テストが終わったらすぐ夏休みに入りますね。皆さんはもう旅行の計画など立てられているでしょうか?「お盆くらいしか行けないかな」となって、行くと人が多すぎて絶望するのはあるあるだと思います。私も今どう計画を立てようか頭を悩ませています。
さて、まだ4年生だからと油断してはいけません。今まで習った内容は今後の単元や複合問題を解くために必須のツールだらけです。「だいぶ前に習ったから覚えていない」という状況にはしないよう気を付けましょう。基礎トレには欠かさず取り組んでくださいね。
また、復習テストではクラスの昇降はありませんが、受験に出る単元が定着しているか確認するためのテストです。受験の最終目標は合格することなので、入試に出る単元は当然身につけなければいけません。気を抜かずにしっかり学習しましょう。
ただし、夏休みに様々な経験をするのも大切です。勉強だけでなく、友達と遊ぶ時間や旅行に行く時間なども大切にしましょう。メリハリをつけることが合格への近道になります。
【テストの概要】
制限時間:50分
満点:150点
直近3年の平均点:94点くらい
試験日:7月16日(火)または17日(水)
〈試験範囲〉
410-15:総合
410-16:分数の基本
410-17:つるかめ算
410-18:過不足算
基礎力トレーニング6月号
【各テキストのポイントとテスト対策】
〈はじめに〉
各テキストの頭脳トレーニングは特に触れなくても問題ありません。単元の内容をしっかりこなしていきましょう。また、計算力コンテストは欠かさず訓練しておきましょう。偏差値50を目指す人は(1)~(30)まで、それ以上を目指す人は(50)まですべて解きましょう。
〈テストでの戦略〉
大問1は確実に正解したいところです。特に計算問題は1問1分以内で解くことを目指しましょう。計算問題以外の問題については、取れる問題を確実に取ることが重要です。「ある程度時間をかけても解法が思い浮かばない」場合は潔く飛ばしてください。個人的には2分くらい考えてもダメだったら飛ばすことをオススメします。また、後半の問題だからと言って必ずしも難しい問題とは限りません。しっかり問題には目を通しましょう。
そして、計算問題に限りませんが、失点の主な原因が「計算ミス」である人も多いでしょう。また、「時間が足りない」せいで解けない問題があった、という人も多いでしょう。テストで確実に点数を取るためには「正確かつ速い」計算が必要となります。速さを求めすぎるがあまり、「字が汚すぎて自分でも読めないせいで失点した」「見直しを全くしていない」という人も多くいます。解くのに時間がかかりすぎてしまう人は、「単純に計算が遅い」という他には、「字を丁寧に書きすぎている」、「見直しに時間がかかっている」というパターンが多いでしょう。他の教科にも言えることですが、「字の綺麗さ」と「字を書く速さ」のちょうどいいバランスを見つけましょう。「走り書きではあるけどしっかり識別できる字」を目安にすると良いです。個人的には速さ7、綺麗さ3くらいがちょうどいいと思っています。
そして、「見直し」も非常に重要ですが、ここに時間をかけすぎては本末転倒です。計算ミスの確認方法は「ただ検算する」だけではないということを知らない人は意外と多いのではないでしょうか。もちろん完全な検算と比べると正確性は落ちますが、確認の速さは段違いです。
では具体的にどうすれば良いのかという話ですが、まず計算ミスをしないためにはただ「注意する」という抽象的な意識だけではなく、具体的な確認法を修得する必要があります。
①一の位は合っている?
例えば、34×48=1632のところを34×48=1634としてしまいました。 ここで、一の位に注目すると
4×8=32より、計算の答えの一の位は”必ず”2になります。しかし、1634だとーの位が4になってしまっているので絶対に間違っていると分かります。
②本当にその数はあり得る?
例えば、23×64=1472のところを、23×64=1272としてしまいました。64より小さくて64に一番近いキリの良い数は60です。23×60=1380なので、23×64の答えは当然これより大きくなるはずですね。しかし、1272は1380より小さいので、計算ミスをしていると分かります。
同様に、43×78も考えてみましょう。43×78=3354のところを43×78=3554としてしまいました。78より大きくて78に一番近いキリの良い数は80です。43×80=3440なので、43×78の答えは3440より小さくなるはずですね。しかし、3554は3440より大きいので、計算ミスをしていると分かります。
学年が上がると他にも計算ミスの確認法が習得できますが、まずは上の2つを習得してみてください。習得すれば計算ミスも減り、試験時間に余裕ができるので、これだけでテストの点数が大きく変わる人もいると思います。
〈410-15 総合〉
前回のマンスリーのテスト範囲の復習です。テストが終わったら忘れていいということはありません。「結構前にやったから忘れちゃった」とならないよう気を付けましょう。また、総合回で初めて出てくる問題もあるので、しっかり解いておきましょう。
偏差値50以上を目指す場合はBテキストとAテキストの★2まですべて解けるようにしましょう。
〔41A-16〕
p.13
大問1
異なる2つの数で割ったときに余りが同じになるときを考える問題です。まずは理屈を理解するためにそれぞれの数を書き出してみましょう。そして共通する数を探します。
スタートが定まれば、「8分間隔で出発するバスと12分間隔で出発するバスが同時に出発する時間」のような問題と同様に、最小公倍数ごとに同じ数が出てきます。よって、今回の場合は8と12の公倍数+4となります。
大問2
大問1と同じようにまずは書き出してみましょう。今回の場合は6と9の公倍数-2となります。
実は「余り」は「不足」に言い換えることができます。
「6で割ると4余る」とある場合は「6で割ると2不足する」となります。下の数直線のように、16は12を基準に考えると4余りますが、18を基準に考えると2不足しています。そして図より、余り+不足は割る数に等しいと分かります。
同様に考えて、「9で割ると7余る」は9-7=2より「9で割ると2不足する」と言い換えられます。
よって、今回は「7で割っても9で割っても2不足する数」、つまり「7と9の公倍数-2」を考えればいいということになります。
〈410-16 分数の基本〉
ここでつまずくと今後非常に厳しくなってしまう重要な単元です。分数はあらゆるところで出てくるので、せめて約分・通分だけでも完璧にしておきましょう。
偏差値50以上を目指す場合はBテキストの★3とAテキストの★2まですべて解けるようにしましょう。
偏差値60以上を目指す場合は★3まで解けるようにしましょう。
〔41B-16〕
p.5
帯分数の考え方は、今後の分数を使った計算の工夫で必要になってくるのでマスターしておきましょう。仮分数と帯分数の変換は、何となくではなく、式としての表し方も覚えておきましょう。
p.9
分母を▢倍したら分子も▢倍します。分母を〇で割ったら分子も〇で割ります。通分で必須の考え方なので身につけましょう。
約分では分母と分子の両方を割れる数、つまり公約数で割っていきます。最大公約数でいきなり約分しきるのが理想ですが、数が大きくて難しい場合は連除法のように割れる数でどんどん割っていきましょう。慣れないうちは2、3、5...のように小さい素数を当てはめて割れるかどうか確認するといいでしょう。
p.11
大小比較する際は分母か分子がそろっているかまず確認しましょう。
分母がそろっているときは分子の大小がそのまま分数の大小になるのでわかりやすいと思います。
分子がそろっている場合は分母が小さいほうが数としては大きくなります。ここを逆にしてしまわないよう注意しましょう。また、ただ暗記するだけにはならないようにも気を付けましょう。
そもそも、分数は割り算を表しており、例えば2/5は2÷5を表しています。そもそも「÷」という記号が分数に由来しています。
よって、例えば2/5と2/7の大小比較では2÷5と2÷7の答えの大きさを比較していることになります。同じケーキを人数分で分けるとき、人数が少ないほうが一人当たりもらえる量は多くなるので人数が少ないほうが嬉しい(?)ですよね。割る数が大きくなるほど答えは小さくなるというのは感覚でも理解できるようにしましょう。
分母も分子もそろっていない場合は、分母を最小公倍数にそろえましょう。最小公倍数が思いつかない場合は連除法を使って求めましょう。
p.13
分数という数としてしか認識できないと解けなくなってしまいます。分母と分子の数の和や差を実際に計算するという発想が大事になります。
大問1
大問2
〔41A-17〕
p.7
39/91のような公約数が分かりづらい数の約分は、とりあえず片方だけ約数を考えてみます。39は3で割れるとすぐに分かり、39÷3=13なので13も約数だと分かります。91を13で割ってみると割り切れますね。「とりあえず身近な素数で片方を割ってみる」を意識すると対応しやすくなります。
p.13
41B-16のp.13と考え方の本質は同じです。
大問1では分母には何もしていないので、221を何かで割った結果13になっていると分かります。よって、17で約分をしていると分かるので、元の分母の数も求まります。
大問2では両方に同じ数ずつ足したときは差は変わらないことに注目します。そこが理解できれば問題ありません。
〈410-17 つるかめ算〉
中学受験算数と言えばこれを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。様々な単元と複合して出題される単元です。つるかめ算を道具として解くような問題は多いので、確実に定着させましょう。
特に面積図は完璧にしておきたいです。ステップの方に類題がたくさんあるので、そちらで問題演習を繰り返しましょう。
偏差値50以上を目指す場合はBテキストの★2(応用問題を除く)とAテキストの★2まですべて解けるようにしましょう。
偏差値60以上を目指す場合はBテキストの応用問題とAテキストの★3まで解けるようにしましょう。
〔41B-17〕
p.3
まずは表で整理して解くやり方です。大問2の場合、一旦6枚すべてが7円切手だった場合をスタートにします。初めは表に従って値を埋めていきましょう。それができるようになったら、次は規則性で考えるステップに移りましょう。7円切手を1枚減らし、その代わりに5円切手を1枚増やすという操作をしたとき、差し引きでいくら増減したかを考えます。今回は「7円減って5円増える」ので、全体では2円減っていると分かります。1回の操作で2円減ると分かっており、合計金額が34円になるのは元の42円から8円減ればいいので、8÷2=4回この操作を行えばいいと分かります。5円切手は初めは0枚だったので、答えは4枚と分かります。
このように、すべての個数を一旦片方に集中させ、そこから規則を考えるという方法は重要なのでしっかりと身につけましょう。
p.5
次は面積図を使って解くやり方です。41B-13でL字の図形の面積を求める問題が出てきましたが、まさに今回のつるかめ算で使う考え方です。
なぜ図形に関係ないはずの文章題を面積図にできるのか考えてみましょう。例えば「3人にお菓子を5個ずつ配るために必要なお菓子の個数」を求める式は3×5=15となります。「たてが3cm、横が5cmの長方形の面積」を求める式も3×5=15となりますね。よって、文章題を面積図で表せることが分かります。
そしてどの数字が面積図のどこにあたるのか分かるようにしておきましょう。
p.7、9
面積図を自分で書けるようにする練習問題です。反復練習して慣れていきましょう。
p.11
大問1
3つになっても表で上手に整理できるようにしましょう。p.3での考え方同様、まずは表に従って値を埋めていきます。それができるようになったら、一旦個数を一方に集中した後、そこから1個ずつ個数を減らし、減った分を埋め合わせるために他の個数がいくつ必要なのか考えます。
大問2
今回は表が描かれていないので、自分で書けるようにしましょう。また、今回は「つるがかめより2多い」とあり、18全てをかぶとむしに集中させることはできないので、できるだけ集中させます。条件に合わせるためには、初めは「つる2羽、かめ0匹、かぶとむし16匹」にすれば良いですね。
スタートが書ければ、大問1と同様に規則性を考える問題になります。
p.13
(1)(2)は三角形の面積の復習問題です。底辺は三角形を作る3辺のうちのどれかですし、高さは底辺または底辺からまっすぐに延長した直線と垂直に交わる直線です。忘れていた人は底辺と高さがどこにあたるのか分かるようにしておきましょう。
本題は(3)です。まずは斜線部分を除いた二つの直角三角形の面積の合計を考えます。それぞれ8cm、12cmを高さとすると、それぞれの底辺の長さは分かりませんが合計は10cmと分かっています。そして合計の面積も分かっているので、つるかめ算を利用する問題と分かります。ちなみに今回は横向きに面積図を描いていますが、やることは変わりません。
このように、つるかめ算とは関係なさそうに見えて実は利用する、という問題はよく入試でも出題されるので、意識しておきましょう。
〔41A-18〕
p.11
多角形の内角の和の求め方を覚えていないと解けない問題です。三角形の内角の和が180°であることを利用し、他の多角形の場合は三角形で区切ることで内角の和を求めることができます。
内角の和を求めたら、後は通常のつるかめ算で解きましょう。
p.13
L字の図形の周りの長さを求める際は、押し出して通常の長方形と同じように考えましょう。凹んでいる図形の場合は、押し出しきれなかった部分を足し忘れないようにしましょう。
〈410-18 過不足算〉
差がつきやすい単元です。入試で頻出の単元なので確実に身につけたい単元です。
また、単元名としては出てきていませんが、差集め算の考え方が必要になります。下の例のように、配る個数を変えたときに一人につき何個ずつ差がついていくかを意識すると解き方が見えてきます。
偏差値50以上を目指す場合はBテキストとAテキストの★1まですべて解けるようにしましょう。
偏差値60以上を目指す場合は★3まで解けるようにしましょう。
〔41B-18〕
p.7
大問1
1人につき何個の差がつき、全体で何個の差になったかを考えれば大丈夫です。今回であれば1人につき2個の差がつき、合計で8個の差になっているので、合計の人数も分かります。
p.9
大問1
余りが不足になっただけで、本質的にはp.7の大問1と同様に考えれば大丈夫です。
p.11
大問1
「余り」と「不足」の根本的な意味が理解できていれば問題なく解けます。11冊不足したということは、元の本の数が配りたい数より11冊少なく、5冊余ったということは、元の本の数が配りたい数より5冊多いことを意味します。よって、全体の個数の差は11+5=16となります。
p.13
できない人はかなり苦戦する問題です。長いすの数と子どもの人数どちらをどのように基準にすればいいのか分からないという人は多いのではないでしょうか。
ただ、基本的に分からなくなる原因は表記の仕方が変わったから、というだけのパターンは多いです。「お菓子を1人に4個ずつ配る」はすぐ理解できても、「1つの長いすに4人ずつ座る」になると思考が止まってしまうパターンですね。普段は「人に配る」を考えているので、「人を分配する」という考え方に慣れていないのが原因の一つです。
長いすに4人ずつ座るということは、「人を4人ずつ配る」ということです。これが理解できれば初めの壁は超えられるでしょう。
次に苦戦するのは「誰も座っていない長いすが2脚できる」の意味でしょう。ただし、これも「人を分配している」という意識があれば、「人が余っているか不足しているか」を考えればいいと分かります。お菓子を配る際の「お菓子が余っているか不足しているか」と本質は全く同じです。
今回は4人ずつ座った結果、誰も誰も座っていない長いすが2脚できるわけなので、あと8人いれば長イスが埋まる、つまり「8人不足している」と言い換えられます。
同様に、6人ずつ座って誰も座っていない長イスが5脚できたとき、6×5=30より「30人不足している」と分かります。
〔41A-19〕
p.13
大問2
「4人ずつ座ると2脚不足する」という言い回しに気を付けましょう。2脚不足するということは8人が座れていない、つまり「8人余っている」と言い換えられます。
そして、「5人ずつ座ると最後の3脚だけが4人掛けになる」という言い回しに混乱する人は多いかと思います。しかし、考え方の本質は前述の通りで、あと3人いればイスが埋まる、つまり「3人不足している」と言い換えられます。
【まとめ】
今回は必ず完璧にしなければいけない分数の基本、設問を読み解く力も問われるつるかめ算と過不足算です。「設問で何を問われているかが分からない」という場合は、国語において改善するべき点があることも考えられますので、今後の学習の方針を練り直してみましょう。
また、テスト本番では解ける問題から解くという意識は忘れないようにしましょう。順番に解かないといけないというルールはないので、柔軟に進めていきましょう。
どのように学習すれば本質的な理解ができるようになるのか、どのような学習計画を立てていけばいいか分からないなど、お困りのことがありましたらぜひご相談ください。