[概要・傾向]
後期1回目の組分けテスト。予習シリーズ5年下は内容が少し難しくなり、本格的な中学受験理科を学んでいく時期になります。しっかり勉強していきましょう。
予習シリーズ5年下第1回~第5回が範囲になります。第5回は総合回なので、実質範囲は4回分です。
100点満点、35分。配点は1問あたり2点または3点。
大問5問構成で、大問1は小問集合。今までに学習した知識を1問1答形式で問われます。
大問2~大問5は第1回~第4回の内容から1問ずつ出題されます。
予習シリーズは改訂されて少し変わりましたが、良くも悪くも「まとまっている」のが特徴です。各単元の内容が細かく正確に記されています。
分からないことがあったときの参考書としてはとても優秀ですが、最重要事項もあまり出ない詳しい知識も同列で書かれているのが難点です。
以下に重要ポイントをまとめますので参考にしてみてください。
[各単元のポイント]
各単元でおさえるべきポイントを確認していきます。
重要度は以下のように分けてあります。
◎理科が苦手でも絶対!
〇偏差値50~50台後半を目指す
△余裕があれば
登場するページ数は予習シリーズ5年下に対応しています。
第1回 生物のつながり
[1]環境と植物は森林について、[2]自然界のつながりは食物連鎖について学ぶ単元です。
覚えることが多いので、重要なものから覚えていきましょう。
[1]環境と植物
○日光の当たり方によって、植物の育ち方が異なることを理解しましょう。(P8(1))
こみ合うように育てると日光が不十分になるため、草丈は(日光を求めて)高くなり、茎は細く、葉は少なく上の方(日光の当たるところ)だけにつきます。
◎光合成曲線(P8中央のグラフ)を理解しましょう。
◎植物はいつも呼吸をしていることを理解し、グラフから呼吸量(呼吸によって消費されるデンプンの量)を求められるようにしましょう。
○呼吸量を考えて、光合成量(光合成で作られるデンプンの量)を求められるようにしましょう。
◎補償点について理解しましょう。
補償点:呼吸量と光合成量が等しくなる光の強さ
植物は成長できないが枯れることもない、ギリギリ生きていける
◎陽生植物と陰生植物について理解しましょう。
陽生植物:成長するために強い光が必要な植物。明るいところでは成長がはやい
陰生植物:弱い光でも成長できる植物
○森林の植物を覚えましょう。
◎高木 陽樹(陽生の高木) マツ・クヌギ・コナラ
陰樹(陰生の高木) シイ・カシ・ブナ
◎低木(陰生) アオキ・ヤツデ
◎下草(陰生) コケ・シダ・ササ
○マント群落(つる性植物) クズ・ヤブガラシ
○そで群落(森林外の草原、陽生) ススキ・ヨモギ
○森林の内外の環境のちがいを理解しましょう。
森林内 気温の変化が小さい
湿度が高い
◎森林の移り変わりを理解しましょう。(P10(5))
裸地→草原→陽樹林→混交林→陰樹林(安定する)
[2]自然界のつり合い
◎食物連鎖とは何か理解しましょう。
◎生産者・消費者・分解者について理解しましょう。
生産者:植物(光合成によって養分をつくっている)
消費者:植物や他の動物を食べる生物
分解者:ほかの生物のふんや死がいを取り入れて分解し、植物の肥料にする生物
◎プランクトンを覚えましょう。
植物プランクトン:〇〇モ、ケイソウ、アオミドロなど
動物プランクトン:ゾウリムシ、ワムシ、ミジンコなど
両方の特徴をもつ:ミドリムシ
△両方の特徴をもつプランクトンはエサを取らないので、生産者であることを理解しましょう。
◎生物ピラミッドについて理解しましょう。(P13上2つの図)
どれかの生物が増えたり減ったりしても、元に戻ります。その過程を考えられるようにしましょう。
△共生や寄生について知っておきましょう。(P13(3))
○地球温暖化について理解しましょう。
原因:温室効果ガス(おもに二酸化炭素・メタン)の増加
二酸化炭素増加の原因:化石燃料の大量消費/森林ばっさい
影響:海面上昇/異常気象の増加/生態系が乱れる
第2回 てこ・滑車・輪軸
てこと輪軸は5年上でも登場しましたが、滑車は初登場です。よって、今回の勉強で重きをおくのは滑車…といいつつ、てこはやっぱり重要です。
[1]てこ
◎てこの計算をマスターしましょう。
手順をまとめておきます。
- 棒の重さをおもりにして重心に下げる
このとき、距離もかき込みましょう。
位置や重さが分からないときも、とりあえずかき込んでおくのがポイントです。
- 支点を決める
△マークをかき込みましょう。
支点はどこでもよいのですが、
ばねばかりや棒をつるしているひもの下、かつ重さの分かっていないところにするとうまくいきます。
ただ、支点を決めるのにそんなに悩む必要はありません。
行きづまったら変えればよいだけです。
- 回転のつりあいを考える
回そうとするはたらき(モーメント)=支点からの距離×重さ を考えます。
矢印をかいて
右に回そうとするはたらき=左に回そうとするはたらき で計算しましょう。
- 上下の力のつりあいを考える
[2]滑車
◎滑車のひもにかかる力を求められるようにしましょう。
「滑車の両側のひも(つながっているひも)にかかる力は同じ」これが鉄則です。
当たり前に感じるかもしれませんが、複雑になるとこの鉄則を破ってしまう子がいます。
ひもにかかる力が分かっている点を見つけて、力(□g)をかき込み、ひもをたどって力をかき込んでいきましょう。
○滑車のひもの動く距離を求められるようにしましょう。
力の比とひもを引く距離の比は逆比(P22)になっています。
△滑車に重さがある場合にも対応できるようにしましょう。(P23)
おもりと滑車の合計の重さを□本のひもで支えている、と考えればOKです。
※滑車に重さがある場合、先ほどの「力の比とひもを引く距離の比は逆比」は使えないので注意してください。
滑車に重さがあっても、ひもを引く距離は変わりません。
滑車の重さを含めて出した値は使えないので、滑車の重さなしでもう一度力を求めてから逆比にしましょう。
[3]輪軸
◎輪軸のひもにかかる力を求められるようにしましょう。
輪軸は中心に支点があるタイプのてこですので、支点からの距離×重さで解きましょう。
○輪軸のひもを引く距離を求められるようにしましょう。
予習シリーズでは滑車と同じように重さと逆比を使った考え方が載っています。
輪軸にかかっているひもが2本のときはこれでOKです。
ただ、ひもが3本以上の場合はこれが使えません。この場合は
「輪軸のひもを引く距離の比=半径の比」を使うとよいでしょう。
この解き方でひもが2本の場合も対応できるのですが、解き方として覚えることが多く、混乱する子も多いため、予習シリーズでは滑車と統一しているものと思います。
5年生のうちは「重さと逆比」を使い、6年生になったら半径の比も使えるようになるとよいのではないかと思います。
第3回 水溶液の中和
原理を理解するのがとても重要になる単元です。計算問題も登場しますが、原理を理解しないと計算問題も解けません。[2]中和の3パターンのところをしっかり理解するようにしてください。
[1]水溶液の分類
◎代表的な水溶液の溶質・液性・においの有無を覚えましょう。
塩酸・炭酸水・ホウ酸水・酢酸水溶液・食塩水・砂糖水・アルコール水・水酸化ナトリウム水溶液・石灰水・アンモニア水について
塩酸なら「塩化水素・気体・酸性・刺激臭」のように答えられるようにしましょう。
◎指示薬の色の変化を覚えましょう。
◎リトマス紙とBTB液は絶対に覚えましょう。
◎電気を通す/通さないの判断ができるようにしましょう。
酸性、アルカリ性+食塩水→通す
食塩水以外の中性→通さない
[2]中和
◎酸性・アルカリ性について理解しましょう。
酸性とアルカリ性は反対の性質です。
◎酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を混ぜるとお互いの性質を打ち消しあう(中和する)ことを理解しましょう。
中和すると塩(エン)と水ができます。
塩(エン)というのは中和によって新しくできる物質の総称です。
塩化ナトリウムや炭酸カルシウムなど、色々な物質があります。
このため、理科では食塩のことを「塩(しお)」と書いてはいけません。「塩」と書くと「エン」と読まれ、違う意味になってしまいます。
「食塩」と書きましょう。「塩化ナトリウム」もOKです。
◎塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和について理解しましょう。
塩酸(塩化水素)+水酸化ナトリウム→食塩(塩化ナトリウム)+水
◎塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜたとき3パターンを理解し、水を蒸発させたときに何が残るか答えられるようにしましょう。(P32)
①塩酸(多)+水酸化ナトリウム水溶液
中和によって食塩ができていますが、塩化水素が余っています。→酸性
このときに水を蒸発させると食塩が残ります。
※塩化水素は気体なので残りません。
②塩酸+水酸化ナトリウム水溶液(完全中和)
どちらも過不足ない量で混ぜた場合、ビーカーには食塩と水だけが入っている状態になります。→中性
このときに水を蒸発させると食塩が残ります。
③塩酸+水酸化ナトリウム水溶液(多)
塩化水素はすべて中和され、水酸化ナトリウムが余っています。→アルカリ性
このときに水を蒸発させると食塩と水酸化ナトリウムが残ります。
[3]中和の計算
◎グラフから完全中和になる値を見つけられるようにしましょう。
◎完全中和する水溶液の量を計算で求められるようにしましょう。
○水溶液の量から、残った固体の重さを求められるようにしましょう。
第4回ヒトと動物の消化・吸収
知識単元です。覚えることが多いので、優先順位の参考として以下を利用してください。
[1]食物と養分
◎3大栄養素とそれが含まれる食品を覚えましょう。
デンプン(炭水化物)…ごはん、パン、めん類、イモなど
タンパク質 …肉、魚、牛乳、卵、ダイズなど
しぼう …バター、肉の脂身、ナッツ類など
[2]消化
◎消化管(食べ物の通り道)を覚えましょう。
口→食道→胃→十二指腸→小腸→大腸→肛門
◎消化器官を覚えましょう。
食物の消化に関わる器官です。消化管+肝臓・胆のう・すい臓になります。
消化管は食物の通る管(くだ)なので、たけかんむりがつきます。
肝臓・胆のう・すい臓は消化に関わりますが食物は通りません。
◎各器官で出される消化液とそれがはたらく栄養素を覚えましょう。(P40の図)
だ液→デンプンだけ
胃液→タンパク質だけ
胆汁→しぼうだけ
すい液→全部!
腸液(小腸)→デンプンとタンパク質
◎各栄養素が最終的に何になるか覚えましょう。
デンプン→ブドウ糖
タンパク質→アミノ酸
しぼう→しぼう酸とモノグリセリド
○消化酵素とは何か理解しましょう。
消化液に含まれる物質で、栄養素をほかの物質に変えるはたらきがあります。
例:デンプンがだ液アミラーゼという消化酵素によって麦芽糖になる
ペプシンやリパーゼなどは覚えなくてよいですが、だ液アミラーゼは知っておいた方がよいでしょう。
○胆汁について理解しましょう。
・肝臓でつくられ、胆のうにたくわえられる
・消化酵素を含まない(しぼうを細かくするだけ)
◎消化された養分は小腸の柔毛で吸収されることを理解しましょう。
柔毛はひとつひとつが小さいため表面積が大きく、養分を効率よく吸収できるようになっています。
○大腸は残りかすから水分を吸収していることを理解しましょう。
○だ液の実験について理解しましょう。
・デンプンにだ液を加えた液を入れた試験管を37℃くらいに保つとデンプンがなくなります。
→だ液はデンプンを別の物質に変えることが分かります。
・温度を高温や低温にするとデンプンはなくなりません。
→だ液は体温に近い温度でないとはたらかないことが分かります。
※この実験でややこしいのは、ヨウ素液の反応です。
ヨウ素液はデンプンがあると青紫色に変化します。
だ液がはたらいてデンプンがなくなるとヨウ素液は反応せず、
だ液がはたらかずにデンプンが残っているとヨウ素液が反応します。
ここが小5には難しい!混乱するようでしたら、大筋だけとらえておくにとどめてもよいと思います。
・デンプンにだ液を加えた液を37℃くらいに保った後、フェーリング液やベネジクト液を加えて加熱すると赤かっ色になります。
→だ液はデンプンを糖に変えるはたらきがあることが分かります。
[4]動物の消化器官
○草食動物の方が消化管が長くなることを理解しましょう。
○歯の図を見て、肉食動物/草食動物が判断できるようにしましょう。
[対策として取り組むべき問題]
最後に、組分けテスト対策として取り組んだ方がよい問題をまとめておきます。
◎理科が苦手でも絶対!
〇偏差値50~50台後半を目指す
△理科が得意、理科で稼ぐ!
◎予習シリーズ5年下 第5回要点チェック、練習問題
〇演習問題集 5年下 第5回 練習問題
△演習問題集 5年下 第5回 応用問題
〇週テスト1~4回の復習
さらに、第1回~第4回の中から苦手単元を復習する場合は以下を参考にしてください。
演習問題集 第1回 ◎基本[1][2][3]
○練習[3]
第2回 ◎基本[1][2][3][4]
○練習[1][3]
第3回 ◎基本[1][2][3]
○練習[1]
第4回 ◎基本[1][2][3]
○練習[4]
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