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自律学習サポーター
自律学習サポートコースで、学習管理や科目の質問、採点などを担当する講師陣。
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個別指導・家庭教師の自律学習サカセル
サカセルコラム
広尾学園 学校紹介【前編】 Column
東京都港区。ハイブランドな街中に全面ガラス張りの大きく、綺麗な建物があります。それが広尾学園です。東京メトロ日比谷線「広尾駅」から徒歩1分で通学しやすく、近くには商店街もあり、ちょっぴりお高いですが、美味しいランチが食べられます。都営バスもあるため、バス通学も可能です。しかし、大部分の生徒は電車通学でした。そのため、毎朝7:50~8:10は、広尾学園生で電車が混雑しています(通勤ラッシュの時間帯とも被るので乗れずに、遅刻する生徒をしばしば…)。少し早いですが、7:30を目安に登校すると余裕を持って乗れます。部活の朝練のために早起きするのは辛いのですが、電車は快適でした。
電車通学の2大巨頭は「恵比寿」派と「六本木」派です。私自身は、家が新宿の方だったので、「恵比寿」派でした。渋谷が近い「恵比寿」派が優勢だったように思います。実際、私が学生の頃は、仮に放課後遊ぶなら、恵比寿のカラオケ・マックか、渋谷のボーリング・IKEAでした。たまに「六本木」派の友達と六本木のTOHOシネマで映画を観ていました。
麻布中学・高等学校が近く、広尾駅から広尾学園を素通りして、見えてくる交差点を右に曲がると着きます。と言ってもあまり関わりはなく、ときどき広尾の文化祭で麻布生がいるのを見かけるくらいでした。また、周辺には大使館が多く、特にオマーン大使館は隣接しているので、よくテニス部がボールをオマーン大使館まで飛ばしていました笑。その他にも有栖川宮記念公園があり、定期試験前・大学受験前になると多くの広尾学園生が東京都立中央図書館で勉強する姿が見られます。本当に綺麗な場所で、勉強するにはうってつけです。
広尾学園の特徴と言えばコースが3つに分かれていることでしょう。本科コース、医進サイエンスコース、インターナショナルコースです。(授業・行事についての特徴は後述します。)人数比で言うと、本科コースが4クラス、医進サイエンスコースが2クラス、インターナショナルコースが2クラスです。(インターナショナルコースは、一般生(SG)と国際生(AG)がおり、人数比2:1です)
科学的な研究も行うコースです。それぞれが研究をし、論文を作成するため、ある分野に突出した専門性を身につけることが出来ます。医進サイエンスコース専門の先生方(研究者でもある)も多く在籍し、通常の先生からは学べない専門的な知識、またコネクションが手に入ります。私の同期で特に優秀な人は、学会発表をして何かの賞を獲っていました。この経験は、大学生になった今、とても羨ましいものと感じます。ただ私自身は本科コース(以下、本科生)だったのですが、医進サイエンスコース(以下、医サイ)の友達は、遊びに誘っても「研究がやばい、、」と言ってずっと忙しそうだったのを覚えています。研究のために部活の出席も難しい人が多い印象です。上手くやっている人ももちろんいましたが、学年でも特に器用で、要領の良い鉄人のような人でした。
海外志向が激つよのコースです。前述しましたが、クラスの1/3が国際生で、日常会話が英語という人に囲まれて過ごすことになります。先生もネイティブで、ホームルームなどは全て英語です。一部の授業(国語や社会、SGだと数学なども)は日本語で行われます。しかし、何といっても日常会話に英語がある点、SG生であっても英語のレベルはとても高くなります。例えば男子生徒の場合、あったときの挨拶は”Hello!”でなく、”Hey,bro!”や”What’s up guys!”でした。授業ではなかなか学べない日常会話を生徒同士で行うことで、自然な英語が身につくようです。高校進学時に希望すれば、本科や医サイに転科することが出来ます。高校もインターナショナルコース(以下、インター)の生徒は、本気で海外大学へ進学することを目標にします。そのため、日本の大学へ進学しようとする生徒は本科か医サイへ転科します(だいたいインターの半分ほどだった気がします、本科と医サイの割合は半分半分か、本科の方が多いです)。元インターの生徒と友達になって、私も英語を教えてもらいました。海外の雰囲気をまとう彼らは、私にとっても良い刺激で、学校生活がさらに楽しくなったのを覚えています。
本科コースの目標を端的に表すと、「日本の難関大学へ進学しよう」です。他2コースに比べて特徴の少ないコースですが、多くが大学受験強者に成り得ます。本科は、医サイ・インターに比べて、普段の授業にプラスで行うことが少なく(医サイであれば、研究。インターであれば英語の学習。)、のびのびと学習・部活動をすることが出来ます。また、他2コースに比べてクラス数が多く、友達がたくさんできるのも特徴です。中学までは、楽しい学校生活という印象が強いのですが、高校から大学受験を意識した授業が始まります。中学1年時のクラス分けはランダムなのですが、中2、3(4クラスの中から1クラス分)、高2、3(文理に分かれた2クラスからそれぞれ1クラス分)では特進クラスがありました。他のクラスと比べて学習進度が早く(定期試験の範囲は同じです)、応用問題まで行います。私自身4年間特進クラスに在籍していましたが、やはり学習意欲の高い同級生とクラスを共にすると嫌でも勉強をする気になりました笑。そのころの同級生は、東工大や一橋大、東大、京大、医学部など、大学受験の結果も優秀でした。
以上、3つのコースについて説明しました。それぞれのクラスで目標が異なるので、あまり関わりは少ないように感じますが、実際には体育などの合同授業、合宿、部活動、留学プログラムでは、一緒になるので、接する機会は多いです。
また、全体的な特徴として、英語志向であると言えます。インターはもちろんのこと、本科でも医サイでも中3までに英検2級という目標があり、週に1回英単語50個のテストがありました。その中で身につけた単語力は、大学受験においてもかなり役立ちました。生徒も全体的に英語が得意な人が多いです。
ICT教育に力を入れていることも特徴です。本科であればiPad(いまはChrome Bookかもしれません)、医サイはChrome Book、インターはMac Bookを用いて、学習を行います。学習教材として、ICT機器を積極的に用いるのは、そういったものを嫌悪せずに利用しようとする心構えを育むのに有用です。私自身、ExcelやWord、Gmailなどのツールが、委員会や生徒会での情報管理に使いやすく、自分から勉強しようと思えました。大学の部活の幹部になった今でも、そのとき学んだExcelの関数は重宝しています。ただ、道を間違えるとただのYoutube再生機器になってしまう点は注意が必要です。友達の何人かはIpadで11時間もYoutubeを観ていました。さすがに引くレベルです。その中の一人は、そこからPCについて詳しくなり、転じて美大へ行き、デザインを専攻しています。何がきっかけで将来の目標が決まるのかは、わからないものですね。
広尾学園の校舎は広くなく、L字となっています。ながーい廊下がそこにはあります。走りたくなりますね笑。走るとかなり怒られます。
体育館は二つあり、メインアリーナと少し小さいサブアリーナです。半地下となっており、普段はバスケ部、バド部、バレーボール部、新体操部、チア部が使用しています。体育もここで行います。校庭は3階の屋上にあり、フットサルのコート1個程度の大きさです。人工芝で、ここでも体育を行います。サッカー部、陸上部、野球部がメインで使用します。5階の屋上には、テニスコートが1面あります。プールはありません。
広尾学園で有名なのが、6,7階に位置するサイエンスラボです。主に医サイの研究で使うそうなのですが、本科・インターも実験の授業で使います。一人1台光学顕微鏡があり、植物の種や組織、鶏の脳を観察しました。ドラフトチャンバーや遠心分離機、サーマルサイクラーなどもあり、かなりテンションが上がる空間になっています。
1階の入り口すぐのところにカフェテリアがあります。昼は、学食を食べる生徒で溢れています。かなり学生にはありがたい金額で、定食やカレーなどが売っています。購買にはパンが販売されていて、授業間の休憩や放課後に小腹を空かした生徒が買いに行きます。個人的にチュロスは100円くらいでかなり好きでした。
最後に各教室にプロジェクターがあるのも特徴です。授業内でもプレゼン発表や、動画資料の視聴も多いです。また、クラスでの席替えをリアルタイムで手軽に出来るためとても楽しかった記憶があります。私は、黒板を擦る音がとても苦手だったのでホワイトボードであったのもありがたかったです。粉っぽくもありませんし。
基本的に週2~3回で、ぼちぼち緩いです。忙しさはピンキリで、週1あるかないかの部活もあれば、ほとんど毎日練習がある部活もあります。ダンス部やチア部は、全国大会まで行く強豪で、学外でも練習をしていたそうです。生徒自身もスタジオを借りて練習に取り組むほど熱心です。テニス部やサッカー部も忙しそうでした。人によっては、学内の部活の他に、外部のクラブチームに所属したり、部活動でなく、委員会・生徒会を全力で行ったりと様々です。私自身は、部活を転々として、最終的にバド部に落ち着いたのですが、とても楽しく、友達もできるため、何かしらの部活動に所属するのが良いと思います。高校時も受験勉強でたまったストレスを部活動で発散していました。コースを跨いで接する貴重な機会でもあります。定期試験1週間前からは、すべての部活動が原則休みになります。そのため、しっかり試験に臨む事ができます。
まず広尾学園で特徴的なのは、PLTという朝のホームルーム前に行う小テストです。数学と英語の日があり、学年相当の問題が出ます。授業進度と合致しているときもあれば、少し前に戻って復習の機会を与えるときもあります。10分という短い時間なのですが、これが積もりに積もって、強大な基礎を作ります。ただの筆記試験でなく、英語のリスニングがあり(リトルチャロを観ました)、耳を鍛えられました。このおかげで何も対策しなくとも、英検2級のListeningは苦戦しませんでした。
理科実験では、ただ実験するだけでなく、レポートでしっかりその現象を考察することが求められます。また、提出するレポートはS、A、B、Cとランク分けされ、友達と競いながらより良いレポートを求めて試行錯誤する機会になりました。ただでさえ設備が多く、環境が整った中での理科実験なので学ぶことが多く、先生方のフィードバックも丁寧なので、大学でも通じるレベルのレポート作成能力が身につきます。
ディベートの機会も多かったように思います。高校に入ってからは、単元が膨大なためか座学メインだったのですが、中学のころは「みんなで考えてみよう!」ということが多かったです。友達を作る良い機会になりました。
先程も述べたように、各教室にプロジェクターがあるので、プレゼン発表も授業内でたくさんありました。プレゼンを発表するには、スライド作成から始まり(一番つらい印象です)、台本作成、発表練習と準備が必要です。この準備を中学生から練習できたというのは、大学生になった今でもありがたい経験でした。同級生の発表も見られるので、お互いにプレゼンについて言い合って切磋琢磨できました。友達が作った「禅」についてのプレゼンは今でも記憶に残るほど面白かったです笑。テーマが渋すぎる笑。
コースにより、かなり異なります。本科は典型的な学生と言う感じで、ワイワイ、ガヤガヤしています。特進クラスでは大人しめの子が集まります。医サイは、独特な視点を持った子が多いです。個人的には研究者というイメージが強いです。もちろん活発な子もいます。クラス数が少ないため、医サイ全体で仲が良いです。インターは、ノリが海外で、ずっと騒いでいる印象です。友達を大事に思う気持ちが人一倍強く仲がとても良いです。英語もしゃべれるのでオシャレに見えます笑。友達としては楽しい人ばかりですが、先生からすると問題児な生徒が多く(特にAG)、大変そうだなとずっと思っていました。その中に飛びぬけた優等生がおり、東大が滑り止め、ハーバード大が第一志望という人もいました。結局ハーバード大に進んだと聞きました。凄すぎます。
全体でまとめると、クラス内での仲が良いです。私が6年間在籍している間は、いじめなどは特に聞きませんでした。先輩後輩との付き合いは、部活動に依ります。あまりないイメージです。(サッカー部やバスケ部等の団体競技では、関わりがある印象です)
広尾学園での6年間で身についたことを挙げるとキリがないので、他の学校の生徒と比べて自分自身の強みになっていることをお話します。大きく分けて「レポート作成能力」「プレゼンテーション能力」「英語力」があります。
「レポート作成能力」は前述の通り、専門的な先生方に自分のレポートを添削してもらえるため、レポートの項目ごとに何を書けばよいのか(背景・目的・使用器具・実験手順・結果・考察・参考文献など)を明確に教わります。広尾学園にいる間は正直、労力の割に成績がついて来ず、嫌々頑張っていましたが、今大学に入り、レポートを作成する機会が増えると、広尾学園で学んだことが大きなアドバンテージになっていることに気が付きました。
「プレゼンテーション能力」は、各授業を通したプレゼン発表やけやき祭におけるプレゼン発表で、成長することが出来ました。これに関しても、大学で発表の機会が増える中で、ありがたみを感じています。私の大学では、スライドを作ることはあまりなく、レジュメによる発表が多いのですが、質疑応答におけるアドリブ力や、堂々とした発表ができるのは、広尾学園でのプレゼンに鍛えられたお陰です。特に私は、医学部なので面接が多く、自分の意見を簡潔にわかりやすく説明しないといけないのですが、受験においても自分の得意分野としてあまり時間をかけることなく通過することが出来ました。
最後に「英語力」ですが、週に1回の英単語テストや、英語教師の豊富さに助けられ、英語を得意教科にしながら6年間過ごすことが出来ました。英語は一朝一夕に成長できるものではないので、毎日英語に接する環境が、土台を作ったのだと思います。
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