サカセルコラム

日能研の夏期講習5年生はどう過ごすべき? Column

日能研の活かし方

日能研の夏期講習5年生はどう過ごすべき?

2022.07.15

日能研5年生の皆さん、夏期講習がいよいよ目前に迫ってきましたね。

この記事では5年生の夏期講習のどこにポイントを置いて学習すべきかなど、算数を中心にお話していきます。

5年生の夏期講習の最重要目標はたった1つです。

割合と仕事算をマスターすること

算数の中核をなす「割合」の授業は、5年生の6月下旬から7月まで4回に渡って行われました。

夏期講習において割合の授業は、第13~15回の3回に渡って再び行われます。

「仕事算」は新出の単元です。本科授業では学習していません。この授業は夏期講習の第19回に行われます。

とにもかくにも、この割合と仕事算の回に全神経を集中してください。

それでは、まず簡単に日能研の5年生の夏期講習の全体像を見ていきましょう。

・復習方式?積み上げ方式?

日能研の期間講習は基本的に復習方式です。

例えば夏期講習の場合ですと、2月から7月の本科授業で学習した内容をもう一度夏期講習の場で学習するカリキュラムになっています。しかし、前述のように1つだけ新しい単元が出てきます。

夏期テキストの第19回文章題(4)で「仕事算」を学習します。これは前期の本科テキストには載っていません。つまり夏期講習で初めて学習するので注意が必要です。

・授業時間は1日あたり約5時間

基本的に70分× 4コマ×18日間+別日のテスト3回のカリキュラムになっています。

拘束時間は他塾に比べて長いです。

3回のテストは夏期講習のカリキュラムに即したもので、時間は40分です。育成テストのコンパクト版だとお考え下さい。

ちなみに例年9月の第1週目の土曜日に全国公開模試があります。

・クラスのレベルは3段階

易しい方から順に「5標準」、「5応用」、「5発展」となっています。

テキストもこれらに準じて3種類あり、表紙に大きく「5標準」、「5応用」、「5発展」と記載されています。

「5発展」がMクラスで、それ以外の2つはAクラス用テキストと考えて差し支えないでしょう。

次に夏期テキストについて少しお話します。

日能研の夏期テキストの特徴を一言で表しますと……、

問題数が少ない

特に「5標準」と「5応用」の問題は、ほとんど前期本科テキストの焼き直しです。

中学受験は復習方式が基本ですので、同じ問題を忘れたころにもう一度やるのは効果的です。しかしながら、いくら復習方式とは言え、本科テキストの数値替えに近い問題だけではあまりにも少なすぎます。

ちなみに各テキストが想定しているお子さんのレベルは以下の通りです。

「5標準」 → A1~A2クラスの生徒
「5応用」 → A2~A4クラスの生徒

お子さんの気持ちになれば、この夏期講習で少しでも算数の成績を上げたい!もっと計算が速く解けるようになりたい!クラスアップをしたい!という率直な思いを抱いて夏期講習に臨んでいる子たちが多いのではないでしょうか。

例えば、算数が苦手なお子さんが普通程度の力をつけるには「せめてこれだけは」という演習量があります。そういうお子さんが、ヨシ!頑張るぞ!という気持ちでその演習量をしっかりこなそうと、いざ頑張ろうとしても、拍子抜けするほど問題量が少ないのです。やりたくても問題が無いのです。

ここで「割合」の単元を例に見てみましょう。

「5標準」、「5応用」第15回割合(2)の相当算の回は、共に問題数が大問10問ほどです。

これを70分の授業で扱いますので、演習+解説で6~8問くらいは授業内で扱えるとしましょう。

そうすると家庭学習は、間違えた問題の解き直しと残りの問題といったところでしょうか。

しかし、お子さんがさらなる類題演習やもう少し難度の高い問題をやりたいと思っても、夏期テキストにはありません。

残念ながら「5標準」はここまで。「5応用」はこのレベルまで。という風に問題の難易度と量が決まっています。もちろん問題量が無限にあるテキストなどというものは存在しません。ここで言いたいのは、「せめてこのくらいの分量(の演習問題)は欲しい」という意味です。

ところで、Mクラスの生徒さんたちが対象である「5発展」のテキストはどうでしょうか。

こちらは本科テキストの数値替え+発展問題となっており、さらに約50問の「特別問題」というものが付いていますので、Mクラスのお子さんたちは指示があってもなくても、これを含めてテキスト全問をしっかりこなせば良いでしょう。もちろん力の入れどころは「割合」と「仕事算」です。

では「5標準」と「5応用」のクラスのお子さんはどうすればいいのか?

ここで登場するのが「前期栄冠テキスト」です。

「5標準」のお子さんは、夏期テキストが終わったら、同じ単元の学び直し①をスラスラ解けるまでやってください。それが終わり次第、学び直し③のせめて半分くらいまではやってください。できそうなら全部やっても構いません。

どうしても苦しければ、第35~38回の「割合」の学び直し③だけでもすべてやってください。

「5応用」のお子さんは夏期テキストが終わったら、同じ単元の学び直し①と③をスラスラ解けるまでやってください。学び直し③の後半の問題は難しいので、どうしてもわからない時は解説を見ても構いません。その代わり数日後に、解けるようになったかどうか、もう一度解き直しをしてください。

計算力をつけたいお子さんは、夏期テキストの「計算」と「計算と一行題」だけでは足りません。

もう一度、前期の「計算」を第19回から38回まですべてやってください。

たとえば、もし逆算だけが苦手なら、それだけをピックアップしてすべてやれば良いでしょう。

そして最後にもう一度言います。

この夏期講習では「割合」と「仕事算」をなにがなんでもモノにしましょう。

「割合」や「仕事算」の考え方は算数の底流とも言える非常に重要な単元です。

特に「仕事算」の回は夏期講習終わりごろ授業があります。この頃になると、夏期講習のゴール直前でフッと気が抜けてしまいがちです。最後の最後が大切です。一本、一本、丹念にギュッとネジをしめるよう、気を抜かないで授業に臨んでください。

以上になりますが、日能研5年生の夏期講習は塾のカリキュラムだけでは補えないものがあります。自発的な取り組みが鍵となってきますので、積極的に頑張ってください!


にほんブログ村にも参加しています。ぜひ下のバナーをワンクリックで応援もお願いします!

関連記事

三島孝太郎

この記事を書いたのは...

三島孝太郎

個別指導、家庭教師、小規模塾、中規模塾、大手集団塾で子供たちに勉強を教え続けて約30年。

どのように説明すれば分かりやすいだろう、どんな喩えを使えば理解してもえるだろう、どんな訓練をすれば力を伸ばしてあげられるだろうと、これまでの経験を上書きしながら日々試行錯誤の連続です。
算数はおもしろい科目です。しかしただおもしろいだけではなく、その深さと広さには際限がありません。
この算数の大海にぽつんと投げ出されても、子供たちがたった一人で無事に渡っていけるように、乗り越えていけるように、知識と技術と武器を授けるのが私の仕事です。


趣味は読書で、マンガや小説問わず読んでいます。好きになった作品や作家は何度も読み返すくらいハマってしまいます。

同じ筆者の記事を見る

人気の記事