夏、暑すぎますね。私は毎日体が融けそうになっています。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。とにかく熱中症にならないよう気を付けてください。体に異変を感じたらすぐに対処しましょう。そしてエアコンはしっかり付けましょう。
さて、長期休暇中はどうしてもダラダラ過ごしてしまいたくなりますが、勉強習慣はしっかり付けましょう。長いように見えた夏休みももうすぐ終わりです。今回のテストは夏期講習のテキストだけで14冊分でしたが、溜め込んでしまっていませんか?前期の復習回が多いものの、発展的な内容に取り組むので一筋縄ではいかないものも多いでしょう。
とにかく毎朝15分だけでも計算問題を解く、宿題は漏れなく丸付けと直しをしっかりする、これをこなすだけでも十分です。残った時間で思う存分遊んでください。
【テストの概要】
制限時間:50分
満点:150点
直近3年の平均点:80点くらい
試験日:8月27日(火)または28日(水)
基礎力トレーニング7月号
〈試験範囲〉
N41-01:平面図形①
N41-02:平面図形②
N41-03:約数
N41-04:倍数
N41-05:規則性
N41-06:小数
N41-07:分数
N41-08:文章題①
N41-09:立体図形①
N41-10:立体図形②
N41-11:場合の数①
N41-12:文章題②
N41-13:立体図形③
N41-14:場合の数②
【各テキストのポイントとテスト対策】
〈はじめに〉
各テキストの頭脳トレーニングは特に触れなくても問題ありません。単元の内容をしっかりこなしていきましょう。また、計算力コンテストは欠かさず訓練しておきましょう。偏差値50を目指す人は(1)~(30)まで、それ以上を目指す人は(50)まですべて解きましょう。
また、前編では
N41-01:平面図形①
N41-02:平面図形②
N41-03:約数
N41-04:倍数
N41-05:規則性
N41-06:小数
N41-07:分数
の解説をしていきます。それ以降は後編をご覧ください。
〈N41-01 平面図形①〉
411-02、H41-02、411-07の角度に関する問題の復習回になります。錯角、同位角、対頂角や三角形の内角、スリッパ型など忘れていないか必ず確認しましょう。
SAPIXから出ている「ベイシック 基本60題4 平面図形1」で演習ができるので、うまく利用できるとより効果的です。
偏差値50以上を目指す場合は★2まで、偏差値60以上を目指す場合は「入試問題に挑戦」を除く★3まですべて解けるようにしましょう。
p.7
大問1
平面図形の問題を解く上で非常に重要な要素がいくつかあります。その中でも「同じ角度、同じ長さ」は最も重要だと言っても過言ではありません。なぜなら二等辺三角形や正三角形、正方形など特徴的な図形が見つかる可能性が高く、そこから連鎖的により多くの情報が分かるからです。ただし、「同じっぽいから」という理由だけで問題を解くのは絶対にやめましょう。必ず根拠を持って解くようにしてください。
今回のような折り返し問題はまさに「同じ角度、同じ長さ」の宝庫です。初めのうちは解答に関係のない情報でもとりあえず必ず分かる情報は書き込んでいきましょう。もちろんそうすると図が見づらくなるので、慣れてきたら必要な情報だけを精査できるように訓練しましょう。
大問2
「あ」の角度を求める際、180-(30+90)ともできますが、直角三角形の場合、残りの角度の合計は90°です。よって、初めから90-30とすればより速く角度を求めることができます。必ず習得しましょう。
p.9
大問1
多角形の内角の和の求め方です。任意の頂点1つから各頂点に対角線を引いてみると、3つの三角形になります。三角形の内角の和は180°なので、この五角形の内角の和は180×3=540で540°となります。
同様に考えていくと、六角形は4つの三角形、七角形は5つの三角形…というように分けられます。
つまり、正N角形の内角の和は(N-2)×180で求められます。覚えておきましょう。
大問2
5つの三角形に分けて考える場合は、三角形5つ分の角度の合計から中心の360°を引くことで求められます。180×5-360=540で540°となります。
p.11
大問2
(1)
正多角形は円に接しており、中心から各頂点に結んだ線は円の半径となります。よって、三角形AOFはAO=FOの二等辺三角形と分かります。また、三角形AOFは正六角形を六等分したうちの1つなので、角AOFは360÷6=60より60°となります。
60°の角がある二等辺三角形は正三角形ですね。
(2)
内角の和は(6-2)×180=720より、720°です。正多角形の場合、内角の大きさはすべて等しいので720÷6=120より120°となります。
(3)
正多角形はすべての辺の長さが等しいので、三角形BCDはBC=DCの二等辺三角形です。角BCDが120°なので、アの大きさは(180-120)÷2=30より30°となります。
p.13
ひし形の折り返しということで、同じ長さがたくさんありますね。とにかくまずは同じ長さの直線を見つけたら記号を付けましょう。もちろん同じ角度もたくさんありますので、そこが整理できれば問題ありません。
〈N41-02 平面図形②〉
411-13、411-14の面積に関する問題の復習回になります。台形、平行四辺形、長方形、ひし形、正方形、三角形の面積の求め方が怪しい人は必ず完璧にしましょう。また、この回では新たに等積変形を学習します。今後の複雑な図形問題を解く上で必須の考え方なので、しっかり身につけましょう。
N41-03と同様に、こちらも「ベイシック 基本60題4 平面図形1」で演習できるので活用していきましょう。
偏差値50以上を目指す場合は★2まで、偏差値60以上を目指す場合は「入試問題に挑戦」を除く★3まですべて解けるようにしましょう。
p.7
等積変形が成立する根拠を理解しましょう。2つの平行な直線上に底辺が同じ三角形を作ると、底辺と高さが同じになります。どんな形であっても、底辺と高さが同じなら面積も同じになりますよね。
こちらは理論的な考え方で、それを理解したうえで感覚的な考え方も身につけるとより良いでしょう。
ここに二つの三角形があります。頂点をつまんで平行な直線上をビヨヨヨ~ンとするとピッタリ一致しますね。大問2の(1)のような図形の場合に特に使えるので、この感覚も身につけましょう。
(2)に関しては、二つの三角形に分け、一方をひっくり返して考えると(1)と同じようになります。そもそも、高さを▢とすると台形と三角形の面積が同じとあるので、
(4+8)×▢÷2=イ×▢÷2
という式が立てられます。×▢÷2の部分は同じなので、12=イとなりますね。
(3)も同様に考えると、
(5+9)×▢÷2=(8+ウ)×▢÷2
という式が立てられるので、14=8+ウとなり、ウは6cmと分かります。
p.9
大問1
p.7での計算からも分かる通り、高さが同じ場合、面積の大小に影響するのは底辺の長さ及び上底と下底の和です。ウは平行四辺形ですが、平行四辺形は上底と下底の長さが同じ台形として考えられるので、結局その和を考えればいいということになります。これは長方形や正方形でも同じです。
それぞれの底辺及び上底と下底の和は左から5、9、8、6なので、大きい順に並べるとイ、ウ、エ、アとなります。
大問2(1)
三角形と台形の面積が同じということは、底辺の長さと、上底と下底の和が同じということです。台形ABCDの上底と下底の和が30cmなので、その半分の長さを考えればいいということですね。よって、30÷2=15より、15㎝が答えになります。(2)も同様に考えれば解けます。
p.11
(3)縦に平行であっても考えることは同じです。1回等積変形をしただけだと形としてはまだ分かりづらいので、もう一度等積変形をすればできるようになります。変形させた形は解説をご参照ください。
p.13
大問1
(1)
三角形ABCと三角形DBCは等積変形により面積が同じですね。アの面積は三角形ABCから三角形EBCを引けば求まります。その際、分配法則が使えるので意識しましょう。
(2)
三角形ABCと三角形DBCの面積は等しく、三角形EBCは共通しています。同じ大きさ同士のものから同じものを引くので、当然その答えも同じになります。よって、アとイの面積は等しくなります。
大問2
大問1と同様に考えます。三角形ACEと三角形DCEの面積は等積変形により等しく、三角形ACFと三角形DFEの面積は同じです。三角形FCEは共通の部分なので、三角形ACFと三角形DFEの面積の大きさは等しくなります。
三角形DFEの面積も24㎠なので、CEの長さを▢cmとすると8×▢÷2=24となるので、▢=6となります。
〈N41-03 約数〉
411-11の復習回です。ここでは新たに素因数分解が出てきます。そこまで難しい考え方ではないので、必ず習得しましょう。
偏差値50以上を目指す場合は★2まですべて解けるようにしましょう。
p.5
素数で割っていく方法ももちろん重要ですが、もっと大きい数で割れるのであればそのほうが速くなります。例えば72の素因数分解は下の図のようにできますが、
72=8×9と考え、8=2×2×2、9=3×3から、2×2×2×3×3とすればより速く求められます。
また、1200のように0が何個かくっついている場合、×10が1個あると0が一つ増えるので、逆に言うと0の個数だけ×10があります。そして×10は×2×5ですよね。
なので、「1200を5で割って..」とやるのではなく、真っ先に2×5×2×5を考え、残りの12だけを素因数分解した方が圧倒的に速いですね。
つまり、1200=2×5×2×5×2×2×3=2×2×2×2×3×5となります。
p.11
41A-12のp.11の復習です。「余り」の扱いに気を付けましょう。まず、「余りがなかったら」を考えるときに足すのか引くのか迷うことがあると思いますが、「必要ない分が余っている」と考えることができれば、「じゃあ余った分は引けばいい」と分かります。そして、余りを引いた数の約数を考えればいいのですが、ここで忘れがちなのが「割る数は余りより大きい」ということです。気を付けましょう。
大問2
余りと不足を除いて考えます。りんごは余った6個がなければ割り切れるので34個として考え、なしの85個と合わせて34、85の公約数を考えればいいということになります。最大公約数は17なので、公約数はその約数である1、17です。今回、りんごの方で余りが6個とあるので、人数はそれより大きくなります。よって、答えは17人です。
p.13
「不足」も考え方の本質は余りと同じです。「あといくつかあれば足りる」と考えることができれば、「じゃあ付け足してあげればいい」と分かります。余りと同様、「割る数は不足より大きい」ので気を付けましょう。
大問2
ノートは余った8冊がなければ割り切れるので84個、えんぴつはあと3本あれば割り切れるので126本とし、84と126の公約数を考えればいいということになります。最大公約数は42なので、公約数は1、2、3、6、7、14、21、42です。今回、ノートの方で余りが8冊とあるので、人数はそれより大きくなります。よって、答えは14人、21人、42人です。
〈N41-04 倍数〉
411-12の復習回です。p.11の問題は41A-16のp.13の問題の類題です。倍数の範囲やベン図の扱い方など覚えているでしょうか。詳しくはこちらの記事をご参照ください。
偏差値50以上を目指す場合は★2まで、偏差値60以上を目指す場合は「入試問題に挑戦」を除く★3まですべて解けるようにしましょう。
p.13
4個ずつ分けたら3個入りの袋が一つできたということは、あめ玉があと1個あれば4個入りになったということなので、「1個不足」と言い換えられます。
同様に、5個ずつ分けたら4個入りの袋が一つできたということは、あめ玉があと1個あれば5個入りになったということなので、こちらも「1個不足」と言い換えられます。
つまり今回問われているのは、「4で割っても5で割っても1不足する数=4と5の公倍数ー1」です。
大問1
(1)
4と5の公倍数-1とはつまり20の倍数-1を表します。20の倍数というのは20ずつ足していくことになるので、ある20の倍数とその次の20の倍数の差は当然20ですね。ということは、ある20の倍数-1とその次の20の倍数-1の差も20になります。
初めの数は20-1=19なので、20ずつ足していけばいいですね。よって、答えは19、39、59となります。
(2)
まずは20の倍数-1で200に近い数を考えます。200÷20=10より、20×10-1=199。あとは20ずつ足していき、219、239、259、279、299の中で今回の条件を満たすものを探せば解けます。
〈N41-05 規則性〉
H41-03の復習回です。ここでは新たに三角数が出てきます。とはいえ、全く新しい考え方ではないので、等差数列の基礎ができていれば特に問題はありません。
偏差値50以上を目指す場合は★2まで、偏差値60以上を目指す場合は「入試問題に挑戦」を除く★3まですべて解けるようにしましょう。
p.3
等差数列の□番目を求める公式とその理屈は覚えていますか?同じ数ずつ増えていくので、初めの数に、□番目まで何回同じ数を足したかを求めればいいということになります。何回足すかについては、□番目までに間が何個あれば分かればいいので、□-1と分かります。よって、
等差数列の□番目の数=最初の数+共通の差×(□-1)
となります。公式の丸暗記だけは絶対に避けましょう。
大問2
(1)
(2)
また、この問題のように「その数が何番目か」を問われたとき、それを求める式を自分で作って間違える人がよくいますが、知っている式を使って逆算を解くだけという意識は非常に重要です。逆算は受験において最重要ツールの一つだと私は考えていますが、まさにこれが理由です。何番目か分からないので、そこを□と置くだけで大丈夫です。
p.5
等差数列の和の公式も覚えていますか?
等差数列の□番目までの和=(初めの数+最後の数)×□÷2
です。なぜこの式になるかは以下の画像をご参照ください。
p.9
点を正三角形の形に並べていった時の点の和、数字にすると1+2+3+・・・のような、1から始まり共通の差も1になっている等差数列の和のことを三角数といいます。今回は1段なら1個、2段なら1+2個、3段なら1+2+3個となっているのが分かりますね。つまり、□段の三角形を作るのに必要なご石の数は1+2+・・・+□になっていると分かります。
大問1
(3)
書き出しても解けるのですが、それだけだともっと大きな数で問われたときに対応できなくなってしまいます。
1+2+・・・+□として考えると、この和は(1+□)×□÷2という式になります。
(1+□)×□÷2=66より、(1+□)×□=132となります。
132の約数を考えると、□に当てはまるのは11と分かりので、「11段」が答えになります。また、約数をすべて書き出すのではなく、(1+□)と□の関係が連続して並ぶ整数の関係になっていることから、約数の中でもお互いに近い数だけを考えればいいということです。
p.11
1+3+5+・・・のような1から始まる奇数の和に関しては、等差数列の和の公式を使わずもっと簡単に解くことができます。下の図のように、周りを囲うようにご石を並べていくと、どの層も正方形になっていることが分かります。例えば4層目までの和は4×4=16となっていますね。
つまり、
□番目までの和=□×□
となります。
今回の問題は1段なら1個、2段なら1+3個、3段なら1+3+5個となっているので、上の考え方が使えます。それが分かれば計算自体はとても簡単ですね。
また、同じ数を2回かけたものを平方数といいます。最低でも19×19までの平方数は覚えておきましょう。
p.13
まずはどんな規則性があるか書き出して表で整理してみましょう。「とりあえず解き方が分からなくても分かるところまでは書き出してみる」というのは、勉強はもちろんそれ以外の分野でも今後ずっと必要になってくるので、普段から訓練しておきましょう。
また、今回の場合は毎回ご石を一つずつ数えるのではなく、増えた分だけに注目してみましょう。さらに増えた個数に関しても、ただ数えるのではなく、計算で求められないかまずは考えましょう。
今回は差の部分が等差数列になっている、階差数列というものです。10番目までに間の数は9個あるので、初めの数に、間の数の等差数列の和を足せばいいということになりますね。
〈N41-06 小数〉
小数の足し算、引き算、かけ算です。特に難しい内容ではないですが、できないと今後に大きく響く単元です。書店やネットで計算ドリルはいくらでも手に入るので、必ず完璧にしておきましょう。小数点の移動の仕方が理解できていない人が意外といるので、できないままにしておくのは避けましょう。意識するのは「合計で小数点が何個分動いているか」だけです。必ずできるようにしましょう。
目指す偏差値に関係なく、「入試問題に挑戦」を除く★3まですべて解けるようにしましょう。
p.13
「整数での問題ならできるのに小数になるとできない」という人がいますが、整数のときにどのように式を立てていたかを考えるだけで大丈夫です。ただ数字が違うだけだということさえ理解できれば問題ありません。
〈N41-07 分数〉
411-16の復習回です。新たに分数の足し算が出てきますが、特に難しい内容ではないです。ただ、こちらもできないと今後に大きく響く単元です。書店やネットで計算ドリルはいくらでも手に入るので、必ず完璧にしておきましょう。
偏差値50以上を目指す場合は「入試問題に挑戦」を除く★3まですべて解けるようにしましょう。
p.11
帯分数のまま足し算・引き算をできるようにしましょう。帯分数にも繰り上がり、繰り下がりがあり、最初は少し慣れないかもしれませんが必ず習得してください。
また、「帯分数は数学になると使わないし全部仮分数でやらないといけない」という人がよくいますがそんなことは全くありません。実際、数学のルール上帯分数の表記法自体は使えませんが、例えば2と4/5なら「2+4/5」とすれば本質は全く同じです。
ではどういうときに帯分数の考え方を使うかという話ですが、整数部分と分母の数が大きいときです。大問2の(7)がまさにそうで、まず仮分数に直して通分なんていう解き方をしていたら日が暮れてしまいます。なので、もし「帯分数なんて将来使わないよ」と言われたら使い道を教えてあげてください。
p.13
大問1
分母を24に合わせれば解けますね。
大問2
(2)
どんな数なら約分できるかを考えます。今回のように全体が少なければ書き出しても解けますが、もっと範囲が大きくなると対応できません。なので、素因数分解を用いて以下の解き方③のように解けば、数え上げをせずに解くことができます。
【まとめ】
以上が8月マンスリー対策前編になります。復習内容が多い今回のマンスリー、前期にどれだけしっかり学習できていたかで取り組みやすさが変わってきたことでしょう。「前に習った内容だから忘れてしまった」とならないよう、日々の反復が大事です。基礎トレも欠かさず取り組んでください。
8月マンスリー対策後編もぜひご覧ください。
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