「この塾に受験までついていく!」
そう決意して以降、順風満帆な中学受験生活を送り、見事に第1志望校に合格する・・・
そんな理想的な受験生なんて皆無です。
実際のところは、常に迷い悩みながら目の前の学習に追われているものです、どんなに優秀な生徒でも。
もし何の不安も無く勉強を進められていると言うならば、それは現実を直視していないだけではないかと、本気で思います。
このように悩みながら受験勉強を進めていると、色々な局面で「転塾」という選択肢が頭をよぎることもあるのではないでしょうか。
今回のテーマは「転塾の良しあし」です。
環境の変化にリスクは付き物ですが、どのような場合なら、そしてそれを踏まえていつならリスクをとってでも転塾すべきなのかを考えてみます。
「どうして転塾したいのか」から考える
まずは転塾のきっかけを挙げてみましょう。
「志望校に特化した授業を受けたい」
「もっと優秀なライバル達と競い合いたい」
「教材が易しすぎて、時間を持て余す」
というような、より学習の負荷を高めるための転塾がひとつ。
「カリキュラムについていけない」
「塾や講師の方針に、どうしても納得できない」
「塾の友達関係で問題が生じている」
というような、マイナスの状況を回避するための転塾もひとつ。
いずれにせよ現状に満足できない場合に転塾を検討するわけですが、ここで大切なことは、
「不満な点を文字で整理してみる」
「今の環境で満足している点を文字で整理してみる」
ことです。
もし不満が満足を大きく上回った場合にのみ、転塾を検討すると良いでしょう。
次に「何故その塾に通おうと思ったのか」という初心を思い出して、それでも転塾の意志が上回ったならばいよいよ行動に移す時です。
場合によっては転塾ではなく、同じ塾内で校舎を替えることも有効でしょう。
校舎を替えるだけで、課題が充分に解決されるケースも多いです。
思い切って塾を辞めてしまうその前に、他の校舎なら解決できる課題かどうか考えることも意識してみてくださいね。
やはり他塾に替わることは、カリキュラムの面で大きな不安があります。
と言うことで、今度はカリキュラムの差に関して考えてみましょう。
「各塾のカリキュラムの違い」から考える
中学受験の学習において、最終的な到達点は同じであるにもかかわらず、塾ごとのカリキュラムの差は非常に大きいと言わざるを得ません。
早稲田アカデミーや四谷大塚は、予習シリーズのカリキュラムの改訂に伴い、他塾と比べても進度がはやく、難度も高いカリキュラムになりました。
SAPIXもカリキュラムの速さでは有名ですね。
日能研は他塾と比べると概念導入にも力を入れるぶん、進度は遅めです。
また独自教材を利用する中小規模の塾は、一般的なカリキュラムを入れ替えて各分野を掘り下げるような勉強を行う場面も見られます。
このように塾によって進度の差が大きい状況下、カリキュラムの途中で転塾してしまうと、未習分野が出てきたり、重複して学習する分野が出てきたりして、残念ながら学習効率が大幅に落ちてしまいます。
進度の早い塾から遅い塾への転塾はまだ現実的ですが、進度の遅い塾からはやい塾への転塾は、未習分野を自分で学習する必要があるので、かなり大変だと言わざるを得ません。
結局いつなら転塾してもいいのか
じゃあ結局、どうしたら最善なのか。
今まで様々な生徒を指導してきて言えることとしては、
① 3年生までは季節講習などを利用して様々な塾を経験し、雰囲気や方式の向き不向きを見極めたい。
② 新4年生から6年生の夏休み前までは、各塾に一貫したカリキュラムが存在するので、なるべく転塾は避けたい。
ただカリキュラムに大きな差が出にくい4年生のうちはまだ間に合う。
算数に関しては「比と割合」をどの時期に習うのかが鍵で、5年夏休み前から6年夏休み前までは、塾ごとの差が最も出やすいので転塾は避けたい。
③6年生の夏休み以降は、志望校別の講座を中心に考える。
SS特訓に通う他塾生や、NNに通うSAPIX生も少なくはない。
ということになります。
要するに、
ということです。
もちろん塾によって授業のスタイルにも差があります。
四谷大塚や早稲田アカデミーのような予習を前提とする塾と、SAPIXのような復習に力を入れるでは1週間の学習計画の立て方が全く異なります。
もちろん授業の雰囲気や講師の質にも、塾のカラーが色濃く反映されます。
転塾先も充分に調べつくし、満足したうえで「この塾で最後!」の強い意志を持って転塾すれば、きっとうまくいきますよ。
ただ自分で調べるのはなかなか難しいもの。以下の記事では各塾を比較しているので是非参考にしてみてください。
また、是非とも自律学習サカセルのような、独立した個別指導塾・家庭教師センターの講師にも下のお問合せフォームよりご相談くださいね。
現状を改善し、また個々の生徒の性格に合った受験スタイルの提案にご期待ください。