この記事を書いたのは...
羽田慶子
日能研、個別塾などでの国語の指導経歴は15年以上。
生徒さんとご家庭の要望にフィットした指導を心がけております。
最終的には国語のおもしろさに気づいてもらうことが一番大事だと考えております。素材文によって様々な知識や考えに触れ、たくさんの本を読めるような生徒さんを育てていきたいです。
個別指導・家庭教師の自律学習サカセル
サカセルコラム
日能研の夏期講習4年生の過ごし方(国語編) Column
今回は日能研の夏期講習、4年生の過ごし方についてお伝えしたいと思います。
現在通室中の方はもちろん、夏期講習を体験して後期からの入室を考えている方もいらっしゃるかと思います。有効に活用して後期につなげたいですね。
日能研の夏期講習は標準コースで4科目各6回、24回を6日間で学習します。一日に2科目を2コマずつ、計4コマで午後の早い時間には終了。
子供たちは夏休みを楽しむ時間的な余裕もあります。
そこで以下2点に分けてお伝えしたいと思います。
・夏期講習中の家庭学習
・夏休みにしてほしいこと
私は国語の講師なので、国語の学習が中心になりますが、他の教科の取り組み方についても参考にしてください。
国語テキストは説明文・物語・詩+漢字・語句で構成されています。
授業で学習した範囲をチェックするとともに、文章の内容を理解しているかお子さんに確かめることをお勧めします。説明文と物語のチェックポイント、漢字学習と音読について説明します。
まずは話題がわかることが大事です。
何について説明した文章なのか、例えば「えんぴつ」や「アリ」などのキーワードを上げられれば大丈夫です。キーワードがずれていたら修正してください。
これができたら、そのものについてどんなことがわかったか聞いてみましょう。
問題では接続語に注意してください。「だから・しかし・たとえば・つまり」など基本的なものを間違えているようなら文章を読んでいないか、それらの役割がわかっていないかです。後期から本格的に接続語の学習が始まるので、しっかり正解できるように用法を確認してください。
基本は「いつ・どこで・だれが・どうした・どんな気持ちか」を説明できることです。
まずは「だれ」登場人物を、次に主役とわき役を聞いてみましょう。
主役は「変化する人」わき役は「主役を変化させる人」です。(ちなみにそれ以外は「ちょい役」です。あまり気にしなくて大丈夫です。)
あとはどんなお話か(できごと)を聞きますが、この時できごとを短くまとめられるのはかなり優秀なお子さん、大抵はダラダラ話しがちです。今の段階ではそれで構いません。大きな間違いがなく説明できれば大丈夫。うまく説明できないようであれば「主人公がいつ・どこにいて・どうしたの?どんな気持ち?」などと水を向けたり、補ってあげたりしてください。
その後は家庭学習の範囲を取り組ませます。答え合わせはできればお家の方がしてあげてください。
夏期講習のテキストに毎回漢字と言葉の問題が出ます。
大抵は塾で書かせているので、間違えたものを練習させましょう。
この時必ずマス目のノートに書かせること。正しく書けているかご家庭でチェックしてください。
言葉の意味がわからないとすぐに忘れてしまいます。難しい言葉は意味を教えてあげると効果的です。
「うちの子は読むのが遅くて、テストは読んでるうちに終わっちゃうの…」という声、よく聞きますね。後期からはどんどん長文になっていくので、黙読スピードは必須です。
音読と黙読のスピードは比例するので音読練習をしましょう。
ちなみに我々講師が範読するスピードは400字/1分、黙読はその3倍、1200字/1分程度です。
音読が得意ですらすら読めているならOK。どんどん読ませてください。
苦手な子はどこでつかえるのか注意してみてください。
・平仮名の区切れがおかしい⇒語彙として定着していないため予測できないせいです。区切れ目に斜線を書き込んで何度か練習しましょう。
・漢字が読めない⇒振り仮名を書き込みましょう。
・一行飛ばしが多い⇒縦書きテキストに沿って目を上⇒下、右⇒左に動かすことが苦手なタイプです。定規をあててずらしながら読むなどの工夫をしましょう。
但し苦手なお子さんに長文を全て音読させるのは苦痛を与えるだけです。20行程度に区切って、何度か練習するのが効果的です。たとえば1分でどのぐらい読めるのか計り、3回繰り返して読める範囲が増えたらほめるなど、お子さんのやる気を引き出せると良いですね。
ことわざ、慣用句、四字熟語などは5年以降にたくさん出てきますが、一度に覚えるのは大変です。今のうちから積み上げておきましょう。
市販の教材でも良いですし、がっつり取り組みたい方は四谷大塚の「漢字と言葉4年上下」もおすすめです。
漢字の筆順があやしいお子さんはなぞり書きのできるドリルを利用しましょう。入試頻出ではありませんが、筆順が正しければ書き間違いも減りますし、キレイに書けます。
このような基礎は、5年以降取り組む時間がありません。時間に余裕のある今のうちに準備しましょう。
5~6年の夏期講習はとても忙しくなります。ゆっくり親子で過ごしたり、旅行を楽しんだりするのは4年生が最後のチャンスかもしれません。この機会に様々な体験から学んでほしいですね。国語学習の基礎知識としていくつかお勧めします。
日本家屋
今はマンション暮らしが標準仕様ですので、例えば「日本文化」についての説明文を学ぶとき、「和室・和食」の概念がなくて困ることがあります。
帰省などの機会があれば良いですし、古民家や神社仏閣を見学して「畳・ふすま・瓦屋根」のある日本家屋を体験させてください。
戦争物のドラマや映画
現代っ子は「貧しさ」がわかりません。文房具や食べ物のない辛さを学んでおきましょう。防空壕、学童疎開、配給なども知っておいてほしいですね。
この他、夏の風物詩である花火や盆踊り、海水浴、田舎で星を見るなども良いでしょう。
いかがでしたでしょうか。4年生の夏休みを有効に利用して、後期からの学習に備えてください。
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羽田慶子
日能研、個別塾などでの国語の指導経歴は15年以上。
生徒さんとご家庭の要望にフィットした指導を心がけております。
最終的には国語のおもしろさに気づいてもらうことが一番大事だと考えております。素材文によって様々な知識や考えに触れ、たくさんの本を読めるような生徒さんを育てていきたいです。