形の外側にあるときに高さを見つけられないという人も多いので、「高さは図形内にあるとは限らない」という考えには慣れておきましょう。

p.13
大問1
足りない部分を埋めるのか、切り分けるのであればどの向きに切るのかしっかり考えましょう。
今後習うつるかめ算で使う考え方なので、今のうちに慣れておきましょう。

大問2
重なっている四角形のたてと横の長さはどちらも紙のはばと同じなので、1辺の長さが5㎝の正方形だと分かります。あとは見方を変え、全体から二つの正方形の面積を引くという方針で考えれば解けます。

〔41A-14〕
p.11
大問2
一見右側の横の長さが分かりませんが、45°が利用できることに気が付けば解けます。


p.13
本来あるはずの正方形の残りの部分をまずは書いてみましょう。左と右で上から下までの長さは同じなので、アの長さも求まります。3つの正方形が重なっている部分は長方形で、(1)からたての長さが分かったので横の長さを求めれば(2)も解けます。

〈410-14 面積の考え方②〉
面積の考え方①と同様、必須の単元です。三角形、ひし形、台形の面積の求め方は必ず覚えましょう。
ちなみによくありがちな間違いとして、直角ではないところを高さにしてしまうのがあります。直角でなかったら高さではありません。「根拠はないけど何となく高さにみえるから」という理由で決めつけないよう気を付けましょう。
偏差値50以上を目指す場合はBテキストとAテキストどちらも★3まですべて解けるようにしましょう。

〈41B-14〉
p.5
410-07で出てきましたが、「正方形もひし形」なので、その意識はできるようにしておきましょう。また、対角線×対角線÷2はひし形限定ではなく、対角線が垂直に交わる四角形であれば使えるのでそちらも覚えておきましょう。そもそもの求め方の原理が分かっていれば苦戦することもないと思います。ちなみにこの考え方は後々の図形の応用問題でも使うことがあるので、身につけておきましょう。


p.13
大問2
(1)ひし形は平行四辺形でもありました。なので、25㎝を底辺、24㎝を高さとして考えることができます。
(2)ひし形に対角線を引くと三角形4つに分けられるので、ひし形の面積÷4をすれば求まります。

p.15
頭脳トレーニングとありますが、珍しく完全に単元に関連した問題です。
(1)前述の通り、対角線が垂直で交わる四角形の面積は対角線×対角線÷2で求まります。
(2)面積が分かれば、高さを▢として面積を求める式を書いて逆算すれば解けます。

〔41A-15〕
p.11
大問1
「平行四辺形っぽいけどなんか違う…なら書き足せばいいんだ」となれるかが大事です。補助線を的確に引けるようになるには経験をたくさん積む必要があるので、反復練習を心がけましょう。
また、切り分けて考えることもできます。

大問2
全体から白い三角形の面積を引いて求められます。
また、切り取って他の所に張り付けるというパズルのような考え方もできます。明らかに直接求められない形だったら「とりあえず切り取ってみる」という意識も身につけましょう。


p.13
大問1
直接面積が求められなさそうな四角形は、二つの三角形に分割するということを意識しましょう。そして、高さが三角形の外側にあり、どんな向きをしていても底辺と高さを認識できるような視点を身につけましょう。

大問2
45°を見たら「直角二等辺三角形を作ってみよう」と思えるかが大事です。p.11大問1と同じように、延長して大きな直角二等辺三角形を作り、そこから小さな直角二等辺三角形を引けば求まります。面積を求めるうえで角度も非常に重要だということを覚えましょう。また、今回は右にも下にも延長できるので、様々な視点から図形を見れるようにしましょう。

【まとめ】

今回はどのテキストも今後の問題を解くうえで必要不可欠なものばかりです。もし今後「たくさん勉強してもなかなか成績が上がらない」ということがあった場合、今回のような土台になる単元が抜けている可能性があります。5、6年生になっても場合によっては4年生のテキストで学習することも視野に入れてみるといいと思います。
また、テスト本番では解ける問題から解くという意識は忘れないようにしましょう。順番に解かないといけないというルールはないので、柔軟に進めていきましょう。
どのように学習すれば本質的な理解ができるようになるのか、どのような学習計画を立てていけばいいか分からないなど、お困りのことがありましたらぜひご相談ください。

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T. S.

この記事を書いたのは...

T. S.

今まで別の個別指導塾で主任講師として、中学受験では4教科+適性検査型を担当してきた。自身で指揮を執り、全科目の指導、カリキュラムの作成、面談など、中学受験全般に関わることを行ってきた。授業が無い日もずっと校舎にいたため、周りからは地縛霊だとささやかれていた。

大会で何度か結果を残すくらいにはゲームが得意で、プロを本気で目指していた時期もあったが、コロナ禍と重なってしまい断念。ただ、今でも時々大会に出ているので、もしかしたらYouTubeのおすすめで私の顔が流れてくることがあるかも?

教え子の成長を見守るのが生きがいです。大人になった教え子たちと共に塾を開業するのが将来の夢です。

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