もう冬ですね。ついこの前まで汗が噴き出るほど暑かったのに、今度は急に寒くなってきました。日本には四季があると教わったはずなのですが、秋は一体どこに行ったのでしょうか。行方不明になった秋を探す旅にでも出ようかなと思うこの頃です。
さて、寒暖差が激しく体調を崩しやすい時期なので、体調管理には十分お気を付けください。6年生になったらいよいよ受験間近ですので、今のうちに自分に合った、免疫を上げる方法を模索しておきましょう。ちなみに私は「睡眠時間は8時間以上」「1日1回以上体が軽く火照る程度の運動」「栄養バランスの取れた食事を1日2回以上」を守っていると調子がいいです。ぜひご参考いただければと思います。
【テストの概要】
〈制限時間:50分〉
〈満点:150点〉
〈直近3年の平均点〉
2021年:88.9点
2022年:88.0点
2023年:82.9点
〈試験日:11月6日(水)または11月7日(木)〉
〈試験範囲〉
410-23:分数 ※〈41A-24 分数の復習〉が範囲に含まれるため掲載
410-24:総合(20~23)
410-25:方陣算
410-26:平均算
410-27:円とおうぎ形①
基礎力トレーニング10月号
【各テキストのポイントとテスト対策】
〈はじめに〉
各テキストの頭脳トレーニングは特に触れなくても問題ありません。単元の内容をしっかりこなしていきましょう。分からなかった問題はテキストの解説及び授業で板書した解説をしっかりと読み、解き直しを必ずしましょう。
また、計算力コンテストは欠かさず訓練してください。偏差値50を目指す人は(1)~(30)まで、それ以上を目指す人は(50)まですべて解きましょう。
そして、計算ミスの直し方について詳しく載せているので、こちらをご参照ください。
〈410-23 分数〉
前回のテストで怪しかった人は、この機会に必ず復習しましょう。前回の記事の繰り返しになりますが、分数の計算は絶対にできるようにしましょう。
偏差値50以上を目指す場合は★3まですべて解けるようにしましょう。
〔41A-24〕
p.13
遠回りな解き方をしても正解はできてしまうため、注意が必要な問題です。具体的には今回の問題だと小数は分数に直し、すべてを通分しても解けますがとても時間がかかってしまいます。
問題によってどんな解き方が最適かは変わりますが、遠回りな解き方をすると大幅に時間をロスしてしまいます。このような「答えは合ってはいるが、本質的には改善しなければいけない」という状況に陥ってなかなか抜け出せないという人を見かけますが、普段の自分の途中式や考え方と解説とで、どちらが適しているかを見極める意識を付けましょう。
今回の問題に入る前に、まずは通分が最適になるパターンの問題を例に挙げます。
N41-07のp.9等で出題された分数の大小比較では通分を使って解いていましたが、解き方は他にもあります。今回は分数を小数に直す方法で考えるのが最適解です。割り切れないことに気づかず延々と割り算を続けてしまう人がいますが、大小が比較できればいいので必要な位まで計算して終わりにしましょう。
よくある間違いを載せるので、ぜひ参考にしてみてください。
〈410-24 総合(20~23)〉
前回のテスト範囲の復習です。もし解き方から忘れてしまっていたら、該当のテキストのステップや、ベーシックなどで問題演習を積みましょう。
あらゆる問題に分数や小数が登場するようになり、数字も整数より難しそうに見えるので初めは困惑するかもしれません。しかし、考え方や式の立て方の本質は同じなので、とにかく計算ドリルなどで小数・分数の計算に慣れ、「身近な数」と認識できるようにすることが大切です。
偏差値50以上を目指す場合はBテキストとAテキストの★2まですべて解けるようにしましょう。
〔41B-24〕
p.7
大問1
(3)
小数が使われていますが、今まで解いてきた逆算の問題と解き方は全く同じです。
大問2
(3)
意外と忘れがちな、余りのある割り算の検算の問題です。▢÷〇=△あまり☆のとき、▢=〇×△+☆でしたね。もし分からなくなったら簡単な例を書いて考えてみましょう。
11÷4=2あまり3のとき、11=4×2+3
今回の場合は、
▢=0.8×7.45+0.003となります。
p.23
大問2
(3)
p.7の検算の問題と関連しますが、計算の過程が多くなるので注意しましょう。
先ほどと同様、検算の式を立てると
3.87=▢×1.5+0.15となり、そこから逆算します。
▢×1.5=3.87-0.15
▢=3.72÷1.5=2.48
となります。
p.9
大問1・2
(3)
こちらも分数が使われているだけで、逆算の方法は変わりません。
p.11
割合の考え方が必要な問題がいきなり出てくるので、苦戦する人も多いのではないでしょうか。
割合は5年生で本格的に学習するので、今回は一旦感覚で解いてしまいましょう。
(1)
一週間は7日で、月曜日から木曜日までは4日です。4日は全体の4/7にあたるので、その4日で飲んだ合計は1400mL×4/7=800mLとなります。
今回は感覚で何となくわかればいいのですが、理屈で考えたい、感覚だと分からないという人のために、もう少しだけ本質的っぽい説明を記しておきます。
分配算で考える方法がしっくりくるのではないでしょうか。
このように考えると×4/7が出てくることが分かります。これを踏まえて次に問題も解いてみましょう。
(2)
30cmは100cmの30/100にあたるので、30cm分の値段は450円×30/100=135円となります。
分配算を用いるとこのようになります。
ここでは手順に従ってまず450÷100×30と書いていますが、慣れてきたら初めから450×30/100とできるようになるのが理想的です。
(3)
24Lは30Lの24/30にあたるので、125km×24/30=100kmとなります。
(4)
35枚は84枚の35/84にあたるので、300g×35/84=100gとなります。
(5)
3人が食べた合計個数は3×6=18より、18個です。
18個は45個の18/45にあたるので、700g×18/45=280gとなります。
ここで陥ってしまう現象として、「小さい数/大きい数を考えればいい」と固定観念にとらわれてしまうことがあります。次の問題を考えてみましょう。
例.36cmで24gの重さの棒は、45cmだと▢gです。
45cmは36cmの45/36にあたるので、24g×45/36=30gとなります。
こちらも分配算での考え方を載せておきます。
p.13
式同士を計算する考え方を使いますが、式同士の引き算は消去算で何回も登場しましたね。今回はその足し算バージョンです。例えば、
A=5
B=7
のとき、A+B=12となるのは直観にも反しないと思います。
要素を増やしても同じです。
A+B=12
C+D=16
のとき、A+B+C+D=28となります。
では大問1についても考えてみます。
国+算+理 =228
国+算+ 社=245
国 +理+社=253
算+理+社=234
なので、
(国+算+理)+(国+算+社)+(国+理+社)+(算+理+社)=228+245+253+234
となります。
整理すると、
(国+算+理+社)×4=960
国+算+理+社=240
あとはそれぞれの式との差を求めれば各教科の点数が求まります。
〔41A-25〕
p.2
体積の単位換算です。こちらも忘れがちなので、単位の意味を根本から理解しましょう。
1mL=1㎤は簡単なので覚えやすいですね。また、m(ミリ)、k(キロ)の意味を覚えましょう。
m(ミリ)は1/1000倍(÷1000)を表します。1L=1000mLでしたが、なぜこうなるかと言うと、
1000mm=1000m÷1000m=1mとなるからです。
これが理解できれば、1g=1000mg、1m=1000mmの意味もより分かってくると思います。
次に、k(キロ)は1000倍を表します。1kL=1000Lでしたが、それは1kL=1×1000Lとなるからです。
これが理解できれば、1kg=1000g、1km=1000mの意味もより分かってくると思います。
また、1dL=100mLも覚えておきましょう。料理をする人には馴染みの深い単位換算だと思います。もし忘れてしまったら、1L=1000mL=10dLから、10dL=1000mLを考えて1dL=100mLが導けます。
p.11
大問2
「円とおうぎ形①」に並んで、今回の単元の中で最も重要と言っても過言ではない問題です。
分数から小数、小数から分数に直す方法は学びましたが、中学受験生として必ず覚えないといけないものがあるので、今回でマスターしましょう。以下に載せておきます。
これらは絶対に覚えてください。
p.13
情報量が少し増えていますが、普通の消去算として考えましょう。
〈410-25 方陣算〉
中学受験算数の中では少しマイナーな単元です。しばらく時間をおいてから急に出題されると、解き方を忘れてしまっている人をよく見かけます。理屈での考え方をしっかり定着させましょう。
偏差値50以上を目指す場合はBテキストとAテキストの★2まで、偏差値60以上を目指す場合は★3まですべて解けるようにしましょう。
〔41B-25〕
p.3
まずは考え方を載せます。周りの個数の求め方は2種類あります。
どちらの考え方でも解けるようにしましょう。
大問2の(1)では一辺の個数を▢として同様に式を立てて逆算しましょう。
p.7
「1列ずつ増やす」と「1周増やす」の意味を間違えて考える人が多いので気を付けましょう。
大問1
方陣算では必ず図を描いて考えましょう。(3)では1列増やしたあとの計算でも合っているか確認してみましょう。
大問2
大問1と聞かれ方が違うだけで考えることは同じです。「10円玉を正方形の形に並べようとしたら9枚余った。たて、横ともに1列ずつ増やしたら22枚足りなかった。」と考えるといいでしょう。
p.11
中空方陣の書き方で苦戦する人が多いので、コツを載せておきます。
大問2
(1)
一番外側に並んでいる個数の求め方は中実方陣のときと変わらないので、p.3の大問2と同じように解きましょう。一辺に並んでいる個数が分かれば(2)も問題ありませんね。
p.13
一番外側の一周分を取り除いた後、残ったご石の一辺に並ぶ個数に気を付けましょう。規則的に減っていくので、表で整理するといいでしょう。
p.26
大問2
(2)
中空方陣は4ブロックに分けられるので、1ブロックあたりの個数を求めればそのたて(横)の個数も求まります。
〔41A-26〕
p.11
三角形の形に並べても考え方の本質は今までのものと変わりません。一番外側の個数については、一辺に何個並んでいて、辺が何個あり、何個の被りが生じるかが理解できれば、何角形の形に並べても解けます。
p.13
大問1
長方形の周りの長さを求めるときにL字2個分として考える方法がありましたが、それを使うといいでしょう。端のご石が被るのは今までと同じですね。
大問2
初めはたてと横の実際の長さが分かりませんが、分配算のときのようにたて、横をそれぞれ③、①と置いて式を立てれば解けます。
〈410-26 平均算〉
苦手とする人が多い単元ですが、平均の定義を理解できれば覚えることは少ないです。
偏差値50以上を目指す場合はBテキストとAテキストの★2まで、偏差値60以上を目指す場合は★3まですべて解けるようにしましょう。
〔41B-26〕
p.3
平均の定義は簡単に言うと「数値の合計÷データの個数=平均」です。平均点を求めたいのであれば
「ぞれぞれの人の点数の合計÷人数」です。それだけです。
p.5
「数値の合計÷データの個数=平均」なので、「データの個数」を=の右側に持っていくと
「数値の合計=平均×データの個数」となります。平均の定義だけ覚えていればこの式を導き出せるので、丸暗記するのはやめましょう。初めは▢を使った式を立てて逆算をする方法で解き、最終的には初めから「平均×データの個数」ができるようになるといいでしょう。
大問1
▢を使って式を立て、逆算しましょう。
(65+80+▢)÷3=70
65+80+▢=210
▢=65
より、65点と分かります。p.3の問題とすることは変わりませんね。
p.7
大問1
ここからは初めから「数値の合計=平均×データの個数」を使います。
男の子二人の体重の合計は45×2=90
3人の体重の合計は45×3=135
なので、けいこさんの体重は135-90=45より、45kgです。
大問2
大問1と問われ方が違うだけで、本質は同じです。
5回のテストの合計は84×5=420なので
4回のテストの合計が82×4=328なので、
次のテストでは420-328=92より、92点とればいいと分かります。
p.9
大問1
それぞれのグループの身長の合計を求め、合計人数で割れば全体の平均が求まります。
大問2
解説のような解き方でももちろん解けますが、すべてのグループの人数が同じであればもっと簡単に解けます。
結局は各グループの平均点をそのまま足して、グループの個数で割れば平均点が求まります。ただ、グループ内の個数が違う場合はこの方法は使えないので気を付けましょう。
p.11
大問1
p.3とp.5の考え方の関係と同様です。▢を使って式を立てましょう。
A組の合計点:68.6×30=2058
B組の合計点:▢×32
全体の合計点:75×62=4650
よって、2058+▢×32=4650となり、逆算して▢を求められます。
大問2
大問1と考え方の本質は同じです。1冊目から200冊目、201冊目から500冊目、501冊目から1000冊目まででそれぞれの合計金額を求めれば解けます。
p.13
一定のラインで区切り、その先の部分の平均を求めます。初めは慣れない考え方だと思うので、何度も解いて定着させましょう。
〔41A-27〕
p.13
平均点を用いてそれぞれの合計を求めていきましょう。情報量は多いですが、一つずつ丁寧に処理していきましょう。
【410-27 円とおうぎ形①】
p.11の大問2と並んで今回の単元の中で最も重要と言っても過言ではありません。まずは円の定義ですが、ある点から等しい距離にある点の集合です。そして、円の周りの長さは「直径×円周率(3.14)」です。必ず覚えてください。(たまに円周率を22/7や3で設定されることもあるので条件を見落とさないようにしましょう)
「半径が6cm」の円の周りの長さを問われて「6×3.14」としてしまう人が多いので、気をつけましょう。
また、中学受験生として「3.14の段」は必ず覚えないといけません。知っているのと知っていないのとでは、計算の速さで大きく差がついてしまいます。
3.14×2~3.14×9までは最低でも覚えましょう。
また、3.14の掛け算を使った筆算では3.14を上に書きましょう。
偏差値50以上を目指す場合はBテキストとAテキストの★2まで、偏差値60以上を目指す場合は★3まですべて解けるようにしましょう。
〔41B-27〕
p.7、9、11
まずは1周が360度ということを覚えましょう。そしておうぎ形は円の一部です。ということは当然、中心から弧に引いた直線はどれも等しくなります。
例えば60度のおうぎ形の弧の長さを問われたとき、円のどれくらいにあたるかを考えます。360度のうちの60度なので、60/360倍になります。
どこかで見たことのある考え方ですね。41B-24のp.11で出てきた問題と同じです。
おうぎ形の弧の長さは「直径×3.14×中心角/360」ですが、結局は円周の何倍かということだけです。
ちなみに、中心角が180度を超えると(パックマンのような形)おうぎ形として認識できなくなってしまう人がいますが、何度も問題に触れて慣れましょう。
また、平面図形を見た目だけで解いてしまう人が多く、「何となくおうぎ形に見えるから」で考えて間違えることがよくあります。以下のように「おうぎ形に見えるけどおうぎ形ではない」図形に注意しましょう。
(入試本番で本当にどうしようもないときだけ、最終手段として見た目だけで決めつけて解いてしまうのはありですが、普段の学習ではその方法が勉強に悪影響であることは強く意識しましょう。)
p.13
ここまでの問題で見たようなおうぎ形が見えづらいですが、確かにおうぎ形があるのが分かります。図形問題では「複雑に見える情報の中から、必要なものだけに焦点を当てる」力を養うことができます。将来でも役立つ力なので、ぜひ習得してください。
p.26
問われているのが「孤の長さ」なのか「周りの長さ」なのかに注意しましょう。周りの長さを問われていたら、弧の長さに加えて半径2本分を足す必要があります。問題文をよく読む意識をつけましょう。
大問2
(2)
【まとめ】
今回はいつもよりかなりボリュームがあるので、テスト前にしっかりと総復習しておきましょう。繰り返しになりますが、1/4=0.25などの覚えないといけない分数・小数と、3.14の段は完璧にしてください。最後に私が生徒に必ず渡しているものを載せておくのでぜひご活用ください。もしお子さんが覚えていなかったら、親御さんは家の中や外出中の隙間時間で、覚えているかランダムに口頭で確認してあげてください。
そして、テストが終わったら終わりというわけではないので、復習は欠かさず続けましょう。
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