サカセルコラム

四谷大塚・早稲アカ5年生 3月度組み分けテストはどう対策する?理科編 Column

四谷・早稲アカの活かし方

四谷大塚・早稲アカ5年生 3月度組み分けテストはどう対策する?理科編

2024.02.28

新5年生になって初めての組分けテスト!ここから本格的な中学受験のカリキュラムに突入する、といってもよいでしょう。できるだけよいスタートを切って、軌道に乗りたいところですね。

[概要・傾向]

予習シリーズ5年上 第1回~第5回が範囲になります。第5回は総合回なので、実質範囲は4回分です。
100点満点、35分。配点は1問あたり2点または3点。

大問5問構成で、大問1は小問集合。第1回~第4回の知識を1問1答で問われます。
大問2~大問5は第1回~第4回の内容から1問ずつ。

この時期の組分けテストは計算問題が少なく、基本的な知識や考え方を確認する問題が多く出されます。

予習シリーズは改訂されて少し変わりましたが、良くも悪くも「まとまっている」のが特徴です。各単元の内容が細かく正確に記されています。

分からないことがあったときの参考書としてはとても優秀ですが、最重要事項もあまり出ない詳しい知識も同列で書かれているのが難点です。

以下に重要ポイントをまとめますので参考にしてみてください。

[各単元のポイント]

各単元で押さえるべきポイントを確認していきます。

重要度は以下のように分けてあります。

◎理科が苦手でも絶対!
〇偏差値50~50台後半を目指す
△余裕があれば

登場するページ数は予習シリーズ5年上に対応しています。

第1回 季節と生物

難しくはないですが、意外と覚えることが多くやっかいな単元です。

・季節の花を覚える…各季節に咲く、代表的な花を覚えましょう。

春:◎サクラ、タンポポ、アブラナ、スミレ、〇チューリップ、エンドウ、シロツメクサ、レンゲソウ
夏:◎アサガオ、ヒマワリ、ヘチマ、〇イネ、ツユクサ
秋:◎ヒガンバナ、コスモス、〇キンモクセイ
冬:◎サザンカ、ツバキ

・夏鳥と冬鳥について覚える

夏鳥とは…春になると南の地域から日本にやってきて夏に日本で産卵、子育てする鳥です。秋になると南の地域に渡ります。

ツバメ、カッコウ、〇ホトトギスが有名です。

冬鳥とは…秋になると北の地域から日本にやってきて日本で冬越しする鳥です。春になると北の地域に渡っていきます。

〇マガモ、ガン、◎ハクチョウが有名です。

どちらも、春になると北(涼しい方)へ渡って子育てをし、秋になると南(あたたかい方)へ渡って越冬します。

・代表的な昆虫について覚える

◎夏…カブトムシがクヌギの樹液に集まる、セミが鳴く。
〇秋…コオロギスズムシが鳴く。
〇冬…代表的な昆虫の冬越しの姿と場所(P13右上の表)を覚えましょう。

・代表的な動物の行動や体色の変化を覚える

〇秋…サケの産卵
〇冬…ユキウサギの体毛が白くなる、クマやコウモリが冬眠する。

※冬眠には3つの型があることも覚えておきましょう。

体温のグラフ(P14中央)とともに覚えておきたいところです。

第2回 物の温度による変化

一見簡単そうですが、深い単元です。重要なところから段階的にマスターしていきましょう。

・物質の三態を覚える

◎物には固体、液体、気体の3つの状態があることを覚えましょう。
◎また、あたためると固体→液体→気体と変化することを理解しておきましょう。

このとき、体積は変化しますが重さは変化しないことが重要です。

・水の三態を理解する

◎氷から水に変化するときの温度(0℃)、水から水蒸気に変化するときの温度(100℃)を覚えましょう。
◎氷を加熱していったときの時間と温度のグラフ(P18いちばん上)を理解し、グラフから状態(氷だけ、水と氷が混ざっている、など)を答えられるようにしましょう。

また、温度が変化しないときの理由(氷が融けるために熱が使われている、など)も答えられるようにしておきましょう。

水の体積は水(液体)<氷(固体)<水蒸気(気体)ですが、他の一般的な物質の体積は固体<液体<気体であることを知っておきましょう。
〇水は4℃のときにいちばん体積が小さくなり、その後は温度を上げると体積が大きくなる(膨張する)ことを覚えましょう。

・空気のあたたまり方を理解する

空気はあたためると体積が大きくなる(膨張する)ことを理解しましょう。
△1℃温度が上がると0℃のときの体積の1/273ずつ体積が増えることを知っておきましょう。

・金属の膨張のしかたを理解する

金属(固体)もあたためると体積が大きくなる(膨張する)ことを理解しましょう。
〇身近な膨張の例(レール、電線、ふりこ時計)を覚えておきましょう。
〇バイメタルが曲がるしくみを理解しておきましょう。
熱によって膨張しやすい順(アルミニウム>銅>鉄)を覚えておきましょう。

第3回 もののあたたまり方

第2回とつながる単元です。深く理解できると大きな武器になりますが、それが難しい!理科らしい単元といえるでしょう。

・熱の伝わり方3つを理解する

伝導…物を熱すると熱せられたところから順に(近いところから順に)熱が伝わっていくあたたまり方。直接触れ合って熱が伝わる。真空(熱を伝える物がない)では熱は伝導しない。

◎金属板や金属棒に熱が伝わる様子を覚えておきましょう。

対流あたためられた水や空気が膨張して密度が小さくなり、上へ移動して熱が伝わるあたたまり方。

体積が大きくなっても重さは変化しないため、密度(同じ体積当たりの重さ)は小さくなることを理解出来るとよいでしょう。(ここは理解に苦労する、またはこの時期には理解できない小学生もいます。その場合は、温まるとスカスカになって軽くなる、といったざっくりとした理解でもよいでしょう)
◎水や空気を加熱/冷却したときの動きを答えられるようにしておきましょう。

放射離れているものに直接熱が伝わるあたたまり方。太陽の熱で地面があたたまる、焚火にあたるとあたたかい、など。

◎黒いものは熱を吸収しやすく、白いものは熱を反射しやすいことを覚えておきましょう。
〇熱の伝わる例を分類できるようにしましょう。

間違えやすい例を挙げておきます。

・夏に裸足で砂浜を歩くと熱かった→伝導。砂浜が太陽にあたためられるのは放射ですが、砂浜から足に熱が伝わるのは、砂と足が直接触れ合っているので伝導です。

・冬にセーターを着るとあたたかい→伝導。セーターを着る=空気の層を身体のまわりにまとう、ということです。空気は熱を伝えにくいので身体の熱が外に伝わりにくく(伝導しにくく)なります。

熱は温度の高いもの→低いものに伝わることを理解しましょう。

熱を受け取ると受け取ったものの温度は高くなり、熱を渡したものの温度は低くなります。

〇金属の熱が伝わりやすい順(伝導しやすい順)を覚えましょう。

銅>アルミニウム>鉄

膨張しやすい順とは異なるので注意しましょう。

〇カロリーについて理解し、計算できるようにしましょう。

1カロリーとは…1gの水を1℃上げるのに必要な熱
カロリー=水の重さ(g)×温度変化(℃)

温度ではなく温度変化であることを覚えておきましょう。

代表的な問題で確認しておきます。

例)80℃の水100gが入ったビーカーを20℃の水300gが入ったビーカーに入れ、しばらくすると両方の温度が35℃で同じになった。このとき80℃の水が失った熱は何カロリーですか。

80℃の水の温度変化は

80-35=45℃なので
100×45=4500 4500カロリー

これは20℃の水が受け取った熱と等しくなります。

300×(35-20)=4500カロリー

混ぜた水の温度を求める問題もあります。

この場合0℃を基準として「持っている熱(カロリー)」を使う考え方も一般的で、授業の現場では使われていることと思います。

予習シリーズでは正確な定義を重要視して、カロリー=水の重さ×温度変化としているようです。

0℃を基準として「持っている熱」で考える方法を示しておきます。

例) 80℃の水100gが入ったビーカーを20℃の水300gが入ったビーカーに入れ、しばらくすると両方の温度が同じになりました。何℃になりましたか。

80℃の水100g→100×80=8000カロリー持っている
20℃の水300g→300×20=6000カロリー持っている

合計100+300=400gの水が 8000+6000=14000カロリー持っている

よって400gの水は 14000÷400=35℃ になる

第4回 季節と星座

星とその動きは中学受験最重要単元のひとつです。知識と思考力の両方の力が試せる単元だからでしょう。

・星の明るさと色を覚える

〇夜空の星座を作る星は恒星という、自分で光っている天体だということを知っておきましょう。

◎明るさの順…1等星から6等星まであること、1等星は6等星の100倍の明るさ、1等星は2等星の約2.5倍の明るさであることを覚えておきましょう。

◎星の色…星の色は表面温度で決まること、高い方から順に青白→白→黄→だいだい→赤であることを覚え、代表的な星の名前も覚えましょう。

青白:◎リゲル(オリオン座)〇スピカ(おとめ座)
白:◎シリウス(おおいぬ座)ベガ(こと座)デネブ(はくちょう座)アルタイル(わし座)
黄:◎太陽、北極星、プロキオン(こいぬ座)
だいだい:〇アルデバラン(おうし座)

※星の色は「温度」ではなく「表面温度」で決まります。しっかり答えられるようにしましょう。

また、ベテルギウスはなぜ赤い?といった問いに「死にそうだから」と答える小学生がかなりいます。間違いではないのですが、星が赤く見える直接の理由「表面温度が低いから」と答えられるようにしておきましょう。

・夏の星座を覚える

夏の大三角をいえるようにしましょう。

こと座のベガ(白):おりひめ
わし座のアルタイル(白):ひこぼし
はくちょう座のデネブ(白)

は絶対覚えてください!夏の大三角は全部白!

天の川との位置関係も覚えましょう。

おりひめ(ベガ)は川の外、ひこぼし(アルタイル)は少し川に入っていて、はくちょうは川の真ん中です。

さそり座1等星アンタレス(赤)は、夏、南の空の低いところに見えます。

・冬の星座を覚える

冬の大三角をいえるようにしましょう

オリオン座のベテルギウス(赤)
こいぬ座のプロキオン(黄色)
おおいぬ座のシリウス(白)

※シリウスは夜空の星座を作る星の中でいちばん明るい星です。理由は…近いところにあるから!です。

明るい=表面温度が高いはず!シリウスは青白!と答える小学生がかなりいます。

厳密には明るさと表面温度は関係がありますが、5年生のうちは表面温度と明るさは無関係…明るさは明るさ/色は表面温度と覚えておいた方がよいでしょう。

・春と秋も知っておく

〇春の星座(おとめ座としし座)を知っておきましょう。
△秋の星座(カシオペヤ座とペガスス座)がいえるとよいでしょう。

・北の空の星を覚える

北斗七星(おおぐま座の一部)、カシオペヤ座、北極星(こぐま座の一部、2等星)を覚えましょう。
北斗七星から北極星が探せるようにしておきましょう。
〇カシオペヤ座からも北極星が探せるようにしておきましょう。
北極星は動かないことをその理由とともに覚えておきましょう。
北斗七星は5月の夜に北極星の上にくること、カシオペヤ座との位置関係も覚えましょう。

・星の動きを理解する

地球の自転によって星が動いて見える(1時間に15度)ことを理解しましょう。
地球の公転によっても星が動いて見える(1か月に30度)ことを理解しましょう。
東西南北それぞれの空で星がどう動いて見えるか判断できるようにしておきましょう。
〇北の空での星の動きの問題(日付や時刻によってどの位置にくるか)が解けるようにしておきましょう。
△南の空での星の動きの問題も解けるとさらによいでしょう。

・星座早見

北極星の位置と方位をいえるようにしておきましょう。

東西が普通と逆になっていることに注意しましょう。〇その理由が理解出来ているとさらによいでしょう。

見たい方角を下にして使う、を覚えておきましょう。

[対策として取り組むべき問題]

最後に、組分けテスト対策として取り組んだ方がよい問題をまとめておきます。

◎理科が苦手でも絶対!
〇偏差値50~50台後半を目指す
△理科が得意、理科で稼ぐ!

◎予習シリーズ5年上 第5回要点チェック、練習問題
〇演習問題集 5年上 第5回 練習問題
△演習問題集 5年上 第5回 応用問題
〇週テスト1~4回の復習

さらに、第1回~第4回の中から苦手単元を復習する場合は以下を参考にしてください。

演習問題集 第1回 ◎基本[1][3]
          〇練習[1][4]
      第2回 ◎基本[2][4][5]
          〇練習[1][3]
      第3回 ◎基本[2][4]
          〇練習[2][3][4]
      第4回 ◎基本[3][5]
          〇練習[1][3][5]


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齊藤弥生

この記事を書いたのは...

齊藤弥生

指導歴 約25年

個別指導講師/家庭教師→日能研講師→個別指導講師/家庭教師
結果の確実性と生徒や一緒に組んだ算数講師に合わせる柔軟性で重宝される。

理科が好き。仕事を通して理科好きを増やすのが野望。
そのためにテストで数字を上げる、合格に導くといった仕事はそれをいちばんにしている講師以上のレベルを目指している。
個人の趣向はあるので、理科の内容自体にあまり興味が持てない子に対しては「好きではないけど点が取れる科目」を目指す。こういうものが好きな人もいるんだな、と多様性を感じてもらえればさらにうれしい。

趣味は坂巡りと買い物。坂や崖の写真を撮っているとたまに怪しまれるため、マニアな行動をするときはなるべくオシャレをして出かけます。

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