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慶應系列の学校は中学受験すべき?高校受験すべき? Column

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慶應系列の学校は中学受験すべき?高校受験すべき?

2023.04.07

2021年に芝・新銭座から三田に移転して150周年となる慶應義塾大学。

2008年は薬学部が設置され、2023年には歯学部を設置予定と、医歯薬学部を含めて、伝統的な学部はほぼ全て設置しているのではないかと思われる超難関校です。

2016年からの私立大学の定員厳格化による上位校・中堅校の難化、2021年からの大学入学共通テストの先行き不透明な点から、付属校自体が人気となっている昨今。

ここからは中学受験・高校受験で受験できる慶應義塾大学の付属校(NY学院は除く)を紹介し、中学受験から目指すべきか、高校受験から目指すべきかについてお話できればと思います。

●付属中学

①慶應義塾普通部(以下、普通部と表記) 男子校

試験日 2/1
定員 180名

※2021年度入学より、慶應義塾湘南藤沢高等部への進学はできなくなっています。

傾斜配点なしの各科目合計400点満点。

算国40分、理社30分でスピーディーに問題を解く必要がある学校です。

②慶應義塾湘南藤沢中等部(以下、湘南藤沢中と表記) 共学校

試験日 2/2
定員 男女70名 帰国生30名

※他校とは違い、慶應義塾湘南藤沢高等部のみ進学可能です。

算数国語100点、理社50点の合計300点満点。

算国45分、理社25分の試験で、国語では作文の出題もある学校です。

③慶應義塾中等部(以下、中等部と表記) 共学校

試験日 2/3
定員 男子140名 女子50名

※2021年度入学より、慶應義塾湘南藤沢高等部への進学はできなくなっています。

算数国語100点、理社50点の合計300点満点。

算国45分、理社25分の試験で、比較的問題の難易度が平易なため、合格に高得点が必要と言われている学校です。

●付属高校

①慶應義塾高等学校(以下、塾高と表記) 男子校

試験日 2/10
定員 男子330名 推薦40名

1学年が700名を超える超マンモス校です。

付属の普通部・中等部に通う生徒の多くはこちらに進学します。

②慶應義塾女子高等学校(以下、慶女と表記) 女子校

試験日 2/10
定員 女子80名 推薦20名 帰国生若干名

中等部の女子が100名弱、高校から入学してくる生徒が100名ほど進学する女子校です。

首都圏の3科目試験を実施する学校の中だと、最難関レベルの学校です。

③慶應義塾志木高等学校(以下、志木と表記) 男子校

試験日 2/7
定員 男子190名 推薦40名

付属校から進学する生徒よりも、高校から入学してくる生徒が多い学校です。

試験日が東京の私立高校の入試解禁日の2/10よりも早いことから、受験者が例年1100名、多い年は1400名を超える学校です。

④慶應義塾湘南藤沢高等部(以下SFCと表記) 共学校

試験日 2/10
定員 神奈川・東京・千葉・埼玉以外の全国若干名 帰国生20名

高校からの入学者は地域を限定した「全国枠入試」と「帰国生入試」のみとなっていて、

近隣4都県に住む生徒は受験不可、という変わった形式となっています。

●医学部の推薦枠

私立大学の医学部でも最難関の慶應義塾大学。

各付属高校から、医学部の推薦枠はどれくらい出ているのでしょうか。

2020年度のデータを紹介します。

①塾高 医学部22名 卒業生732名
②慶女 医学部5名 卒業生202~204名
③志木 医学部7名 卒業生255名
④SFC 医学部7名 卒業生255名

概ね33~40人に1人くらいの割合で医学部の推薦枠が用意されていることがわかります。

塾高は1クラス約40名。
慶女は1クラス約40名。
志木は1クラス約32名。
SFCは1クラス約40名。

「クラスで1番を取る生徒」が「医学部に行ける」という認識で良さそうですね。

●慶應義塾を目指すべきなのは中学受験か?高校受験か?

私は中学受験・高校受験のどちらも指導経験があり慶應義塾の付属中、高全てで合格者に導いてきた経験があります。

正直なところ…

中学からでも高校からでも入りやすさはそこまで変わらないのではないかと感じています。

中学から入る場合、小学校4年から6年まで中学受験の塾に入る必要があるかと思います。慶應義塾の受験は3校できますが、正直に言って1人で3校とも合格するのは至難の業です。

私は普通部・中等部の2校合格しか経験がありません。

やはり各校とも個性的な試験形式になっているのが大きく、3校ともに対策を講じるのは多くの優秀生にとっても、「負担が大きい」です。

また高校から入る場合も、中学3年の時に、私立の最難関校に合格していく子は、各塾のトップクラスの生徒です。その多くが、中学1年から中学3年まで難関私立向けの塾に通い、難関私立向けの対策を積み上げた生徒です。

公立中学の定期テストでトップクラスだからと言って、私立向けの問題にいきなり対応できる子はほとんどいません。

中学入試のトップ層は確かに中学受験で抜けていきます。

ただ、それ以上に英語と言う科目の存在が大きく、「中学受験経験者」だとしても、コツコツと積み重ねが出来ない子は英語で高得点を収めることはできないです。

慶應義塾の付属高校の英語は他の私立や公立校とは比べ物になりません。

これは、英語が難しいと言われる慶應義塾大学の入試とも似ていると言えますね。

女子の場合はそもそも付属校の定員が少ないため、中学入試から高校入試に鞍替えしても「合格確実」とは言えないでしょう。

ですから、「受験の機会を増やす」という意味で、「中学受験」から慶應義塾の付属校にチャレンジすべきであると私は考えます。

早稲田と違い、高校から受験できる付属校・系属校が新たに増えるわけではないというのが大きい理由です。


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増田 雄介

この記事を書いたのは...

増田 雄介

圧倒的な指導力、学校別の専門性の高さ、そして面倒見の良さを持つ自律学習サカセルの国語・社会の看板講師。

その驚異的な指導力を武器に、大手集団塾の開成中コースの国語担当や有名個別指導塾のリピート率1位の凄腕講師として活躍。
成績が本当に伸びる実戦的な指導に目を付けた自律学習サカセルからのスカウトを受け、満を持して文系科目の講師として指導開始。

個別指導の業界では指導力No. 1の呼び声も高く、逆転、順当のどちらの合格にも強く、生徒のレベルに関係なく指導できる幅広さを持っている。

生徒だけでなく、自分の子供の成長を見守るのが楽しみな一児の父でもある。
趣味はぽっちゃりの自分でも着られるファッションの構築。

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