「夏休みは中学受験の天王山」とよく言われます。
ちなみに「天王山」とは、豊臣秀吉と明智光秀が天下をかけて戦った、「山崎の戦い」の舞台となったところです。
「夏休みにどう過ごすこと」がポイントになるのか、ご紹介したいと思います。
全学年通しての大前提があります。
それが、
1. なるべく授業を休まないこと
2.「自分はなんでもできる」と思わないこと
の2つです。
大前提
1. なるべく授業を休まないこと
進学塾の一般的なカリキュラムとして、夏期講習は前期(2月~夏休みの直前)の内容の演習を行って、アウトプットの練習をするというのがあります。
名目上、「○年生の復習」という立場を取れるため、「夏期講習で、小○前期で扱った単元に触れることができます!迷っている方は是非ご参加を!」となるわけです。
その実は、「ロクに導入されないまま問題を解く」わけなので、復習も何もないわけです。
事前にそれらの単元に触れることがなければ、ほぼ何も定着することなく終わってしまうと思います。
ご家庭によっては、「講習を全て欠席して、前期の穴をつぶす」という作戦を取るご家庭も。
そんな中、SAPIXは講習期間中でも単元が進んでいく塾です。
テキストの関係上、「今までの単元に触れない」ということは全くないですが、「この期間に講習を休み、家で前期の問題の復習」という一部の家庭が取る作戦は取れない、と思って良いでしょう。
2.「自分はなんでもできる」と思わないこと
「単元が進む」と言っても、まるっきり全てが新単元というわけではありません。
既存の単元を発展させる形で、単元が進むことが多いです。
ですから、「今までの授業の内容は問題ない」と思わない方が良いです。
単純に模試の結果で考えるなら、(得点が正規分布に従うとします)
-
偏差値50は上位50%
-
偏差値60は上位16%
-
偏差値70は上位2%
と言われています。(これ、早稲アカ時代に暗記させられたなぁ…)
SAPIX偏差値が他の模試の偏差値と比較するとどうか、という話で概ね+7をすると、他塾の模試での自分の位置がわかると一般的に言われていますが、偏差値55近辺の生徒が一番危険です。
「他塾だと偏差値62!結構やるじゃん俺…」と勝手に慢心しだすのですね。
ちなみに偏差値55は上位30%。
2020年度に卒業した在籍者数は6000名ちょっと。
偏差値55の場合、上に1800人ほどいるということになります。
ギリギリαクラスに届かないラインで考えると、要は「そんなに慢心できる数値ではない」、言うなれば「大したことはない」数字であると言えます。
クラス数が多いだけに、「自分の在籍クラスよりも下のクラスの数」が多くなりやすいですが、(現在、またこれから)伸び悩む生徒ほど、自分のいるクラスより下のクラスがあることに慢心する傾向にあります。
慢心しないために、心がけてほしいこと
1. その日の学習事項を、次の日のSAPIXの授業に持ち越さないこと
5年生は1日2科目。
4年生・6年生なら、授業内で1日3科目扱うことになります。
6年生の算数は毎授業「デイリーチェック」があるので、そこで200点を狙う勉強を積み重ねていけるかどうかが、ひとつの目安になると思います。
6年生の国語と社会と理科、4・5年生なら、
-
「授業内で扱った問題を解けるようにしておく」こと
-
「授業内の復習以外で出た宿題をきちんと解く」こと
でしょうか。
1週間ごとの勉強だったのが、毎日の勉強になるだけでペースがつかみにくくなります。
2. 体調が悪くなったら、1日は思い切ってお休みすること
マスクが手放せない世の中というのもありますが、長時間の授業が連続するという状況は、体調不良になりやすくなります。
仮にウィルス性のものが原因で、体調不良となった場合、他人にうつさないように、というのは当然のことでしょうが、疲れがたまってしまうケースもあります。
疲れを引きずって、後に響く方が、1日休むよりも大きな穴となってしまうことは多いです。
休むなら「休むこと」に集中するのが良さそうです。
「休む日」が事前にわかっている場合
学校行事とSAPIXの日程が重なってしまうことがあります。
事前にわかっている場合は、個別指導・家庭教師を利用してフォローするのはお勧めです。
SAPIXは夏期講習中、6年生は「習った全単元」を、4・5年生は「前期に習った単元」を扱います。
塾によってその深さ・深度は違いますが…
SAPIXは重箱の隅をつつくレベルまで扱います。
従って、「カリキュラム」についていくだけでもかなり大変であると言えます。
そんなカリキュラムに優先順位をつけて消化できるのが個別指導・家庭教師の魅力でしょう。
1. 夏期講習中の「中休み」や「お盆休み」の利用
公立小の約40日の夏休み中、毎日SAPIXは授業をするわけではありません。
-
4年生なら14日+テスト
-
5年生なら20日+テスト
-
6年生なら夏期講習18日+夏期志望校別集中特訓5日+テスト
です。
一番忙しい6年生でも、16日ほど塾のない日があります。
「講習会の全てを個別指導にする」のはどの時期でも勇気のいるタイミングだと思います。
集団授業のシステムに上手く乗りながら、取捨選択しつつ単元習得を図るのは、「効率が良いやり方」と言えるでしょう。
そんなときに、信頼できる講師の授業を受けられるのは、得策だと言えそうです。
2. 夏休み前のちょっとした「休み期間」の利用
これは私立小学校に通う生徒さんで多いケースですが、夏期講習に入る前の期間に、フォローを行うケース。
私立小学校は試験休みなどを含め、「夏休みに入るのが早い」ことが多いです。
この期間に「お休みする予定の授業回の予習」という形で授業をしてしまうのも、カリキュラムの習得に大いに役立つことでしょう。
特に、小5の算数は夏期講習前半で「比の導入」、後半で「比を使った、今までの単元の演習」を行います。
「絶対に穴にしてはいけない単元」だと言えます。
そんな時に、「中学受験のカリキュラムをきちんと知る講師」の授業を受けるのは、時間を有効に使えそうですね。
まとめ
-
授業はなるべく休まないようにする。
-
疲れが溜まった時は思い切って1日休む。
-
授業で扱った問題・宿題として提示されている問題を解けるようにするのが必須事項。
-
毎回「デイリーチェック」がある6年生は100点を目指した復習を。
-
事前に「SAPIXをお休みする日」がわかるようであれば、その穴を埋めるための個別指導・家庭教師の利用は有効。
SAPIXに関して、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!
塾選びから合格(または転塾)までSAPIX完全解説
サカセルでは、中学受験に関する皆様のご質問やご相談に中学受験のプロが回答いたします。お困りの際にはお気軽に下のお問合せフォームよりご連絡ください。
にほんブログ村にも参加しています。ぜひ下のバナーをワンクリックで応援もお願いします!