算数の想定合格点 100点
受験者平均点 84.1点
合格者平均点 107.1点
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聖光学院中学校の学校の特徴や傾向分析、2018年の第1回の算数の分析はこちら
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神奈川御三家と言うより、むしろ進学実績は全国有数。
トップクラスの学力を持つ首都圏男子受験生の多くが集う受験が大激戦であることは言うまでもありません。
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ここから早速、聖光学院中の第1回の入試の算数において、どのように得点できた受験生が合格を勝ち取ることが出来たのかを見ていきましょう。
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〇:合格のためには必ず正解したい
△:差がつく問題なので、出来れば正解しておきたい
×:やや難度が高く、出来なくても仕方がない
として小問ごとに見ていきます。
解答例はこちら
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大問1
(1) 〇
基本的な逆算です。
0.75や3.125を分数で計算処理すること、答えを出し終わったら代入して検算することが大切です。
確実に正解しておきましょう。
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(2) 〇
解答例のように区切ると、1組は1から始まる2個、2組は2から始まる3個、3組は3から始まる5個・・・となります。
1+3+5+・・・という奇数の和が平方数になるという知識を持っていれば、2020に近い平方数を探せばよいと考えることが可能です。
基本問題と言うわけではないですが、聖光学院中の合格を目指す受験生ならば正解しておきたいところです。
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(3) 〇
きわめて基本的な時計算です。
長針が短針に追いつく前と後をそれぞれ考えましょう。
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大問2
(1) 〇
題意の確認問題です。
正確に作業し、確実に正解しておきましょう。
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(2) △
333から戻る樹形図で整理すると良いでしょう。
3の倍数以外は出てこないこと、出来る限り3で割っていくことを心がければ、そこまで作業量も多くはありません。
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(3) △
「3を足すと偶数・奇数が入れ替わる」「3をかけても、偶数・奇数はそのまま」という特徴に気づけるかどうかが鍵になりました。
今回は最初が奇数で最後が偶数なので (A,B)=(1,5) (3,3) (5,1)の3種類となり、あとはそれぞれ何通りかを求めましょう。
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(4) △
(2)と同じように36から遡って調べていきましょう。
丁寧に調べていくだけの問題で、決して難しくはありません。
(3)の解法が思いつかなかったとしても、チャレンジすべき問題でした。
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大問3
(1) △ (2) △ (3) △ (4) △
複数の点が行ったり来たりする問題ではダイヤグラムでの整理が有効です。
少し時間はかかりますが、ある程度の精度を意識しながら、解答例のように整理しましょう。
あとは今回は船Xと船Yの速さが等しいので、平行を利用した相似を活用して時刻を書き込んでいくことで完答することが可能です。
満点を取れるか、全く点が取れないか、差のつく問題と言えるでしょう。
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大問4
(1) (ア) 〇 (イ) 〇 (ウ) △
投影図から見取り図に描きかえる、立体感覚の問われる問題です。
解答例のような見取り図になることを確認しましょう。
(ウ)では立方体の半分である10cm×10cm×5cmの四角柱から、右の三角錐、左の三角錐、正面の四角錐を除くと考えると良いでしょう。
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(2) ×
見取り図で把握することが出来ても、その後どう解けばよいのか方針を立てにくい難問です。
今回はS,TがBHを3等分することに気づくことが出来れば、三角錐B-FGHを3等分すると考えることが出来ました。
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大問5
(1) △
点Pが直線BFも1:2に分けることに気づくと、正六角形分割で頻出のパターンになることに気が付きます。
△PAFと△PCDの面積比が2:1になること、△PCDと△PFEが線対称であることなどを利用しましょう。
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(2) ×
1/4が2個で既に1/2、比較的大きな面積であることを意識しましょう。
解答例のように1/4が隣り合う場合と、間に三角形をはさむ場合で分けて考えますが、試験会場では色々と手を動かしながら特徴を見つける方が現実的かもしれません。
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(3) ×
(2)の2つの場合から、Pの位置関係を考えます。
解答例のように対称性を利用することで処理量を抑えることもできるでしょう。
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このように2020年の聖光学院中 第1回の算数は前年と同じような平均点になりました。
ただ2020年第1回は〇のサービス問題が少なく△が多く、×も難しすぎない、実力差が明確に出る出題だったと言えるでしょう。
最高点は150点の満点、見事なものです。
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合格のためには
大問1で30/30、大問2で7/30、大問4で14/30を確保し、出来れば大問3を完答。
あとは大問2、大問4、大問5の取れるところをかき集めて100/150に乗せる、という戦略が効果的だったと言えそうです。
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2021年以降に聖光学院中への合格を目指す皆さんは、頻出分野に捉われすぎることなく、まずは日々の学習を進めましょう。
数・図形・速さの各分野がバランスよく出題されるので、努力は裏切りませんよ。
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