東京都武蔵野市にある、吉祥女子中学校。第一志望の憧れの学校としても、女子御三家の併願校としても人気の学校です。私が担当した生徒さんも数多く進学してきました。
先日、塾向けの学校説明会があったので、齊藤が参加してきました。
そのときの様子をレポートします。
中央線の西荻窪駅から徒歩8分程度、閑静な住宅街の中にレンガ造りの校舎が見えます。梅雨入りしたばかりの曇天でしたが、近くの民家からクチナシの香りが漂っていて、気持ちよく向かいました。
校長先生のお話のあと、広報の先生から入試の話・校風や行事の話・学習面の話・進路の話…などがありました。広報の先生はデキるビジネスマン風で、はじめは受験生を送り込む我々を取引先相手として流れるようなプレゼンを、後半は「うちの生徒たちはこんなにすごいんですよ!」と娘を自慢する父親のような顔を見せてくれました。
入試について
・吉祥女子を第1志望にしている受験生
2/1に吉祥女子を志願している受験生はほとんど2/2も志願しているそうです。
複数回受験する熱望層がかなり多い印象でした。
併願校としては富士見・大妻・晃華・恵泉あたりに加え、山脇がここ数年伸びているそうです。
1回目で不合格のとき、偏差値表で上にある2回目で合格するのは難しいのでは?と考えられる保護者の方が多いそうですが、2回目の得点がぐんと上がって合格する子はかなり多いそうです。学校側も、条件が許すなら受けて欲しいというお話でした。
私個人の経験でも2回目で合格する子は多いので、勝負できるレベルの学力があるなら2回受験した方がよいと思います。
また、繰り上げ合格は2回受験した受験生から選ぶ、とのことでした。
・吉祥女子を第2志望にしている受験生
併願の多い学校として挙げられたのは女子学院、豊島岡です。
2/1女子学院→2/2吉祥女子
2/1吉祥女子→2/2豊島岡
という受験パターンは私も多く見てきました。
2026年は2/1が日曜日になるためキリスト教系学校の受験日がずれる「サンデーショック」に当たります。
女子学院が第1志望で例年なら2/2に吉祥女子を受験するであろう受験生が、2/1に吉祥女子を受験するわけです。その子たちが全員が合格するわけではありませんが、吉祥女子第1志望の受験生にとっては例年より厳しい受験になることは必至。このため、2/1の募集人数を例年より10名ほど多い144名にする、とのことでした。
校風と行事
説明会の中で、最も時間が割かれ、担当の先生も熱心に話されていたのがここのパートでした。印象に残ったところを紹介します。
・空気
出る杭が打たれるようなことがないので失敗を恐れずチャレンジできる「空気」のようなものが吉祥女子にはある。
元気で明るい子が多いというイメージを持たれることか多いが、いろんな子がいて、それぞれを認められる空気がある、という話でした。
行事のリーダーへのインタビューという動画があったのですが「多様性という言葉があるのが不思議なくらい、みんな違うのが当たり前」と言っている子が印象的でした。
本当の意味での多様性はもう少し難しいのかもしれませんが、中学生や高校生のときにこう感じられるのは幸せだと思います。
さまざまな場面でいろいろな子にスポットライトが当たるので「小学生のときは想像もできなかった」という子もリーダーをしたりしているそうです。
コロナ禍で他学年との交流が減ったため、この「空気」が途絶えるのでは?と心配したそうですが、大丈夫そう?…先生方はまだ少し心配している様子でした。
・行事と主体性
球技大会・文化祭・運動会の3大行事は生徒主体で行われるそうで、活気があってとても楽しそうです。
球技大会前の体育の授業は、生徒がメニューを考えるそうです。自分たちで作戦を立てて戦うのはいいですね。
コロナ中はお客さんを呼べなかった文化祭も復活し、昨年は16600人ほどの集客があったそうです。女子校としてはかなり多い!
また「吉祥女子を志望した理由」でアンケートを取ると、実に70%もが「文化祭がよかったから」と答えているのだとか。キラキラと輝く先輩を見て吉祥女子に憧れる小学生は多いそう。吉祥女子が気になっているご家庭は、ぜひ行ってみてください。
運動会は高3全員の創作ダンスなど、女子校らしい盛り上がりがあるようです。昨年は雨上がりでグラウンドコンディションは最悪だったようですが、トラックの排水(座布団のようなスポンジで水を吸っては絞る作業)なども(委員などではない)生徒たちが自主的に行っていたそうで「うちの生徒たちは、こういうところがあるんですよ」と広報の先生が誇らしげに語ってくれました。
勉強面
・知的好奇心
生徒が知的好奇心を刺激されるように
連携大学へ行って見学や体験を行ったり、専門家を呼んで様々な教養講座が開かれたりしているそうです。
夏期講習(有料)は各自で選択して申し込むシステムで、ここにも教養講座が入っていました。
理科の実験室は4つあり、実験サポートの先生が3名。充実していますね。
化学実験室にはドラフト(換気付き実験スペース)がありました。これがあるということは、ある程度濃い薬品で本格的な実験ができそうです!
高1ではウシガエルの解剖実験もあるそうです。苦手な生徒は外で待機してもよいそうなので、安心。
・面倒見
定期テストごとに基準に達しないと補習。教員3名がついて寺子屋のような形で行われるとのことです。
進路
近年は理系が増えていて、文系:理系は2:3、芸術系も数名いるのが特徴的です。
「将来何をやりたいか」から進学先を選ぶ生徒が多く、国公立志向が強いとのことでした。
進路相談室には専門の先生が2人いらっしゃいました。先輩からの体験記を見せてもらいましたが、医学部の面接で聞かれたことや、面接官と受験生の配置図などが具体的に書かれていました。これはうれしいですね!
芸術
毎年、芸術(美術)系に進学する生徒が数名いて、その指導ができる先生もそろっているそうです。芸術系の子たちは文化祭の造形などで大活躍!とのことでした。
クラス人数分のバイオリンがあって全員が授業でバイオリンを弾くそうです。
他にもピアノが置かれたレッスン室が数室あるなど、設備が整っていました。
課外授業という名の学校内習い事(有料)があるそうで、受験を機に辞めてしまったピアノを復活させたり、新たに茶道を始めたり…ができるとか。面白いですね。
その他
中学生は学校内ではスマホ禁止、高校生は可。
一人ずつにロッカーがあって、中学生は登校したらスマホをロッカーにしまうシステム。
アイスの自販機があって、特に中1に大人気!学校でアイス…嬉しいですよね。
校舎を案内してくれたのは物腰は柔らかいけれども頼りになりそうな、先生らしい雰囲気の先生でした。こういう先生の後ろをついて歩くと、学校に来ているなぁ、と実感します。
まとめ
やっぱり進学校の女子校はいいな、と改めて思います。女子が安心できる環境で伸び伸びと個性を育てられるのは素晴らしいですね!
吉祥女子で感じたのは、その校風「空気」は先輩から後輩に受け継がれていっているものであること。先生方はそれを守る場所を作ったり、刺激になるような仕掛けを用意したりして見守るスタンスである、ということです。
説明会の中で何度も登場した「主体性」に納得です。
※この記事は吉祥女子中学校の説明会に行った齊藤がその記憶をもとにまとめたものです。主観も入っていますし、細かい間違いなどもあるかもしれません。
正確な情報は学校HPや学校説明会でご確認ください。
にほんブログ村にも参加しています。ぜひ下のバナーをワンクリックで応援もお願いします!