算数の想定合格点 65点
受験者平均点 56.52点
合格者平均点 68.95点
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豊島岡女子学園中学校の学校の特徴や傾向分析、2018年の第1回の算数の分析はこちら
豊島岡女子学園中学校の2016年の第1回の算数の分析はこちら
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面倒見の良い女子進学校として確固たる地位を築いている豊島岡女子学園。
各科目の入試問題も中学受験という範疇で良く練り上げられた質の高い出題になっています。
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ここからは2020年の第1回の豊島岡女子学園中の算数の問題を通し、どうすれば合格点を取ることが出来たのかを考えていきましょう。
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〇:合格のためには必ず正解したい
△:差がつく問題なので、出来れば正解しておきたい
×:やや難度が高く、出来なくても仕方がない
として小問ごとに見ていきます。
解答例はこちら
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大問1
(1) 〇
基本的な計算問題です。
特に煩雑な箇所も無いので、合格のためには短時間で確実に正解する必要があります。
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(2) 〇
縦、横それぞれ何枚ずつ取ることが出来るのかを考え、その積を求めるだけの問題です。
面積で考えないよう、気を付けましょう。
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(3) 〇
202=2×101なので、1~202のうち、2でも101でも割り切れない数の個数を求めましょう。
こちらも基本的な問題なので、落とせません。
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(4) 〇
基本的な約束記号の問題です。
□を用いた式を立てて、逆算して考えていきましょう。
ここまでの大問1は例年と比べても易しめです。
確実に満点を取っておきたい内容です。
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大問2
(1) 〇
解答例のようにAを①とおくと、Bは②-3、Cは③+13と求めることが出来ます。
こちらも基本的な問題です、確実に正解しましょう。
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(2) △
解答例のように「2桁のもの」「3桁のもの」「4桁のうち千の位が1のもの」と丁寧に場合分けをして調べましょう。
やや処理量の多い問題なので、いったん後回しにしても良いでしょう。
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(3) 〇
解答例では何分ごとに8の倍数の角度になるのかを求めました。
ただ重なるまでの180°までに8の倍数が何回出てくるか、また重なって以降の150°までに8の倍数が何回出てくるかを考えた方がスムーズかもしれません。
いずれにせよ確実に正解しておくべき問題です。
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(4) 〇
「ヒポクラテスの月」と呼ばれる知識問題です。
色のついた部分と△ABCの面積が等しくなることは、豊島岡女子学園を志望する生徒にとっては常識でしょう。
理解が浅い生徒は3辺が3cm、4cm、5cmの直角三角形などで確認しておきましょう。
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大問3
(1) △ (2) △
線分図で整理しても良いですが、「複数の点が行ったり来たりする」問題なので、ダイヤグラムで把握することも有効です。
解答例のようにBの行きを③分、帰りを②分とおくことで、速さや距離も比で整理することが可能です。
学習量や理解度、解法の選択で差のつく良問でした。
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大問4
(1) 〇
「AG:GEを含む相似を探す」という方針で考えましょう。
もとの図のままでは見つからないので、内部に補助線を引くか、解答例のように外側に延ばして相似を作りましょう。
豊島岡女子学園を目指す受験生なら、何度も経験してきた考え方でしょう。
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(2) △
四角形BHGFをどのような方針で求めるかがポイントです。
解答例では、(1)を利用して台形ABCDの高さを4とし、△FBCから△GHCを引くという方針で解き進めました。
他にも様々な解法を選択できる問題です。
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大問5
(1) 〇
題意の確認問題です。
問題文が長く、一読するだけではQの動きはやや分かりにくいものの、「例えば、」以下を読むことで確実に把握する必要があります。
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(2) △
問題文の言い換え方がポイントです。
解答例のように、Qが頂点Bで3回止まる→2周と1辺→9辺→Pが9周→Pが36回と考えていきましょう。
意味さえ正しく把握できれば、決して難しくはない問題です。
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(3) △
(2)と同様に言い換えて考えましょう。
Pが300辺→Pが75周→Qが75辺→Qが18周と3辺、と考えていくだけの問題です。
この大問は、算数が苦手な受験生でも完答を目指したいところでした。
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大問6
(1) △
正面から見た台形にちょうど入る正方形を考えましょう。
右下の三角形の直角を挟む2辺が1:2になることを利用します。
(2) ×
正面から見た図と真上から見た図で考えます。
内側の立方体の頂点がLMの中点のOとGを結んだ直線上に来ることから、1:4の相似を利用しましょう。
状況を捉えにくい難問です。
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(3) ×
下から8cmで切った時の断面を考えると状況を捉えることが可能です。
解答例のように数値を決定することが可能です。
今度は(2)の時と同じように正面から見た図で考えましょう。
かなりの難問なので試験中は後回しにした方が賢明だったかもしれません。
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2020年第1回は受験者平均点が56.52点、合格者平均点が68.95点という結果になりました。
合格者平均点が8割近い年度も少なくない例年の豊島岡女子学園の算数の難度と比べると、やや難しめの出題だったと言えるでしょう。
大問1と大問2は例年よりもむしろ易しく、しかも得点差のつきにくい出題だったので、やはり大問3以降の難問での出来具合が合否を分けたと言えそうです。
合格のためには、大問1で 20/20、大問2で 15/20を確実に正解し、大問3以降で30/60の半分を取ることが目安になるでしょう。
ただ算数の得意な受験生なら、大問6(2)(3)以外を試験中に解き切って大きなリードを得ることも可能です。
また算数の苦手な生徒でも、大問3か4のいずれかと大問5を正解できれば合格ラインには乗せられます。
豊島岡女子学園の算数は、得意な生徒にとっては差をつけやすく、また苦手な受験生でも戦略次第で合格ラインには乗せられる、努力の報われやすい出題になっています。
2021年以降に豊島岡女子学院中の合格を目指す受験生の皆さんは、入念な準備をして算数の不安を出来る限り小さくできるよう、頑張りましょう。
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