春になり、暖かい日が増えてきましたね。我々講師は受験が落ち着き、少しゆっくりできるといいなと思っておりますが、新学期の準備もあり、なかなかそうはいかないのが現状です。
皆様は春休みの旅行の計画など立てましたでしょうか。旅行はとてもいい思い出になりますし、社会勉強にもなるのでぜひたくさん行ってみてください。
さて、新学年のカリキュラムに入って1か月ほど経ちましたが、そろそろ慣れてきたころでしょうか。少しずつ特殊算が登場し、苦戦することも増えてくるのではないかと思います。後々苦しい思いをしないためにも、春休みなどの空いた時間を有効活用し、コツコツ苦手はつぶしておきましょう。
【テストの概要】
〈制限時間:50分〉
〈満点:150点〉
〈過去の平均点〉
2022年:87.8点
2023年:95.5点
2024年:96.8点
〈試験日〉
3月27日(木)または3月28日(金)
〈試験範囲〉
41A-01:わり算
410-01:大きな数
410-02:角と角度①
410-03:植木算
410-04:場合の数
410-05:総合(01~04)
〈はじめに〉
こちらの記事ではテキストの問題を具体的に解説しています。お手元に該当のテキストとその解説をご用意いただき、この記事と照らし合わせる使い方が一番効果的だと思いますので、ぜひご活用ください。
各テキストの「頭脳トレーニング」、「入試問題に挑戦」は特に触れなくても問題ありません。単元の内容をしっかりこなしていきましょう。分からなかった問題はテキストの解説及び授業で板書した解説をしっかりと読み、解き直しを必ずしましょう。
また、計算力コンテストは欠かさず訓練してください。偏差値50を目指す人は(1)~(30)まで、それ以上を目指す人は(50)まですべて解きましょう。
そして、計算ミスの直し方について詳しく載せているので、こちらをご参照ください。
〈41A-01 わり算〉
計算の土台となる基礎のうちの一つです。わり算の筆算の書き方は完璧にしましょう。特に、真っすぐ縦に数字を並べるのは今のうちにしっかり意識しましょう。
わり算の計算であればネットの無料教材や書店の計算ドリルなどで簡単に手に入りますので、それで演習をこなしていきましょう。
偏差値50以上を目指す場合はp.11まで、偏差値60以上を目指す人はすべて解けるようにしましょう。
〔41A-01〕
p.13
虫食い算といわれる問題です。はっきりとした公式がなく、論理的思考が重要になる問題です。
「一の位が4になるのは何をかけたときか」「引き算が成立するためにあり得る数はどれか」など、入る数の候補を絞るのが重要になってきます。
〈410-01 大きな数〉
このテキストで登場する十進法という概念は、5年生で習うN進法の土台になるので頭に入れておくといいでしょう。名前は聞き馴染みがないかもしれないですが、小学校2年生あたりで学ぶ「百の位」などがまさにそれにあたります。概念としては決して難しくないので、完璧にしておきましょう。
偏差値50以上を目指す場合は★3まですべて解けるようにしましょう。
〔41B-01〕
p.11
3▢▢2として考えるのではなく、▢▢の部分だけで考えましょう。そうすれば
(1)
99を入れる→3992
(2)
00を入れる→3002
と分かります。
(3)
▢▢が49よりも小さくなればいいので、00~48を考えればいいですね。ただし、個数には気を付けましょう。0も含むので、48+1=49より、49個となります。
(4)
25より大きく、87より小さい数を考えればいいので、26~86で考えればいいですね。
よって、86-26+1=61より、61個となります。
+1を忘れないよう気を付けましょう。
〔41A-02〕
p.13
(1)
一の位を2で固定すると、▢2という数を考えることになります。▢に入るのは0~9の10通りです(02は2として考えます)。
次に、十の位を2で固定すると2▢という数を考えることになります。▢に入るのは0~9なので10通りです。したがって、10+10=20の20枚です。
(2)
桁数ごとに考えます。
1ケタ→1~9の9通りで、9枚
2ケタ→10~99の90通りで、2×90=180より、180枚
100→3枚
よって、9+180+3=192より、192枚となります。
この問題はケタばらしと呼ばれるもので、マイナー寄りな問題として入試でも出題されることがあります。計算の工夫、比と割合、平面図形などの中学受験算数における最重要単元と比べたら重要度は高くないので、優先して解く必要はありません。
〈410-02 角と角度①〉
こちらは中学受験としてではなく、教養として必要な単元です。算数はもちろん、他の科目でも登場する概念なので、完璧に理解できるようにしましょう。テキスト内の太字で登場する用語も定義まで覚えておきましょう。
偏差値50以上を目指す場合は★3まですべて解けるようにしましょう。
〔41B-02〕
p.9
大問2
外角一つの大きさは、その外角に対応する内角以外の内角の和に等しいという考え方を用いる問題です。いわゆるスリッパと呼ばれる形です。これを知らなくても問題は解けてしまうので課題点としてスルーされがちな考え方ですが、知っていれば計算を効率化できるので必ず習得しましょう。
p.11
錯角、同位角、対頂角を駆使して解く問題です。これらの考え方はこれからより難しい問題を解いていくうえで土台となるので、しっかりできるようにしましょう。
p.13
解説にある通り、なぜそうなるのかを理解したうえで、多角形の外角の和が360度であることは覚えておきましょう。
〈410-03 植木算〉
春期講習で登場する「等差数列」の考え方の土台になる単元です。なぜその式になるのか理屈を理解したうえで使いましょう。
偏差値50以上を目指す場合は★2まで、偏差値60以上を目指す場合は★3まで解けるようにしましょう。
〔41B-03〕
意外と分からないままにしてしまわれがちな「道路の片側」の意味ですが、画像のように道路の両側にある空間の一方を意味します。言葉の意味が分からずに解いている人もいますので、しっかり意味を言葉で説明できるようにしましょう。
p.3
まずは間の数がいくつになるか考えます。
48÷6=8より、8個ですね、
間が8個あるということは、その間の数を作るのに必要な木は
8+1=9より、9本となります。
また、▢や逆算を使って解く方法もあります。
この問題を解く前に一つ例題を考えてみましょう。
例.道路の片側に木を15本、4mずつ植えるとはしからはしまで何mになりますか?
一番多い間違いは
4×15=60で60mという解答です。
例えば間をあけて鉛筆を3本並べてみましょう。
| | |
間の数は3個ですか?2個ですよね。何本並べても間の数は「本数-1」になるはずです。
例題に戻りますが、15本の木があるので間の数は15-1=14より、14個となります。よって端から端まで、4×14 =56より、56mとなります。
一直線に木などを並べたときのはしからはしまでの距離の求め方を公式にすると、
間の距離×(本数-1)=端から端までの距離
となります。理屈を理解したうえで公式を覚えましょう。
それでは本題の大問1に戻りますが、今回は木の本数が分かっていません。算数において分からない数は▢などに置き換えて解くのが非常に有効になります。
今回は、
6×(▢-1)=48
という式が立てられるので、逆算して▢=9より、9本と分かります。
p.5
大問1
6×(7-1)=36より、36mです。
p.7
間の数は6-1=5より、5個です。
端から端まで30mなので、間の距離は30÷5=6より、6mです。
逆算を使う場合、間の距離を▢とすると
▢×(6-1)=30となり、
▢=6となります。
p.9
一周させる場合、間の数は木の本数に等しくなります。一直線に植えるより式は単純ですね、
p.11
すでに端にものが立ててあるパターンです。
間の数は32÷4=8より、8個です。今回、すでに端に電柱が立っているので必要な木の本数は7本となります。
逆算で解く場合、木の本数を▢とすると
4×(▢+2-1)=32
となります。+2とは電柱の本数のことです。計算すると結局は
4×(▢+1)=32
となります。よって、▢=7より、7本と分かります。
p.13
大問1
「道の両側」という言葉が出てきましたが、難しく考える必要はありません。今までと同様に片側を考え、それを2倍すれば解けます。
大問2
(2)
切った回数とできる木材の関係を、まずは小さな数で考えるといいでしょう。
―――――――
この棒を2回切ると
―― ―― ――
このように3本になります。つまり、できる木材は切った回数+1と分かりますね。
このように、初めて見るような問題でもまずは小さな数で具体的に法則を考えるということが今後非常に重要になってきます。
(3)
切る回数は7回なので7と答えてしまう人が多いですが、最後の1回は切り終わった時点で終了なので休憩をしません。つまり7-1=6で6回です。
(4)
「切って休む」を1セットとすると、1セットで6+1=7より7分かかります。切るのは7回ですが、最後の1セットは休憩がないので、
7×7-1=48より、48分となります。
〔41A-04〕
p.13
どちらも「運んで休憩する」までを1セットとしましょう。
・あやさんについて
5冊運んで休憩する→1回休むというセットなので、
2×5+7=17より、1セットは17分です。
100冊運ぶには、
100÷5=20より20セット必要ですが、運び終わったら最後の休憩は必要ないので、
17×20-7=333より、333分かかります。
・みきさんについて
10冊運んで休憩する→1回休むというセットなので、
3×10+5=35より、1セットは35分です。
100冊運ぶには、
100÷10=10より10セット必要ですが、運び終わったら最後の休憩は必要ないので、
35×10-5=345より、345分かかります。
よって、あやさんの方が12分早く仕事を終えます。
〈410-04 場合の数〉
受験生の多くが苦手とする単元です。今回は樹形図と表での解き方を学びますが、書き方が確立しておらず、「何となく合っていた」「なんか不正解だった」でしっかり理解できないままにしてしまう人が多くいます。
今回のテキストは、難易度としては決して高いわけではないので、この最初の段階で間違えない方法を確立しておきましょう。
偏差値50以上を目指す場合は★2まで、偏差値60以上を目指す場合は★3まで解けるようにしましょう。
〔41B-04〕
p.3
大問2
樹形図の書き出しでミスするポイントは主に2つです。
①被っているものもカウントしてしまう
②縦をそろえて書かないせいで、数えづらくなる
という点です。
②については上に書いてある数字に合わせて書けばいいだけですが、①については具体的にどうするべきかというと、必ず左から順番に書き出していきましょう。言葉だけだと伝わりづらいので画像を貼ります。
悪い例では、ランダムに書き出してしまっている影響で、作れない組み合わせ(313、344など)を書いていたり、書き出し漏れが起きたりしています。また、数字が縦に揃っていないせいで、非常に数えづらくなっています。
場合の数がよくわからないままになる原因として、この書き方でも正解してしまうことがあるということが挙げられます。誤った成功体験をしてしまうため、思考の過程で何がよくないのか気づけず、自身で改善するのが難しくなってしまうんですね。
どの教科、単元でもそうですが、「答えが合っていたから良い」という思考にはならないよう気を付けましょう。
良い例では矢印のように、数字が必ず左から選んだ順に並んでいます。また、気づいた人もいると思いますが、百の位がどの数になってもすべて6個ずつ作れます。つまり、6×4=24で24個とすることもできます。
p.5
0がある場合は気を付けましょう。3桁の数を作る場合、百の位に0は使えないということをしっかり理解しましょう。
p.7
大問1
同じカードが存在するパターンですが、先ほど「左から書き出すのが重要」と書きましたが、同じものがある場合はそのまま右に行かず、もう一度その数を選べば大丈夫です。
112、113、122、123...のようになります。
大問2
大問1のように解きますが、百の位に0が使えないことだけ注意して書き出しましょう。
p.11
大問2
すべてのパターンを書き出さずに解く方法があるので使ってみてください。
今回、どの硬貨も枚数制限がないので、例えば50円玉を1枚減らして合計金額が50円下がったとしても、10円玉で補填できます。
書き出す際は、合計金額を超えないように注意しつつ、金額が大きいものから最大の枚数を書き出します。表にすると次のようになります。
10円玉の枚数については、必ず390円になるように枚数を用意できるので書き出しません。あとは100円玉が3枚、2枚、1枚、0枚のときの50円玉の枚数のパターンを考えればよいですね。
2+4+6+8=20より、20通りとなります。
〔41A-04〕
p.11
大問1
枚数制限があると上記の省略して書く方法は使えないので、漏れのないよう書き出しましょう。
〈410-05 総合(01~05)〉
ここまでのテキストで登場した内容の復習が中心ですが、新しいパターンの問題もあるので注意しましょう。
偏差値50以上を目指す場合は★2まですべて解けるようにしましょう。
p.7
大問2
平行線に対してジグザグな線がある場合、その線の頂点を通る平行線を書き、同位角や錯角を利用して解くのが定石となります。ちなみに(1)(2)どちらも★2だと思っていただいて大丈夫です。
p.13
多角形の内角の和です。このように三角形何個分に分けられるか考えると、N角形の内角の和は
180×(N-2)で求めることができるので覚えておきましょう。
【まとめ】
4年生になり初めての復習テストです。本格的に中学受験の内容に入り、対策が必須になってくるのでこれから頑張っていきましょう。習う単元一つ一つが今後難しい問題を解いていくうえでの土台となるので、日々の学習を怠らないようにしてください。
理解した問題でも人間なので忘れていってしまいます。何度も繰り返し反復し定着させていきましょう。