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SAPIX4年生 5月度マンスリーテストはどう対策する?算数編 Column

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SAPIX4年生 5月度マンスリーテストはどう対策する?算数編

2024.04.30

新学期が始まって約1か月が経ちました。今年のゴールデンウィークは最大10日となっているため、旅行などの予定を入れている方も多いのではないでしょうか。
日々の勉強も大切ですが、全力で遊ぶことも大切です。ただし、今回のテストはゴールデンウィーク明けにあるので、遊びとテスト対策を両立してメリハリをつけて過ごしましょう。

【テストの概要】

制限時間:50分
満点:150点
平均点:90点弱になることが多いですが、年度によっては70点台前半になるときもあります。
試験範囲:41H-01~05、410-06~10、基礎力トレーニング4月号
※実施日が年度によって4月末か5月初めかになるので、「4月度マンスリー」と「5月度マンスリー」で名前が異なりますが、範囲は同じです。

【各テキストのポイントとテスト対策】

〈はじめに〉
各テキストの頭脳トレーニングは特に触れなくても問題ありません。単元の内容をしっかりこなしていきましょう。また、計算力コンテストは欠かさず訓練しておきましょう。偏差値50までを目指す人は(1)~(30)まで、それ以上を目指す人は(50)まですべて解きましょう。

〈410-06 計算のくふう〉
計算の順序、分配法則、数字のキリがよくなるような工夫、逆算など、今後の算数力に大きく繋がってくる非常に重要な単元です。工夫ができるか否かで問題を解くのにかかる時間が何倍も変わります。
「答えが合っていたからOK」で終わらず、途中式で遠回りな計算をしていなかったか必ず確認しましょう。また、25×4=100、125×8=1000はよく出るので覚えておきましょう。今後習う分数の単元でも必要な知識です。
偏差値50以上を目指す場合は41B-06の★3まですべて解けるようにしましょう。

〈410-07 図形のせいしつ〉
平面図形問題の土台となる、二等辺三角形、正三角形、台形、平行四辺形、ひし形、長方形、正方形、円の性質について学ぶ単元です。図形の性質から平行線、同じ角度、同じ長さをスムーズに意識できるようにしましょう。
また、41B-07のp.5大問2に円の中心と円周上の2点を頂点とする二等辺三角形が出てきます。同じ円の半径はどれも長さが等しいということは分かっていても、それを利用して二等辺三角形ができるという意識は薄くなりがちなので押さえておきましょう。
偏差値50以上を目指す場合は41B-07の★3まですべて解けるようにしましょう。

〈410-08 和差算〉
様々な単元で利用する機会が出てくる非常に重要な単元です。問題文の条件に従って正しい線分図を書けるようにしましょう。
「線の長さを均等にするには何を足す、または引けばよいのか」を考えられるようになれば、線分図が何本になっても対応できるようになります。
「図できれいに整理する」ことは今後も重要になってくるので、怠らないようにしましょう。
偏差値50以上を目指す場合は41B-07の★2まですべて解けるようにしましょう。

〈410-09 規則性 〉
太さを考える輪を繋げていったときの長さを求める問題では、何を基準に規則性を考えればいいのか分からなくなりやすいです。まずは同じ長さのテープをのりで貼っていく問題で練習してみましょう。新たに増加する長さは「テープの長さ-のりしろ」になります。(「テープとのりしろ」問題は様々な中学受験算数の教材で扱われているので、別の教材などで解いてみてください。)
これが等差数列であることが理解できれば、輪を繋げていく問題でも厚みのある部分をのりしろとして考えることで同じように解けます(解法①)。新しい単元では身構えてしまうことも多いと思いますが、すでに春期講習で学習した内容と本質は同じであるということが分かれば、気も楽だと思います。

解法は他にもあります。まず輪の長さを、“のりしろ“を無視してそのまま個数分求めてから、のりしろの長さを個数分だけ引けば求めることができます(解法②)。のりしろの個数は繋げた輪の個数-1ですが、これは植木算と同じですね。

また、のりしろを除いた「輪の内側の全長」だけを個数分足してから、最初と最後の厚み部分を足して求めることもできます(解法③)。

どの考え方でも解けるようになるのが理想ですが、最低でもどれか一つ解き方をマスターしましょう。
偏差値50以上を目指す場合は41B-09の★2を偏差値60以上を目指す場合は★3まですべて解けるようにしましょう。

それぞれの解法はこちら

〈H41-01 およその数〉
切り上げ・切り捨て・四捨五入のやり方も重要ですが、この単元の本質は「計算結果は大体このくらいかな」という見積もりができるようになるかというところにあります。たとえば24×18=332とミスをしていたとします。ここで「20×18=360だから、20より大きい24をかけているのに答えが360より小さいのはおかしい」と気付けるとケアレスミスを大きく減らせます。桁が多くなるほど計算ミスも起きやすくなるため、概算ができるようになることを目標として学習しましょう。

「概数の範囲」は苦戦する人はかなり多い内容です。「以上・以下」は何となく理解できても、「~より大きい・未満」は本質的には「極限」の概念の理解が必要となります。さらにその理解に必要不可欠な小数もまだ習っていないので、4年生前期の段階では無理して理解しようとしなくても問題ありません。小数をしっかり理解できるようになってからもう一度学習し直しましょう。
偏差値50以上を目指す場合はH41-01の★2(がい数のはんい以外)まですべて解けるようにしましょう。

〈H41-02 角と角度②〉
「角と角度①」で学習した「平行線の錯角・同位角」や「対頂角」、「三角形の外角」の復習、二等辺三角形の角度の単元です。今後の平面図形問題の土台となっていく非常に重要な単元です。
まずは問題を見て悩んでしまわないよう、錯角・同位角の形を頭に叩き込みましょう。それができれば線が多くて複雑そうな角度の問題でも、必要な情報だけに注目して解けるようになります。

三角形の外角ではスリッパ形を意識しましょう。「180°から内角の合計を引いて、それを180°から引く」という解き方では時間がかかってしまいます。必ず確認しましょう。

また、折り返しの問題では41B-07で言及したことと同様に、平行線、同じ長さ、同じ角度の意識が重要になります。一つ一つ的確に情報を書き込んでいくことが、今後の平面図形問題を攻略する一つのカギになります。
偏差値50以上を目指す場合はH41-02の★2(応用問題以外)まで、偏差値60以上を目指す場合はさらに応用問題まで解けるようにしましょう。

〈H41-03 数列・周期〉
規則性を考える問題で土台となる非常に重要な単元です。

周期ではまず何個ずつ同じ数字の並びが繰り返されているか、よく見ましょう。1周目で早とちりをしてミスをすることがあるので、本当に同じ並びになっているか、2か3周目まで確認しましょう。
また、たとえば「2、0、2、5」の4個で1周する並びを50個並べた時の最後の数字を求めるような問題では、計算式自体は50÷4=12・・・2となりますが、それぞれの数字が何を表しているのか、初めのうちは単位まで書く練習をしましょう。これが意識できないと答えを「2」と書いてしまい、何が違うのかもわからなくなってしまいます。50は並べた数字の個数、4は1周に含まれる数字の個数、12は周期の数、2は12周してからさらに余分に進んだ個数を表します。なので、この「2」は50番目の数字そのものではなく、「2、0、2、5」の2番目にあたる、「0」を指すとわかります。よって、答えは「0」です。

数列では41B-03で学習した植木算の解き方を利用するということは必ず理解しておきましょう。そしてその植木算において、木が等間隔で一直線に並んでいるときに、端から端までの長さ=木と木の間の長さ×(本数-1)となりますが、なぜ-1が出てくるのか理屈で説明できるようにしましょう。「公式にそう書いてあったから」という覚え方はしないよう気を付けてください。植木算を理屈から理解すれば、等差数列の公式の意味も根本から分かるようになります。
等差数列の和では、並べ方を反対にしたものを元の式に足して解く方法(解法①)と、両端から二個一組で組んでいく方法(解法②)があるので、よりしっくり来る理屈を選んでください。公式は同じになるので、どちらがいいかは個人の好みになります。

ちなみに、H41-03のp.3に出てくる三角数、平方数、フィボナッチ数列も後々覚える必要はありますが、今回は他の内容を優先してしまって大丈夫です。
偏差値50以上を目指す場合はH41-03の★3まで解けるようにしましょう。

解法はこちら

〈H41-04 すい理算〉
推理は小説やドラマ、ゲームなど幅広いジャンルで扱われる内容なので、好きな人が多い単元なのではないでしょうか。ここは知識はあまり必要なく、論理的思考力が存分に問われる問題です。文章読解が得意な人にとっては嬉しい単元でしょう。分かる情報から整理していき、残った箇所は条件に矛盾しないよう、「もしこうだとしたらこうなる」という仮定をもとに筋道を立てましょう。手が止まるときは使い忘れている条件があることが多いので、もう一度よく問題文を読み返しましょう。
偏差値50以上を目指す場合はH41-04の★2まで解けるようにしましょう。

【まとめ】

算数のレベルを上げていくうえで、解き方の本質的理解は必要不可欠です。「点数を取るために公式を暗記する」ではなく、「理屈を一つずつ理解していったら点数も上がっていた」という学習を目指しましょう。
どのように学習すれば本質的な理解ができるようになるのか、どのような学習計画を立てていけばいいか分からないなど、お困りのことがありましたらぜひご相談ください。

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T. S

この記事を書いたのは...

T. S

今まで別の個別指導塾で主任講師として、中学受験では4教科+適性検査型を担当してきた。自身で指揮を執り、全科目の指導、カリキュラムの作成、面談など、中学受験全般に関わることを行ってきた。授業が無い日もずっと校舎にいたため、周りからは地縛霊だとささやかれていた。

大会で何度か結果を残すくらいにはゲームが得意で、プロを本気で目指していた時期もあったが、コロナ禍と重なってしまい断念。ただ、今でも時々大会に出ているので、もしかしたらYouTubeのおすすめで私の顔が流れてくることがあるかも?

教え子の成長を見守るのが生きがいです。大人になった教え子たちと共に塾を開業するのが将来の夢です。

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