コロナ禍で、にわかに話題になった「9月入学」
アメリカ、イギリス、中国などの多くの国々でのスタンダードで、数年前には東京大学の秋入学も本格的に討論されていました。
入学時期のズレは優秀な人材が国際的な視点を持って留学する機会の損失にもつながる可能性は否めません。
学年の区切りのズレがもたらす違和感として僕が最近見た例では、インターナショナルスクールでは同級生だったのに、中学受験を経て日本の私立中学に入ったら先輩と後輩の関係になった、という話もあります。
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さて休校が長引く今、「中学受験における影響は?」と、多くの議論が交わされています。
受験に向けたスケジュールはどうなる?、学年はどこから区切る?、いつから制度が切り替わる、移行措置は?、2月の勝者どうすんの・・・など、僕も色々なケースを考えてみましたが、内容は、機会があればまたいつか。
まぁ色々考えたところで、そもそも僕には何の決定権もありません。
決まったことに対して、最速で最適な対応を考えて実行することが仕事。
あれやこれやと気を揉んでいても仕方ないですもんね。
そもそも中学受験に影響が出るとしても、まだ数年先。
今は目の前の生徒達に対して、今できるサポートを進めていきます。
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さて今日は、まことしやかに囁かれている「4月生まれは有利、早生まれは不利」という話です。
いずれ生まれ来る子供の将来を考え、誕生日が4月~6月になるように誕生の時期を調整したという両親も少なくはありません。
果たして誕生月の差はその後の成長に影響を与えるのでしょうか。
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先日のスポーツ報知の記事では、2020年のプロ野球支配下登録日本人選手の誕生月をまとめていました。
全部で724人のうち、最多は4月生まれで83人、最少は3月生まれで37人。
上半期の4月~9月で438人、60.5%を占める結果になりました。
多くのプロ野球選手は就学前の幼少期に野球を始めます。
この頃の月齢差は非常に大きく、体力や試合に出る機会などに大きな違いが生じ、経験に差がついてしまって、そのまま高校卒業時点での能力の差につながってしまうことは考えられます。
他のスポーツでも、やはり誕生日が早い方がより多くのプロ選手を輩出しているというデータがあります。
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一方、勉強においてはいかがでしょう。
ちょうど高校の卒業アルバムの6年B組(僕は6年A組)の自己紹介ページが誕生日順になっていたので、まとめなおしてみました。
全36人のうち、
4月生まれ:7人 5月生まれ:0人 6月生まれ:5人 7月生まれ:3人
8月生まれ:2人 9月生まれ:3人 10月生まれ:2人 11月生まれ:5人
12月生まれ:1人 1月生まれ:4人 2月生まれ:3人 3月生まれ:1人
という内訳になりました。
サンプル数が大きくないものの、4月生まれが7人/36人というのはなかなかの比率です。
やはり幼少期から「できる子」として扱われて養われてきた優越感が、勉強にもつながっているのかもしれません。
ただ4月~9月の上半期は20人/36人と、そこまで偏った結果にはなっていません。
早生まれも8人/36人なので、誕生日の早さが絶対に有利、とは言えないようです。
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東大入学者に関しても4月生まれが多いと言われていますが、こちらは改めて信頼できるソースを探す必要がありそうです。
ただ自身の経験としては、40名程度の同じクラスに4/24、4/25、4/26が誕生日の現役合格者がいて、ほかにも何人か4月生まれがいたので、東大生全体という規模で見てもおそらく4月生まれが多いということは事実なんでしょう。
もちろん早生まれでも優秀な学生は多々いました。
誕生月はあくまでも一要素に過ぎません。
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結論としては、
たしかに10代で結果を求められる際は、4月生まれが結果として有利になっている側面は否めない
ただ誕生月よりも個々人の資質や努力が決定づけるので、早生まれを悲観することは無い
と言えそうです。
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ちなみに僕は・・・4月生まれです。
月齢で見れば決して身体は大きくなかったものの、誕生日が早かったおかげ小学生時代の身長はクラスの真ん中くらいだったし、幼稚園の頃から劇での主役や学級委員長を任されていたし、勉強にも苦手意識を持ったことは無かったし・・・
4月生まれの恩恵を受けてきたとも言えるでしょう。
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娘は12月生まれ。
幼稚園では当然のように「出来ない子」グループに入っていますが、楽しそうにしています。
もし9月スタートになったら・・・早い方のグループやな。
風向きが変わるかもしれませんね。