【組分けテストって、そもそも何だ】
SAPIXの組分けテストとは、毎年1・3・7月の10日前後の日曜もしくは祝日に実施されるSAPIXの定期試験です。
公開入室テストも兼ねているのでSAPIXへの入室を検討している外部生や自分の立ち位置を知りたい他塾生も一定数が受験します。
それぞれの組分けテストの結果での新コースの開始時期は以下の通りです。
1月の組分けテスト⇒2月の新学年からのコース
3月の組分けテスト⇒春期講習からのコース
7月の組分けテスト⇒夏期講習からのコース
いずれも受験生活における節目のコースとなり、また昇降の幅も無制限なので、SAPIX生にとっては非常に重要度の高い試験です。
【各科目の配点】
新4年生の1月・3月は、算数・国語の2科目で各150点の計300点満点で実施され、4年生の7月以降は、算数・国語・理科・社会の4科目で算数・国語が各150点、理科・社会が各100点の500点満点で実施されます。
【組分けテストの重要性】
6年生の夏期講習いっぱいまでは、志望校よりも所属コースを目標に学習を進めるSAPIX生が大多数です。
その点、組分けテストは制限なくコースが昇降するので、マンスリー確認テストよりも重要視しているSAPIX生は少なくありません。
たしかにSAPIXのコースは受験結果にも直結し、またコースによって教材の扱う箇所は大幅に変わるので、所属コースは重要です。テストの内容に関しても、これまで学習した内容全てが出題範囲なので、これまでの努力の成果や今後の伸びしろなどを、バランス良く測定することが可能です。
入念に準備し、丁寧に復習する価値が充分にあると言えるでしょう。
ただ長期的な学力養成という視点では、マンスリー確認テストや復習テストで成績を残し続ける方が重要と言えるのではないでしょうか。
中学受験は未知のものに対してその場で考える力よりも、獲得してきた力をいかに使いこなすかが合否を分けます。
組分けテストの結果や所属コースばかりに拘泥せず、その時その時に身につけるべき学習内容を定着させることを大切にしていきたいところですね。
【組分けテストの昇降基準】
先述の通り、現在の所属コースによる昇降制限はありません。
試験当日の1回の合計点だけでコースが決められる、非常にシビアな昇降基準であると言えるでしょう。このような試験の特性上、大幅なクラスアップもあり得る一方、αからアルファベット下位にまで下がってしまう可能性もはらんでいます。
このリスクを危惧して、コース維持のために受験を回避する生徒も稀に見られます。
たしかに気持ちは非常によく分かるのですが、よほどの体調不良や習い事の試合が重なるなどの事情がない限りは受けるべきだと、個人的には感じています。実際のところ、普段の成績と組分けテストの成績が劇的に異なる結果になるケースは極めて稀です。
試験を受けるという緊張感でしか培えない力もありますし、また受験を戦い抜くにあたっては反省材料や判断材料は多いに越したことがありません。
もしかすると実際の受験本番も万全の状態で受けられない可能性もあるわけです。
可能な限り、受験しましょう。
【組分けテストの出題範囲】
組分けテストではSAPIX生がこれまで習ったこと全てが出題の範囲となります。
以前は他塾との進度を合わせるためか、直近の学習内容が課されることは少ない傾向がありましたが、今は他塾の進度が早まってきたためか、特にそのような特徴は見られません。
ただ知識をそのまま問う問題よりも、身につけてきた知識事項を組み合わせて考える出題の比率が高いので、知識量がそのまま得点に反映されるわけではありません。
これまでの努力量と、その場での対応力がバランスよく問われる試験になっています。
【組分けテストの難易度】
組分けテストの過去データを調べてみたところ、平均点は260点前後になりました。
マンスリー確認テストは285点前後なので、マンスリー確認テストと比べても難度は高いと言うことが出来そうです。
平均点が低い回次では半分の250点を下回ることも珍しくなく、母集団のレベルの高いSAPIXの模試の中でも、特に高得点を取ることが難しい試験であると言えるのではないでしょうか。
ただ個々の問題の難度は、マンスリー確認テストと決して変わりません。
学習してから時間が経ってしまったことで知識が抜けていたり、問題の本質を見抜けなかったりすることで得点率が低下すると言えそうです。
【組分けテストの対策】
原則として出題範囲が無い試験なので、即効性のある明確な対策はありません。
ただ日々の学習の延長線上として様々な準備を考えることは出来そうです。
もし苦手分野を明確に把握していれば、該当テキストに戻っての復習は有効でしょう。漠然と知識面に不安があるならば、これまでに自分が受けたマンスリー確認テストの解き直しも効果的です。
算数に関してはマンスリー確認テストの大問2・3の小問集合から、問5あたりの中盤までの復習が知識の総チェックとして有効です。
5年生までのテキストのうち、総合回だけ振り返るという学習も良いでしょう。
もちろん過去問演習も有効です。
ただ過去問との類似性は高くはないので、あくまでも出題内容や分量、自身の注意点の確認に過ぎないと認識しておきましょう。
何年も遡って対策をしても、得点に直結するとは言えません。結局のところ特別な対策をせず、日々の勉強に打ち込むことでも充分かもしれませんね。
淡々と日々の学習を進めることが、長期的な学力養成には大切であると言えそうです。
【組分けテストの復習】
テストの当日か翌日に、すぐに直せる箇所の復習は必ず進めておきましょう。
どのように取り組んだのかを明確に覚えているうちに、どうして失点してしまったのかを把握することが、次回以降の試験における注意力の向上に役立ちます。
1週間弱で試験結果が公開されてからは、失点箇所の精査も必要です。
正答率も参考にして、どこまでは得点すべきだったのかを正確に把握し、再度復習を進めておきましょう。
このように組分けテストの復習方法も、基本的にはマンスリー確認テストやSAPIXオープンと同じような進め方で問題はありません。
ただ各回の組分けテストの後は、僅か2週間ほどで「範囲あり」「昇降なし」の復習テストが控えているので、長期的な学力養成を考えると、組分けテストの復習に力を入れることよりも、復習テストの準備を進めることがむしろ効果的かもしれませんね。
ここまでSAPIX組分けテストに関して、話を進めてきました。
SAPIX生の皆さんが力を発揮し、希望のコースで授業が受けられるよう応援しています。
もし学習の進め方などで気になることがあれば、お気軽にご相談くださいね。
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