早いもので、もうすぐ6月。
新学年にも慣れてきましたね。
また梅雨も目前で、落ち着いて勉強が出来る良い季節に入っていきます。
晴耕雨読。
ただ、少し気が緩みやすい時期でもあるので、ペースを落とさないよう気を付けてくださいね。
さて今日のテーマは「低学年のうちに身につけたいチカラ」です。
低学年のお子様をお持ちの皆さんはもちろん、4年生以上のお子様をお持ちの皆様にもお読みいただければ、きっと参考になる部分もあるのではと思います。
では早速、本題です。
たしかに中学受験の学習は、4年生から6年生までの3年間で完成させるもの。
ただ3年生までは学校の勉強以外は何もしない、というのも不安がありますよね。
中学受験のプロ講師として、小学校3年生以下の皆さんに心がけて欲しいことは「自宅と学校以外での学習の習慣を身につける」ということになります。
何も高学年になってから通おうと思っている塾の低学年コースに行く必要は無いんです。
英会話教室でも公文の教室でもそろばん教室で良いので、とにかく自宅以外で「鉛筆を持って」「紙に向かう」ことを習慣化しておくことが、4年生からの受験勉強をスムーズに進めるために重要な要素になるんです。
子供にとって、知らない友達と競い合いながら授業を受けるということは、気持ちの面での負担は決して小さくはありません。
小さいうちからみんなと集中して勉強に取り組むことが習慣になっていれば、塾への慣れに要する負担が小さく、そのぶん学習内容に注力できるようになりますね。
さて今度は、算数において低学年のうちに身につけたいチカラです。
こちらは大きく分けると2つ。
1つは算数的読解力(=言い換え力)。
もう1つは計算力。
まずは算数的読解力(=言い換え力)です。
低学年のうちから可能な限り論理思考を身につけたいものです。
「問題文の条件に合わせて式を立てる」
「順序だてて書き出す」
「差に注目するときは線分図を描いてみる」
「規則を見つけるために表をかいてみる」
など、自分の思考を算数の言語で表現できるようにしておくと、4年生での学習を系統立てて理解できるようになりますよ。
続いて計算力。
正直なところ、低学年の勉強においては、これが一番大切です。
4年生になって本格的に受験勉強が始まってからでは、充分に計算練習に時間を割くことが出来ない可能性も高いです。
その結果、せっかく各単元を理解しても計算のスピードや精度の問題で、思ったような成績を残せないケースは非常によく見られます。
では、どこまで身につけるべきなのか。
中学受験の算数のプロとしては「四則計算のルールはもちろん、分数・小数の混合、□を用いた逆算まで出来るようになっておく」ことを期待したいです。
1/8×(8.75+□)=2
くらいの計算を解けるようにするイメージですね。
たしかに3年生としてはかなり難度が高く先取り内容も多いのですが、このレベルまでの計算方法をおさえておくだけで4年生以降の得点力に、非常に大きなアドバンテージを得ることが出来ますよ。
やはり「分かる」を確実に得点に結びつけられる生徒は強いです。
なお計算の特殊な工夫の知識や、面積や体積の単位の暗記は4年生以降で問題ありません。
ところで低学年のうちにドンドン先取る生徒の存在に焦りを覚えるケースがありますよね。
ただこの先取りは、残念ながら上手くいかないケースが多いものです。
確実な理解の上に積み重ねられていなかったり、比や割合の抽象概念の理解が追い付かなかったりして、非常に表面的な知識しか身につかないケースがほとんどです。
また中学以降の「数学」は「算数」とは別物です。
数学の知識があっても算数においては役立たない場面がほとんどなので、数学の先取りは中学受験において労力に見合う成果は得られないと断言できます。
やはり学年に応じた学習が望ましいと言えるでしょう。
・・・っと、低学年の学習に関して思うことを述べてきました。
ただこう言っておきながら、はたして自分の子供に対して理想通りの学習を実践できるかは、また別問題ですね。
まだまだ先の話とは言え、精進します。