サカセルコラム

女子学院中の国語分析(2023年) Column

過去問分析

女子学院中の国語分析(2023年)

2024.01.19

◆各種データ

合格最低点 非公表/400
国語想定合格ライン 70/100

◆出題形式

試験時間40分 100点満点

◆大問3題構成

大問1随筆文 小問数10
大問2随筆文 小問数9
大問3漢字  小問数6

◆今年度の問題の種類

・記述   約52% 小問数13
・選択肢  約24% 小問数6
・抜き出し 約0%
・漢字   約24% 小問数6

という割合になっています。

2016年ごろから傾向が変わり、そのままの形で進んでいます。

ここからは2023年度の女子学院中の出題を通して、どのような戦術で取り組んでいけばよいかを検討していきたいと思います。

解答例はコチラ

今回使用する指標

○…合格には確実に取れてほしい問題
△…合格の勝負所・差がつく問
×…落としても合否には大きく影響しない問題

大問1「夜、寝る前に読みたい宇宙の話」野田祥代

問1対比・理由の記述 ◯

傍線部①「いっぽう、人間は大さわぎです」とあるが、皆既日食に対して、人間の反応が他の生き物たちとは違う理由を答える問題です。

設問・傍線部で他の生き物たちの反応がわかる描写の記載がなかったので、今回は動物の反応→人間の反応という形で答案を作っていきます。

傍線部の前より、

それは初めて体験する、幻想的で、日常とは異質の風景でした。
まず、〜肌寒くなります。
じっとしてても汗ばむほどの真夏だったのに、いつの間にか冷たい風が吹き始めて少し薄暗くなってきました。

→【急に暗く、寒くなる事態に対して】【日常と異質の風景】

異変を感じたのか、馬が何頭もヒヒーンといななく、鳥や蝶が忙しそうに低空飛行していきます。
〜馬はもう声も出さずに、じっとしています。
暗くて鳥や蝶の姿は見えませんが、気配が消えています。

→【動物たちは警戒心を強めている】

傍線部の後より、

いっぽう、人間は大さわぎです。
各国から集まった人たちからは歓声が上がり、ある人は口笛を吹き、ある人はカメラのシャッターを切り、カップルは抱き合っていました。

→【(日常と異質の風景を)楽しむ余裕がある】

でも、人間も、もし数分後には月が通り過ぎて再び太陽が顔を出すことを知らなければ、本当にびっくりするでしょうし、世にも恐ろしいことが起きたと感じることでしょう。

→【人間は数分後に再び太陽が出ると知っている】

本文の内容を【抽象化したもの】を、対比の形で並べて、
【急に暗く、寒くなる事態に対して、動物たちは警戒心を強めているが、人間は数分後に再び太陽が出ると知っているので、日常と異質の風景を楽しむ余裕があるから。】を解答としました。

本文の複数箇所を根拠とする問題ですが、設問を見ると条件がしっかり書いてあるので、比較的根拠は取りやすかったのではないかと思います。

問2選択肢 ○

傍線部②「私の背中に手を置いてくれたのを覚えています」とあるが、その理由を答える問題です。

傍線部の前より、

淡々と進む宇宙のできごとを前に、その時の私の感情が喜怒哀楽のどれだったかは、実はうまく表現ができません。
ただ、ひとすじの光が月の裏側からこぼれ出た瞬間に、夜は昼になり、夏が戻り、馬が声を上げ、蝶が舞い、鳥の姿が見えて、私はとっさに「生かされている」と感じたのです。

→ここから、【Ⅰ 私の涙=プラスイメージ】であることがわかります。

近くにいたご婦人が私を見て、
「あら、あなた泣いているの」
と私の背中に手を置いてくれたのを覚えています。

→【Ⅱ 私が泣いている姿を見て、】私の背中に手を置いてくれた【Ⅲ =私を気づかってくれた】ことがわかります。

【Ⅰ】〜【Ⅲ】の内容をどれも満たしているのはエです。

【Ⅱ】を含んでいないイ・【Ⅲ】を含んでいないウを選ばないようにしましょう。

問3抜き出しに近い言い換えの記述 ○

傍線部③「生活の役に立てていました」とあるが、「役に立つ」とはここでは具体的にどういうことか言い換える問題です。

設問のヒントを見ると、

・毎日の日の出入りや月の満ち欠けは、時計や( A )の役割があった。
・いつも同じ方角にある星から、( B )がわかった。
・日の出直前に見えるおおいぬ座の「シリウス」から、ナイル川の氾濫に注意すべき時期と( C )時期がわかった。

傍線部の後には

日の出入りや月の満ち欠けは、時間が流れていることを教えてくれました。
いつも同じ方角にある星は、旅をする人に進む道はどっちかを教えました。
古代エジプトの人たちは、おおいぬ座の「シリウス」という星が日の出直前に見えると、もうすぐナイル川が氾濫する季節だ、というのを知りました。彼らは自然災害から身を守って、種まきのための栄養たっぷりの土がやってくるタイミングを星に教えてもらったのです。

とあるので、

「時間が流れていること」=【時計や( A )の役割】ということです。

「や」とあることから、時計と同等の役割を果たすもの。

( A )は【カレンダー】としました。

( B )は直後に「が」が来ているので、

旅をする人に進む道はどっちかを「語尾を名詞にした、12字以内の表現」にします。

( B )は【自分が進むべき方角】としました。

ナイル川の氾濫に注意すべき時期と( C )時期がわかった。とあるので、

日の出直前に見えるおおいぬ座の「シリウス」から得られる情報の中で、「ナイル川の氾濫に注意すべき時期」を除いて、

( C )は【種まきをするべき】としました。

女子学院にチャレンジする皆さんであれば、過去問などを通して、抽象度の高い短文を作成する練習を積んできているはず。

ここはきちんと得点してほしいところです。

問4指示語の記述 △

傍線部④「絶対にこうなってはいない」の「こう」とはどのようなことか答える問題です。

設問のヒントとして

日常的に( )を用いて( )な暮らしを送っていること。

とあります。

「こう」とあるので、傍線部の前を見ると、

人に与えられた命の時間はせいぜい100年足らず。あなたひとりや、私ひとりの力では④絶対にこうなってはいないのです。

→「人間ひとりの力では達成できないもの」を探すとわかります、

ひるがえって現代の私たちは、日食がどうして起こるのかを科学的に知るようになりました。
太陽の位置を知らなくても時刻がわかるし、カーナビを使えば旅先で困ることも減ったし、わからないことはスマホやパソコンで検索すればあっという間にいろんな知識を教えてくれます。

→用いているのは【科学(の知識)】、暮らしは【便利】な暮らし、とするのが良いでしょう。

問5選択肢 ◯

傍線部⑤「すごい」の意味にあてはまらないものを選ぶ問題です。

傍線部を含む一文を見ると、

人間がスペシャルなのは、ひとつには自分たちの⑤すごい知恵(英知)を世代を超えてリレーしているところです。

とあります。

一文から「すごい」はプラスイメージとわかります。

よって、「ア 素晴らしい」、「エ 偉大な」は「あてはまる」ものとわかります。

また、「自分たちのすごい知恵を世代を超えてリレーする」とあるので、「世代を超えてリレーする知恵」がどんなものか、で考えると、

「ウ かなり多くの」ものであると考えられます。これも「あてはまる」ものですね。
よって、「イ 恐ろしい」があてはまらないものとなり、正解と判断できます。

本文さえ読めれば正解には辿り着けると思いますが、選択肢だけで判断すると×になってしまうかもしれませんね。

問6選択肢 △

傍線部⑥「人は恐竜と違って「知らぬが仏」ではなくなってきている」とはどういうことか答える問題です。

まず、「知らぬが仏」とは「知れば腹も立つが、知らないから仏のように平静でいられる。また、本人だけが知らないで平然としているのを、あざけっていう語。(小学館 デジタル大辞泉より)」という意味です。

今回は前者「知れば腹も立つが、知らないから仏のように平静でいられる。」の意味でしょう。

傍線部の前より、

知恵のリレーの横には、必ず「記録(データ)」があります。
〜たくさんのテストを重ねて、失敗するたびに工夫し、その経験や記録をもとにして、人は少しずつ前へと進んできたのです。

→【A 人間は先人たちの知恵を、経験や記録をもとにして理解を進めてきた】

その結果として、この日常があって、ここが岩の惑星の上だということを知り、⑥人は恐竜と違って「知らぬが仏」ではなくなってきているのです。

→【B 知らないから平静でいられる、という状態ではなくなってきている】

【 A 】と【 B 】の言い換え「予測される危機に対して何もしないではいられなくなった」のどちらも含むアが正解となります。

ウと迷うかも知れませんが、「高度な知能が発達していくために必要なことであったが、」は書かれていないので×です。

問7選択肢 △

傍線部⑦「明日の自分のために極めて大切だ、と知っておいたほうがよいものです」とはなぜ言えるのかについて答える問題です。

傍線部の直後に「というのも」とあるので、「理由」が始まる言い回しであること、傍線部の後を見たほうが良いというのに気づけると良さそうです。 

傍線部の後より、

というのも、この世界では人類の英知を無視したり排除したりということが、いとも簡単に起きてしまうからです。
〜こうしたすぐれた知恵のもち主が、大勢の人の考えに合わないとか、権力を持った人の気に食わないという理由で消されてしまい、彼らがつなぐはずだった知恵のリレーは、その価値を理解できない人たちによって断ち切られてしまったのです。
〜【A ようやく手にした英知を、私たちは時代の流れの中に何度も落としたりなくしたりしてきたのです。】

知恵をリレーするためには、【B あなたや私を含むたくさんの人がその価値を知って、】【C 意識的に管理したり保管したりする「空気」が必要なのです。】

【 A 】〜【 C 】の3つとも含んでいるのはウです。

問8言い換えの記述 △

傍線部⑧「一緒に前に進みましょう」傍線部⑨「共に前に進もうとしました」とあるが、「一緒に/共に前に進む」とはどういうことかについて答える問題です。

傍線部⑧の前を見ると、

最近では、研究成果やデータを人類のために公開する「オープンサイエンス」という世界的な動きもあります。これはいわば、世界中で知識や情報や成果を共有して⑧一緒に前に進みましょう、という流れです。

→【世界中で知識や情報や(研究)成果を共有する】と前に進めるようです。

傍線部⑧の後、傍線部⑨の前を見ると、

そんな中、いち早く感染症に関係する研究データを国際的に共有しよう、という動きがあったのです。
研究者というものは、ふだんはじっくりと慎重に時間をかけて結果を磨きかけていくものです。信頼できるデータかということも厳しく調べて、論文などで成果を世に出すまでは研究データを公開しないことが多いのです。
でも、人間のピンチを前にして、もたもたしているうちに消える命をなんとしても救うのだと、彼らは所属機関や国境や民族を超え、情報を共有して疫病と闘い、⑨共に前に進もうとしました。

【所属機関や国境や民族を超え、】【人類皆で】【情報を共有して】「疫病と戦う」と、共に前に進めるようです。

傍線部⑨の後を見ると、

〜平和な朝がやってくることも、たくさんの知恵のリレーに支えられているといえます。

→「疫病と戦った」先、前に進んだ後には「平和な朝がやってくる」ようで、それは「たくさんの知恵のリレーに支えられてい」ます。

「疫病と戦う」「平和な朝がやってくる」のうち、疫病以外にも当てはまるように抽象化すると【問題を解決すること】となります。

【世界中で知識や情報や(研究)成果を共有する】と【人類皆で】【情報を共有して】は内容がほぼ同じなので、

文に合うように選択します。(選択した記述の要素は赤字

【所属期間、国境、民族を超えて、知識、情報、研究成果を共有し、知恵のリレーをすることで、人類皆で問題を解決していくこと。】を答えとしました。

解答のイメージは湧くが、いざ答案にしてみるのは難しい…という問ですね。

大問2「他者の靴を履く」ブレイディみかこ

問1選択肢 ◯

傍線部①「とても面倒くさいことになったと思った」とあるが、どのようなことを感じたのかについて答える問題です。

傍線部の前を見ると、

それより、①とても面倒くさいことになったと思った。

→この言い回しから、傍線部①の後に根拠がありそう、と判断することができます。

傍線部の後を見ると、

その面倒くささこそが感染よりも不運なことに思えた。〜息子の中学の教員に事情を説明して、検査結果が出るまで彼を休ませねばならない。〜配偶者にも、また2週間も自主隔離してもらわねばならず、さすがにこれには彼も憤るだろう。
けれども何より気になったのは、日本に行く前、感染者の職場に行ったときに、帰りにジャガイモや牛乳を買って届けた近所のおばあちゃんのことだった。それでなくとも体が弱い彼女に感染させた可能性があるからだ。

→【A 息子を検査結果が出るまで休ませねばならないこと】【B 配偶者に2週間自主隔離してもらわなければならず、憤りそうなこと】【C 身体が弱い近所のおばあちゃんに(新型コロナを)感染させたかもしれないこと】が載っています。

【A】〜【C】に共通する内容である、【自分と関わる人にどのような影響があるか一つ一つ考えなければならなくなったこと】を含んでいるウが正解です。

問2記述 ○

傍線部②「わたしを起点として」から、ウィルス感染をめぐって「わたし」が思い浮かべた人々を表した図のA〜Cにあてはまる人物を答える問題です。

わたし→【 A 】→中学の教員
わたし→【 A 】

より、「わたしと関わりがあり、中学に通っている人物」から、【A わたしの息子】

わたし→【 C 】→喘息の持病のある妻

より、「喘息の持病がある妻を持つ人物」から、【C 水道工事の業者】

図のヒントの中で関わりが唯一書かれていないのに、本文には載っている、というところで

【B 近所のおばあちゃん】 となります。

抜き出しではないからこそ、皆正解が取れそうな問題であるように感じました。

問3言い換えの記述 △

傍線部③「巨大な蜘蛛の巣」とはどのようなものの比喩なのか、説明する問題です。

傍線部の前より、

わたしを起点として、目に見えない巨大な蜘蛛の巣が背後に広がったような感覚をおぼえた。
英国と日本を往復した間に会った人々やすれ違った人々が次々と思い出された。そして彼らの一人一人に家族があって、同僚があいて、電車で隣り合わせる人がいて、ショップのレジで前に並んでいる人がいると思うと、その人数はどこまでも増えていく。

→自分が会った人がまた誰かに会って…という内容を抽象化して、

【わたしが直接的・間接的に新型コロナを感染させた可能性のある人たちとのつながり。】としました。

これも、イメージは湧きやすいが、自分で答案を作るのは難しい問、と言えそうです。

問4言い換えの記述 △

傍線部④「とりあえず、新型コロナ感染版の「人間分子の関係、網目の法則」は途切れた」とはどういうことか書く問題です。

傍線部の前を見ると、

なぜか思い出したのは、〜主人公コペル君が唱えた「人間分子の関係、網目の法則」だった。
「人間分子は、みんな、見たことも会ったこともない大勢の人と、知らないうちに、網のようにつながっている」と考える。

→「人間は、見たことも会ったこともない大勢の人と、知らないうちに、網のようにつながっている」という内容を見た時に、問3の解答と共通しているところがある、と気づけるかどうかがポイントになりそうです。

傍線部の後を見ると、

「病気になることより、網目がどんどん拡大していくことのほうが面倒くさいと思っていて、〜おばあちゃんや水道業者や東京で会った人々みんなに感染させたかもと心配する必要がなくなったことが何よりもわたしを安堵させた。」

→「みんなに感染させたかもと心配する必要がなくなったこと」が「私を安堵させた」ようです。

傍線部④には「新型コロナ感染版の〜途切れた」とあるので、【新型コロナのPCR検査で陰性だった】というきっかけも含めて、

【わたしが新型コロナのPCR検査で陰性だったことで、直接的・間接的に数多くの人たちにそれを感染させたかもしれないという心配をする必要がなくなったということ。】としました。

麻布中では「他の設問を利用して解く」というのは定番の出題形式と言えますが、女子学院中で出題されるのは珍しいです。

問5記述 ◯

傍線部⑤「実は全然そうではなかった」とあるが、どのようなことに気づいたのか、簡潔に答える問題です。

傍線部に「そう」とあるので、傍線部の前を見てみると、

わたしたちは孤立しているように見えて、⑤実は全然そうではなかったのである。

「そう」の正体は「孤立」であると考えられます。

「孤立しているのではない状態」を、別の言葉で表せないか、さらに傍線部の前を見てみると

「ぞろぞろと続く目に見えない大勢の人々とのつながり」はふだんの生活ではあまり想起することはない。自分自身や自分の生活は他者とのそれとは切り離されたものであり、消費や生産も単独の行為として考えがちだ。

とあります。

ここを利用して、

【人は目に見えない大勢の人々とのつながりの中に存在していること。】としました。

問6選択肢 △

傍線部⑥「これはシンパシーではなく、エンパシーである」とあるが、ここでいう「エンパシー」がどのような心のはたらきであるかを答える問題です。

「これ」とあるので、傍線部の前を見てみると、

新型コロナウィルスによって立ち現れている人道主義とは、相手が誰かで「区別はしない」。なぜなら、感染症は人種の違い、貧富の差、思想の違いとは関係なく、誰でもかかるものだからだ。災害時の助け合いは、敵だから見捨てるとか、味方だから援助するとかいう性質のものではない。

→【A 相手は誰かで区別しないで、】【B 助け合いをすること】をおさえます。

傍線部の後を見てみると、

実際、今回の新型コロナウィルス感染で他者に関する感覚が鋭くなったと思っている人は多いはずだ。

→【B 助け合いをすること】と【C 他者に関する感覚が鋭くなったこと】より、他者に関してプラスイメージを持っていることがわかります。

【 A 】〜【 C 】の内容を全て含んでいるのはイです。

問7変化の記述 △〜×

傍線部⑦「いつもと違う貌を見せ始めていた」とあるが、街の人々はどのように変化したのかを答える問題です。

傍線部の前を見ると、

わが家が仮住まいしているエリアはミドルクラス(中流階級)の新興住宅地で、半世紀も前から同じ家族が住んでいてみんな互いをよく知っている公営住宅地とはわけが違う。だが、それでも、わたしたちが外に出ると、向かいの家も、隣の家も、住人たちが前庭に出てきていた。とりあえず、〜叫び声がした家の様子を見に行くことになった。〜怪我をした息子を母親が救急外来に連れて行くことになったが、彼らには病院に着けて行くマスクがなかったので、配偶者が家に戻ってきてマスクを数枚、持って行った。
なんとなくよそよそしく気取っていたストリートが、非日常な状況の中でいつもと違う貌を見せ始めていた。

傍線部の後を見ると、

人々は、コロナ禍をともに経験することで、「聞いたことを聞かなかったことにはできない」気分になっている。

変化前の様子を拾うと、「なんとなくよそよそしく気取っていた」「みんな互いをよく知っているわけではない」とわかります。これらの内容から【互いに他人行儀で表面的な部分しか見せていなかった】としました。

変化のきっかけは【コロナ禍をともに経験したこと】です。

変化後の様子を拾うと、「とりあえず、〜叫び声がした家の様子を見に行くことになった。」「彼らには病院に着けて行くマスクがなかったので、配偶者が家に戻ってきてマスクを数枚、持って行った。」「「聞いたことを聞かなかったことにはできない」気分になっている。」から【近所のトラブルを見過ごさなくなり、思いやりを見せるようになった。】としました。

以上をまとめて、
【近所の人々は、互いに他人行儀で表面的な部分しか見せていなかったが、コロナ禍を共に経験して、近所のトラブルを見過ごさなくなり、思いやりを見せるようになった。】としました。

大問3 漢字 ◎

全問正解しましょう。

◆まとめ

文章自体は読みやすく、時間内でテキパキ解くことが求められる年度でした。

トレンドの「新型コロナ」を反映させた随筆文で、短文の記述も多い…となると、やはり一読してどれだけ筆者の主題に迫ることができたのかに尽きるのではないかと思います。


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増田 雄介

この記事を書いたのは...

増田 雄介

圧倒的な指導力、学校別の専門性の高さ、そして面倒見の良さを持つ自律学習サカセルの国語・社会の看板講師。

その驚異的な指導力を武器に、大手集団塾の開成中コースの国語担当や有名個別指導塾のリピート率1位の凄腕講師として活躍。
成績が本当に伸びる実戦的な指導に目を付けた自律学習サカセルからのスカウトを受け、満を持して文系科目の講師として指導開始。

個別指導の業界では指導力No. 1の呼び声も高く、逆転、順当のどちらの合格にも強く、生徒のレベルに関係なく指導できる幅広さを持っている。

生徒だけでなく、自分の子供の成長を見守るのが楽しみな一児の父でもある。
趣味はぽっちゃりの自分でも着られるファッションの構築。

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