この記事を書いたのは...
松田 浩志
自律学習サカセルでは算数・国語、主要2科目を担当。
大手進学塾では、教務主任職として、校舎全体の運営を担当し、日曜日の志望校別コースの最上位クラスから自校舎の基本クラスまで、算数・国語の両科目で毎年幅広くクラスを担当してきた。
現在の趣味はファッション。
もともと古着が好きだったのですが、現在は「キレイめ」なファッションが好み。
個別指導・家庭教師の自律学習サカセル
サカセルコラム
早稲田アカデミー(早稲アカ)の夏期講習5年生はどう過ごすべき? Column
以前早稲田アカデミー生の夏期講習において気を付けることを解説いたしましたが、今回は5年生に絞って具体的に科目ごとの解説などをしてゆきたいと思います。
「受験生の夏は天王山」「秋風吹いたら…」というように受験生の夏の重要性についてはよく語られております。実際、受験生達にとっては夏が勝負の分かれ目になっていることは明白な事実でしょう。
しかし、一方で5年生の夏も「超重要な勝負所」であり、ここで今後の命運を大きく左右することに繋がります。
これはカリキュラムに関係があります!
四谷カリキュラムでは2学期から算数の比、国語では文法、社会では歴史といったように重要な新出単元が登場します。
これらが登場する前に今までの学習内容を復習する大きな機会がこの5年生の夏というわけですね。
さらに、2学期からの単元の先取り学習を大幅に行うのもこの夏であり、ここでしっかり先取り学習への理解を深めておけば、2学期以降の学習に大きなアドバンテージを作ることができます。
つまり、5年生の夏は「今までの学習内容を復習する守りの役割」と「これから先の学習で周りのライバル達に差をつける攻めの役割」があるわけですね。
そして、四谷カリキュラムでは5年生で単元はひと通り終了となり、6年生からは復習や今までの内容をおさえた上での発展的な学習がメインになります。
つまり、6年生の時点で復習メインになってしまうか、発展的な内容を学習できるかは5年生の夏の先取り学習が大きく関わっているわけです。
もちろん、2学期や冬休み、そして3学期でしっかりやり込めればこの限りではありませんが、夏という大きく時間を取れる時間はありません。ですので、やはり5年生の夏が受験の重要な起点と言えるでしょう。
それでは一体どのように有意義な夏を作っていくかをお話していきましょう。
しっかりプランを立てましょう!
プランは
の3点を作っていけば良いでしょう。
「大目標」は様々あると思いますが、夏以降の成績動向が一般的ですね。9月〜12月にかけての組分けテストの結果で現在の数値のプラス5〜をまずは目指してみましょう。
気をつけたいのが、夏の終わりにある組分けテストでは「復習内容」しか出ませんので、「先取り学習の成果は秋からの組分けにようやく反映されます。ですので、夏の終わりの組分けで結果が出なかったからといって落胆しないでください。夏での努力が無駄になることはありません。
「中目標」では具体的な単元などの克服を課題とすると良いでしょう。
この辺りは苦手単元をよく知る担当講師などと一緒に考えるのもありですね。
自律学習サカセルでもいつでも相談に対応しておりますので、お困りのことがございましたらお気軽に問い合わせフォームよりご連絡ください。
「小目標」では毎日のスケジュールをはっきりさせていきます。
夏のスケジュールを予めしっかりと作っておき、習慣化していければお子様も負担に感じなくなりますので、夏の前にしっかり組みたいですね。
まず、このプランやスケジュールはお子様と一緒に作りましょう!
よくあるのが、親側が張り切って勝手に作ってしまい、お子様に無理強いしてしまうことです。これで上手くいくご家庭もありますが、上手くいかない場合もございます。
お子様に当事者意識を持ってもらい、「今日の授業は僕の苦手単元だからなんとか克服したい!」といったように、その日のその日に目的意識を持たせることが大切です。
次に、休みも入れてあげましょう。
ある意味最後の小学生としての夏休みです。
完全に缶詰めはやり過ぎですので、本人と話し合った上で遊びの時間や友人と遊ぶ日、旅行の日などを設けてあげたいですね。
間違っても1日10時間絶対にやらせる……なんてことにならないようにしたいですね。
(お子様の趣味が勉強の場合は別ですが……)
最後にルールを破った場合のペナルティです。
ペナルティを作るのには賛否両論ありますが、お子様に合わせて考えて作っていきましょう。
親側が感情的になってしまうと精神的にも疲労がたまりますし、親子喧嘩で数時間無駄にする…なんていう非合理的な時間の使い方になってしまします。
予め決めておいたペナルティを機械的に与えることで喧嘩の時間を省略するとともに、親側が一切の妥協をしないという姿を見せましょう。
それでは次に科目ごとの話に移ります。
簡単ではありますが、夏のポイントをはっきりさせていきましょう。
重要な単元をピックアップしていますが、お子様によって学習の緊急度や重要度は大きく変わってきます。しっかりと効果的な学習をする上でも、大事な部分を見極めてる必要があります。
まず、1学期に学習した速さは何としてもしっかり復習しておきたいですね。
中学受験の算数における3大テーマのうちの1つであり、2学期には比を使った速さの問題も登場します。つまり基本的な速さの単元への理解をここで深めておくことは非常に重要であり、緊急性の高いものといえます。
また、場合の数も合わせて復習しておきましょう。
5年生においては計算で数を出すことが求められます。
樹形図を卒業し、ある程度理屈を理解しておきましょう。
次に比ですね。
比は2学期から登場する算数の抽象的な概念の1つです。
この比を使いこなせることで複雑な計算を容易に正確に計算できるようになります。
強敵ではありますが、仲間にしてしまえば随分楽に2学期を進められます。基礎的な部分だけでも構わないので、なんとしてもできるようにしておきたいです。
算数は比という新出単元の登場により、2学期で大きく差がついてきます。しっかりとこの夏で基礎的な部分を理解し、2学期での飛躍に繋げていきたいですね。
国語では品詞分類が登場します。
入試において、ものすごく出てくるわけではありませんが、しっかりと理解をしなければなりません。無理に暗記をする必要はありませんが、しっかりと見分けができるように知識をある程度まとめておきましょう。
また、非常に長い時間問題に接することになりますので、しっかりと解法を体系化していきたいですね。「抜き出し問題の解き方は?」「記述の解き方は?」といったように「この問題の時はこう解く」というのを体系化していきましょう。
理科では2学期から様々な計算系の単元が登場します。
水溶液系の化学単元や電流やバネやテコ、物体の運動といった物理単元ですね。
この辺りの理屈や解法のコツの理解が非常に大事になります。
特に算数が苦手なお子様にとってはキツくなりますので、1学期でやったてんびんとばねなどの単元はしっかりと理解を深めておきたいですね。
また、1学期に行った生物単元は知識事項は多いのでしっかりと復習しておきたいです。
社会ではこの夏が地理の最後になります。
2学期からは歴史に入るからですね。
中学受験の5割近くを占める地理はこの夏である程度まとめておきたいです。
「〇〇県といえば、AとBだなぁ」「〇〇地方にはC山脈が」といったように最低限の知識がすぐに出てくるようにしておきましょう。
そして、点と点で覚えるには限界がありますので、ある程度関連付けを行なって理解を深め、簡単に頭から抜けないようにしておきたいですね。
また、歴史の先取りをしっかり行うことが重要です。量の割に時間が少ないので、ある程度の余裕を持てるように夏を上手に使いたいですね。
ここまでいかがだったでしょうか?
夏が中学受験の大きな分岐点であることはご理解頂けたのではないかと思います。
お子様の飛躍のためにも準備をして夏を迎えたいですね。
目標は何か、そしてその目標のためには何が必要で、何が邪魔をする要因なのかをはっきりさせて夏を迎えましょう!
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自律学習サカセルでは算数・国語、主要2科目を担当。
大手進学塾では、教務主任職として、校舎全体の運営を担当し、日曜日の志望校別コースの最上位クラスから自校舎の基本クラスまで、算数・国語の両科目で毎年幅広くクラスを担当してきた。
現在の趣味はファッション。
もともと古着が好きだったのですが、現在は「キレイめ」なファッションが好み。