マンスリーテストって、そもそも何だ
SAPIXにおいて新4年生から6年生の冬休み前までに原則として毎月のペースで実施される「試験範囲があり」「制限付きのコース昇降もある」テストです。
厳密には6年生の6月まではマンスリー「確認」テストとして上記のルールで実施され、6年生の夏期講習明けからは、マンスリー「実力」テストと名称が変わり「試験範囲無し」「昇降の制限無し」という、組分けテストと同じような位置づけになります。
なお1・3・7月の「組分けテスト」が実施される月には「復習テスト」が実施されます。マンスリーテストとの違いは以下の通りです。
マンスリー実力テスト→「試験範囲がない」「制限なしのクラス昇降がある」
復習テスト→「試験範囲がある」「クラス昇降がない」
「復習テスト」の難度や重要度は「マンスリー確認テスト」と同等です。昇降が無いからといっても気を抜かないよう、入念に準備をしたうえで挑みましょう。
さて、ここから先の内容はマンスリー「確認」テストに関して話していきます。
マンスリー確認テストの重要性
SAPIXにおいてマンスリー確認テストは受験結果との相関性も高い、きわめて重要な試験と位置付けてられています。
日々の学習では、もちろん毎回の授業内容の確認テストであるデイリーチェックは重要です。各科目の毎週の基本的な学習内容を、デイリーチェックで確認・定着させることがSAPIXの学習における基本になります。
ただマンスリー確認テストは約5回分のテキストの総復習としての知識事項の定着だけではなく、概念を正しく理解しているか、図や表から読み取ることが出来るのか、より実践的な理解を問われる構成になっています。
一問一答的な暗記ではなく、正しく深い理解が問われるからこそ、6年生後半の受験期を戦うための基礎学力の定着につながる重要な試験であると言うことが出来るでしょう。
またマンスリー確認テストはSAPIX生の勝負強さの礎にもなっています。
競争が厳しい昇降テストが毎月あることで学習に強制力が生まれ、高い基礎学力をより確実に養成することにつながります。また緊張感のあるテストを数多く受けることによって、試験時の緊張のほぐし方や力の発揮の仕方を自然と身につけられているSAPIX生は多いです。
頑張った分だけ結果につながり、モチベーションの向上にもつながるマンスリー確認テストを、組分けテストやサピックスオープンよりも重要と考えている講師は多いです。御多分に漏れず僕も、6年生の7月までは、とにかくマンスリー確認テストと復習テストに照準を絞って学習を進めることがSAPIX生にとって最重要であると考えています。
マンスリー確認テストの昇降基準
SAPIXではマンスリーテストの合計点のみで明確にコースが分けられます。
授業中の学習姿勢や前回までの試験結果などは一切加味されないので、平等で納得のいく昇降テストと言えるでしょう。
ただ昇降は無制限ではなく、コース昇降の幅の基準が決まっています。それが
「校舎のコース数×0.2を四捨五入」
です。例えば全10コースの校舎なら上下2コースまで、全24コースの校舎なら上下5コースまでといった設定です。
直前の学校行事や習い事の大会、病気や怪我などが原因で、充分な準備が出来ていないケースでも受けてほしいというSAPIXの意図も垣間見ることが出来ますね。なおコース昇降に関わるテストを2回連続で欠席すると自動的に1コース降級になるので気を付けましょう。
マンスリー確認テストの出題範囲
マンスリー確認テストは、その月の学習事項の定着度を測るものなので、テキスト内容に沿った出題が中心です。
試験範囲は直近に学習したテキスト5回分と算数の基礎力トレーニングが標準となりますが、各講習後のマンスリー確認テストでは講習内容も試験範囲に含まれるので該当範囲は広くなります。
夏期講習後の4・5年生夏期講習マンスリー確認テストなどは非常に範囲が広い一方、充分な準備期間を設けることは難しいので、実質的には実力テストという側面も色濃くなります。
マンスリー確認テストの難易度
マンスリー確認テストにおいては、どの科目でもテキストに掲載されている知識事項がそのまま問われることは、あまり見られません。扱った知識事項を下地に、適切に思考を組み立てられるかが問われる出題になっています。
したがって授業中の確認テストであるデイリーチェックで得点できていても、マンスリー確認テストで高得点を上げられるとは限らない点、注意が必要です。ただ毎回のデイリーチェックで高得点を取れていないと、絶対にマンスリー確認テストでは好成績を取れないことは自明です。
各科目の平均点は6割弱になることが多いです。
4~6年のマンスリー「確認」テストに絞って過去データを集計してみたところ、合計点の平均は285点/500点ほどになりました。
もちろん各科目を見ていくと平均点が4割台になったり、逆に7割を超えたりと少々の上下動はあります。
ただ合計点だけに注目すると、どんなに低い回でも5割の250点を割り込むことはなく、高い回でも稀に6割の300点に乗ることがあるという結果になりました。この結果を見てもサピックスオープンや組分けテストと比べると、比較的難易度は安定していると言えそうです。
そうは言っても、あれだけ努力を重ねているSAPIX生がマンスリー確認テストでは60%弱しか得点できないという事実。
充分に難しい試験であると言えるのではないでしょうか。
マンスリー確認テストの対策
まずは該当する試験範囲のテキストの復習を進めることが最優先です。
どうしても毎週の学習に追われることは避けられませんが、マンスリー確認テストの直前は、直近1ヶ月のテキストの総復習を進めることは必須でしょう。
ただ全科目の全テキストに手を付けるのは、さすがに厳しいと言わざるを得ません。前回勉強した際に理解の浅かった内容や苦手意識を持っている内容、デイリーチェックでの失点内容を参考に、得点を上げられる内容から学習を進めて行きましょう。
もし余裕があれば他塾の教材で同じ分野を学習することも有効です。教材としては、比較的解説の詳しい四谷大塚の予習シリーズの使い勝手が良いでしょう。算数ならばグノーブルの市販教材のG脳ワークアウトも類題演習として非常に使いやすい教材になっています。
もちろんマンスリー確認テストの過去問を用いた学習も効果的です。
過去問と実際の試験の類似性は高いので、もし手に入れて学習する機会があれば、数値替えや視点替えの演習用の教材として、また出題のレベルや時間配分の確認教材として活用しましょう。
ただマンスリー確認テストの過去問は決して万能ではありません。
当然ながら問題は毎年新しく作成され、またカリキュラムの改定で試験範囲が前後したり、完全に変わってしまったりすることも少なくはないので、あくまでの日々のテキストをベースにした学習を心掛けましょう。
マンスリー確認テストの過去問の扱いに関しては以下の「SAPIXの模試の過去問って使える?」も参考にご覧ください。
関連記事:SAPIXの模試の過去問って使える?
マンスリー確認テストの復習
マンスリー確認テストは、当日から翌日にかけて採点前答案がマイページに公開され、5日ほどで成績や採点後の答案が公開されます。
かつては2週間ほど待たされていたことを考えると、ずいぶん早くなったものです。
当然このSAPIXの技術の進化に乗らない手はありません。
可能な限り試験を受けた当日、遅くとも翌日のうちには失点箇所を確認し、時間をかけずに理解できそうな箇所の直しを行いましょう。試験直後に復習することで、試験中になぜ気づけなかったのかを確認でき、今後の注意点として頭に叩き込むことが出来るでしょう。
また成績が公開されてからは、正答率も確認しながらまだ直せていない内容の確認も行いましょう。出来なかった問題が捨て問だったのか、取り組むべき問題だったかの判断をこの段階で行います。
その後の復習は基本的には不要です。
時間に余裕のある時に過去のマンスリーの総復習をするという学習方法もありますが、そもそも時間に余裕があるという状況が生じない受験生が大多数でしょう。
マンスリー確認テストをペースメーカーに、皆さんが努力を重ねられることを、心より応援しています。
もしSAPIXでの学習効率を高めたいという相談があれば、自律学習サカセルにお気軽にご相談ください。
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