受験者平均点 59点
合格者平均点 71点
想定合格点 65点
城北中学校の2018年第1回の算数の出題分析はこちら
文武両道を実践する男子進学校として根強い人気を誇る城北中学校、城北高等学校。
充実した施設で部活動に打ち込むことが出来る環境が整っている一方、熱心な教員達による親身な指導にも定評があり、在校生からはもちろん、保護者からも厚い信頼を得ています。
中学受験においては3度の試験機会を設けることで、面倒見の良い男子進学校を目指す生徒から人気を集めています。
さて、ここからは2022年の城北中の第1回の算数の入試問題を通して、どのように取り組めば合格を勝ち取ることが出来るのかを考えていきましょう。
今回使用する指標
〇:合格のためには必ず正解したい
△:出来る生徒と出来ない生徒の差がつくので、可能な限り正解したい
×:正解できる生徒は少数、後回しにする判断も効果的
として小問ごとに見ていきます。
解答例はこちら
大問1
(1) 〇
基本的な計算問題です。
分数⇔小数の換算を意識し、確実に正解しましょう。
答えも1になるので、まずは安心できた城北中の受験生も多かったのではないでしょうか。
(2) 〇
やや処理量の多い逆算です。
2022=2×3×337
2021=43×47
など、年号にちなんだ素因数分解の結果を知っていたら、計算負担を軽減することが出来ました。
大問2
(1) 〇
ごく基本的な相当算です。
線分図で整理し、確実に正解しましょう。
(2) 〇
きわめて基本的な平均算です。
面積図でも天秤でも、自身が使いこなせる解法で確実に正解する必要があります。
(3) △
円・おうぎ形を利用した角度の問題です。
「中心から境目に補助線」のルールに沿って考えると、二等辺三角形が見えてきます。
誰でも正解できるような基本問題ではないので、もし手がかりとなりそうな図形が見つからなかったら、いったん後回しにしても問題ないでしょう。
(4) 〇
「30度の二等辺三角形」「斜辺の長さが与えられた直角二等辺三角形」という中学受験頻出の解法知識を用います。
(1)(2)と比べると難度は上がりますが、城北中への合格を目指す受験生なら平面図形の訓練は充分に積んでいるはず。
正解はたやすいことでしょう。
(5) △
条件に沿って絞り込んでいく倍数の問題です。
解答例では①②より条件に合うものを「4の倍数+1」と言い換え、③~⑥の全ての条件を満たすものを絞り込んでいきました。
方針が立たないようなら、後回しにしても問題ありません。
大問3
(1) 〇
多くの条件が与えられている中、どの条件を利用するかが問われました。
(1)では900mを10分で出会う箇所に注目し、次郎の上り+太郎の下りの分速の和を求めましょう。
このレベルなら正解しておきたい問題でした。
(2) ア △ イ △ ウ △
与えられた条件をヒントに、順に考えていきましょう。
アでは「次郎は900mを毎分30mで上るのに何分かかるか?」に注目すれば易しいです。
イは「太郎が1140mを毎分60mで下るのに何分かかるか?」と言い換えられるか、という問題でした。
ウはア・イを利用することで「太郎がQからRまで下るのに何分かかるか」が分かり、そこから求めていきましょう。
(3) △
(2)までで求めた条件を組み合わせて考えます。
次郎がウの2940mから900mを引いた2040mを分速30mで上るのに何分かかるのかを求め、その時間で太郎がPQ間を上ったことを考えると、PQ間の距離が求まります。
あとはイの19分と6分の和の25分で割るだけですね。
誘導の乗り方、条件の使い方で差がつく問題でした。
大問4
(1) 〇
立体図形と影の複合問題です。
正面から見た図と真上から見た図で状況を把握しましょう。
易しくはないものの典型題そのままです。
図形で差がつく城北中への合格を目指すなら、正解しておきましょう。
(2) △
(1)をヒントに考えましょう。
(1)は真上から見ると右下に向けて影が伸びていたので、同じ図に右上に向けて影が伸びている状況を描き足しましょう。
ここまでは勝負しておきたいところです。
(3) ×
(1)と同様に正面から見た図と真上から見た図で状況を把握します。
(1)と(3)の真上から見た図を重ね、どの頂点の影がどう移動したのかを捉えましょう。
計算量もやや多く、図の左下や右上など気を付ける箇所も多いので、難度は高めです。
答えのみが求められる城北中の算数においては、後回しにしても良かったかもしれませんね。
大問5
(1) △
やや題意を捉えにくい場合の数の問題です。
「1回目があいこか負けからの2連勝」と「2回目にあいこを挟む2連勝」を考えましょう。
(2) ア 〇 イ △ ウ △ エ △
問題の誘導に沿って丁寧に調べていきましょう。
アは交互に勝ち負けを繰り返す場合を考えるだけなので、易しいでしょう。
イは、あいこが何回目なのかに注目した丁寧な場合分けが必要なので、慎重に取り組みましょう。
ウはイと比べると易しいですね。
同じようにあいこが何回目かで場合分けをして調べましょう。
エはアからウそれぞれの場合で、最後に連勝する状況を考えればよいので、足すだけで答えが求まります。
(3) ×
(1)(2)の誘導に沿って考えますが、難度はやや高めです。
(2)のアイウの状況から連勝しないようにするためには2通りずつ考えられますが、その他にはじめの3回が全てあいこだった場合も考えましょう。
答えのみを問われ、また最後の問題ということもあり、正解できなくても問題ありません。
城北中の2022年第1回は以上のような出題となりました。
「受験者平均点は59点、合格者平均点は71点」という結果は、例年と比べるとやや易しめの水準です。
合格ラインは65点程度と想定されます。
この出題で合格ラインに乗せるためには、
〇の箇所で7/8は正解して、まず40点弱。
△の箇所で半分正解して30点弱を重ねて、65点に乗せるというようなイメージでしょうか。
大問2や大問5で上手く誘導に乗ることが出来たならば、合格の可能性をかなり引き寄せられたと言えるでしょう。
2023年以降に城北中への合格を目指す受験生の皆さんは、2022年第1回の出題なら大問4までを正しく理解することが必須です。
また過去問演習を通して難度の上下にも慣れておきましょう。
その上でどのような出題なら何点くらい取れれば良いか、どんな問題には挑戦して、どんな問題は後回しにするのか、など自分なりの判断基準を養っておけると合格の可能性を高めることにつながります。
城北中の算数は教材としても質が高く、演習を重ねることで基礎学力の向上にもつながります。
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